
導入事例#032

パナソニック電工株式会社 伊勢工場さま(三重県度会郡)
制御機器事業をはじめ、電子材料事業、情報機器事業、照明事業、電器事業、住建事業の6つの基幹事業において研究開発から製造、販売までを行うパナソニック電工株式会社さま。1971年に制御機器の専門工場として設立されたパナソニック電工 伊勢工場さまは、自動車やパソコン、携帯電話などに用いられるMEMS、リレー、コネクタ、センサを製造しており、カーエレクトロニクス機器やIT機器等の技術革新に貢献しています。
パナソニック電工 伊勢工場さまでは、精密かつ高信頼性の製品づくりとともに環境保全にも力を入れており、業界に先駆けて'96年にISO14001の認証を取得。さらに、各部署から責任者を選出して環境保全管理組織を編成し、CO2削減や省エネ、廃棄物削減といった環境保全活動に積極的に取り組んでいます。
「環境保全活動はパナソニック電工グループ全体で取り組んでおり、CO2削減などの目標値を設定しています。当工場もCO2削減の目標値を年度ごとに設定しており、目標を達成するために生産プロセスの改善をはじめ、クールビズや従業員のパソコンを省エネモードに設定するといった細かい活動に至るまで徹底して取り組んでいます」と伊勢工場 工場長の赤木さまは語ります。
こうした活動の一環として、伊勢工場さまでは以前から新棟への高効率電気式空調設備の導入や建屋の空調を重油焚吸収式冷温水機から個別分散型の電気式ヒートポンプ空調への更新などによりCO2削減を図ってきました。今回はクリーンルームの空調設備を見直すことになりました。
「クリーンルームは365日24時間の空調が必要で、消費エネルギーも多大です。クリーンルームの空調設備は重油を使用していましたが、工場全体のCO2排出量の削減やエネルギーコストの低減を図るため、電気への転換を考えていました」(赤木さま)。
クリーンルームの空調設備は重油焚吸収式冷温水機を使用しており、2008年の原油価格の高騰時はエネルギーコストが増大していました。加えて、設備メンテナンス軽減、及び地震災害時の重油漏洩のリスク回避としても、クリーンルームの空調を電気式に切り替える検討をしていました。

クリーンルームでは、半導体リレーなどの精密製品を製造しています。ここでは不良品の原因となる微細なチリ、ホコリなどの異物混入を防ぎ、さらに温度と湿度をコントロールするなど、極めて厳格に、清浄な製造環境を維持しなければなりません。
中部電力は、24時間空調を実施しながら、CO2削減と省エネを実現できる空調設備として高効率空冷ヒートポンプチラーを提案しました。トップランナー機器の製品紹介に加えて、導入後のコストメリットやCO2削減量の試算、さらに、実際に設備を導入し、改善につながった事例なども紹介しました。
こうした提案が受け入れられ、クリーンルームの空調には高効率空冷ヒートポンプチラーが採用されました。導入にあたっては国交省の補助金制度を活用し、イニシャルコストの低減も図っています。
空調以外でも、LED照明を採用し、省エネ効果に優れた設備の導入に取り組んでいます。
また、省エネへの取り組みとして、自社の省エネ支援製品「エコパワーメーター」を設置。生産設備、空調、照明など設備機器ごと、また各部署ごとのエネルギーデータをリアルタイムで集約し、各個人のパソコンで確認できるよう「エネルギーの見える化」を実現しています。
空調設備に高効率空冷ヒートポンプチラーを採用し、さらなる省エネとCO2削減を図った伊勢工場さま。今回の空調設備の更新によって、年間1,000トンのCO2削減を予定しています。現時点で、ヒートポンプチラーが稼働した'09年4月から6月までの3ヶ月間で300トンのCO2を削減。年間に換算した場合、当初の予定値である1,000トン以上のCO2を削減できることになり、伊勢工場年間CO2排出量の約9%削減に寄与することになる予定です。
施設環境課の松岡さまは、「重油を使用する燃焼式の設備は日常点検や月次点検など、点検項目が多く、メンテナンスに時間も費用もかかりました。今は、こうした設備管理の業務が軽減され、メンテナンスコストも削減できました」と語ります。
中川さまからも、「今回採用したヒートポンプチラーは、モジュール連結方式です。そのため、修理・点検がモジュールごとに実施でき、システム全体を停止する必要なく、安心ですね」とメンテナンスの容易さについて評価しています。
また、エコパワーメーターを使って生産設備の稼働状態をモニタリングし、非生産時のムダな電力を削減できるようにプログラムを変更。同様に、休日の使用電力を分析し、待機電力等の削減を図るなど、工場全体の省エネ対策に役立てています。

伊勢工場さまでは、今回のクリーンルームに採用した空冷ヒートポンプチラーなどのCO2削減効果やコストメリットを評価し、さらに既存の燃焼式空調設備の更新についても検討を進める予定です。
185,000平方メートルの広大な敷地内に14個の古墳を持ち、緑化率は50%以上という伊勢工場さま。「工場周辺の自然環境を維持し、地域に貢献することは、当工場の社会的責任であると考えています。今後も環境保全管理組織を中心に、省エネやCO2削減などの活動を推進していく上で、中部電力には、効率的なエネルギーの運用方法について、私たちでは気がつかない部分をフォローしてもらえるような提案を期待しています」と赤木さまは語ります。
パナソニック電工 伊勢工場さまでは、「緑豊かな公園工場をつくる」というコンセプトのもとに設立された工場として、今まで以上に省エネ・CO2削減へ取り組み、自然環境との調和を図りながら製品製造を行う考えです。
