
導入事例#022

株式会社あすかの杜 明日香荘さま(長野県大町市)
北アルプスの東麓、標高約720mの緑豊かな山間にある人気の温泉宿泊施設、明日香荘さま。
同施設では昭和46年の営業開始以来、八坂村(現・大町市八坂)の名物、灰の中で蒸し焼きにするおやきを製造、販売しています。
「灰焼きにこだわるのは美味しいから。この伝統は守っていきたいと考えています」と、同施設を運営する株式会社あすかの杜 代表取締役社長 高橋さまは話します。
今も変わらず伝統的な製法で製造されている灰焼きおやき。
しかし、ガスの炎で灰の入った鉄板を直接熱していたため、作業室内は輻射熱で60℃以上もあり、熱中症や、不完全燃焼による一酸化炭素中毒の恐れもありました。
そんな従業員に大きな負担がかかっている作業環境を改善したいと考えていました。

「従業員の負担を少なくしたいと考えていました」と語る高橋さま
![]() 以前は、炎で鉄板を熱していました |
![]() 使用していた旧装置 |
作業環境の改善を第一の課題として、さらに省エネ・省コストも図りたいと考えていた同施設の要望に対して、中部電力は、灰焼きおやきの製造をIH加熱装置で行うことを提案しました。
従来のガス加熱では排熱により、作業室内が暑くなる上に、ガス燃焼排気の上昇気流で室内に灰が飛散してしまいます。
一方、IH加熱は、鉄板と灰だけに効率良く熱を伝えるため排熱が少なく、作業環境の改善が期待できます。
また、燃焼がないため不完全燃焼の心配もなくなり、安心して働けることや、灰の温度コントロールが容易にできるなどのメリットもあります。

これまで作業場の室内温度は、夏は60℃以上にもなりました。 その環境の中で1日5〜8時間働くのは体力的にとてもきつく、連続勤務は3日が限界だったそうです。 IH灰焼きおやき装置を導入した結果、作業室内温度は平均61℃が31℃になりました。 おやきの製造を担当している従業員の方は「以前は汗をダラダラかいてやっていましたが、今はかなり快適になりました」と話します。 また、舞い上がる灰の量も抑えられ、従業員の身体への負担は大幅に軽減。燃焼がないため不完全燃焼の心配もなくなり、安心して働けるようになりました。

▲IH灰焼きおやき装置
IH式灰焼きおやき装置導入により、消費エネルギーとCO2排出量はそれぞれ約1/3に、エネルギーコストは約1/6に激減という試算結果が出ています。
導入後、数ヶ月が経過しましたが、実際に期待通りの実績を重ねています。
IH式はおやきを焼く灰の温度むらが少ないため、品質向上にも役立っています。
「焼き上がりがきれいなおやきができるようになり、不良品も少なくなりました」と従業員の方が話すように、品質面でもご満足いただいています。
また、ガス式では2時間前に点火する必要があり、当直者が朝早く点火する必要がありましたが、IH式はタイマー起動させることができ、その上、火の立ち消えを心配することがなくなりました。
そのため、当直者の負担が減り、作業の効率化にもつながっています。

▲IH灰焼きおやき装置でおやきづくり

灰焼きおやきの伝統を残していくためには、その製造の担い手が欠かせません。
高橋さまはそれだけに今回、IH灰焼きおやき装置を導入して大きな手応えを感じたと語ります。
「作業環境が大幅に改善され、従業員の健康管理に配慮できたことがまず何よりも良かったですね」。
安全で快適な職場になったことで今後、人材の確保という面にも期待がかかります。
快適な作業環境を実現し、コスト削減や品質維持に成功した株式会社あすかの杜 明日香荘さま。
さらなる省エネ、省コストを図るとともに、これからも人々に愛される灰焼きおやきの伝統を守り続けていきたいと考えています。

▲「作業がラクになり、安心して働けます」と従業員の皆さま
