定例記者会見(2000年) 太田社長定例記者会見発言要旨

平成12年4月
中部電力株式会社

1 平成11年度の電力需要実績(配布資料)

  • ○ 平成11年度の販売電力量の実績は、合計で、対前年増加率1.6%と、低めの伸びとなった。
  • ○ 11年度の特徴を申し上げると、民生用需要は、契約数の伸びはあったものの、やや鈍化していることに加え、夏場の気温が前年に比べ低めに推移したことによる冷房設備の稼動減などから、やや低めの伸び(+2.2%)となった。
  • ○ 一方、産業用需要は、上期は景気低迷などの影響から前年割れとなっていたが、上期後半から素材型産業を中心に生産増の動きが見られたことなどから、下期では、平成9年度上期以来5期ぶりにプラスとなった。
    この結果、年度では2年ぶりにプラスの伸び(+1.0%)となっている。
  • ○ 産業用需要の内、大口電力について、産業別の動きを代表的な業種についてみてみる。
    素材型産業のうち「鉄鋼」は、11年度では1.1%とプラスの伸びとなった。「鉄鋼」は9年度下期頃から自動車向けを中心に減産に転じ、生産水準が低位で推移していた。
    しかし、上期の後半からアジア地域への輸出増などにより生産水準の上昇が見られ、上期では対前年増加率▲2.9%であったものが、下期ではプラス5.1%となっている。
    この結果、年度では平成8年度以来3年ぶりにプラスの伸びとなった。
  • ○ 当地域の主力産業である自動車などの「輸送用機械」については、年度では▲0.9%となっている。
    これを期別に見ると、上期では既存車種の販売不振などから対前年増加率▲2.5%と前年割れとなった。しかし、下期では一部新型車の生産が好調なことなどから、平成9年度上期以来5期ぶりにプラスの伸びになっている。
  • ○ 主要自動車メーカーの動向を見てみると、直近の2カ月(12年1~2月)では国内生産が二桁の伸びをみせ、輸出も波はあるものの下期には高い伸びを示し、電力需要のプラスの伸びを裏付けている。
  • ○ 電気機械は、液晶や半導体の生産が引き続き好調なことなどから、年度で9.0%と高い伸びとなっている。
  • ○ 次に、四半期別の大口電力カーブの動きを見てみると、11年度第2四半期(7~9月)に、2年ぶりに、自家発電を含む使用電力量の伸び率が、契約電力の伸び率を上回った。それ以降3四半期連続で同じ傾向が継続している。
    しかし、契約電力の伸び率が昨年4月以降対前年比マイナスで推移しており、新規の設備投資の抑制や過剰設備の廃棄など、なお調整が行われていることがうかがえる。
  • ○ 中部の景気動向を示す指標を見てみると、2月の鉱工業生産指数が7カ月連続で前年比増となっているほか、同月の在庫率指数は、14カ月連続で前年比マイナスとなり、在庫の減少を示すなど、明るい面も出て来ている。
  • ○ 今月はじめ(4月3日)に出された日銀名古屋支店3月の「短観」でも、東海3県の景況感を示す業況判断指数が5期連続の改善となり、平成9年9月の調査以来、2年半ぶりに全国水準を上回っている。
    また、13日の金融経済概況においても、景気判断は改善している。
  • ○ 反面、2月の大型小売り店販売は22カ月連続の前年割れとなったほか、実質消費支出は2月はうるう年の効果はあったものの低調で、有効求人倍率は依然として低水準にある。
  • ○ こうしたことを総合してみると、電力需要動向や各種景気指標からみて、生産活動には確かに明るさがみられるとは思う。ただ、ここで注意しなければならないことは、生産活動の活発化は、内需よりも外需に支えられている面が強いということである。雇用・所得環境には目立った改善が見られず、企業部門の改善は進んでいるが、景気回復のカギとなる個人消費の増加、つまり内需の拡大に至っているとは言い難いわけである。
  • ○ 私としては、日本経済は依然として力強さを欠いており、景気が本格的な改善傾向に移行していくには、やはり個人消費が回復してくることがポイントだと思っている。外需だけでなく、内需もバランスをとって回復してきて初めて自律回復への道筋が見えてくるのではないか、と考えている。

2 光ファイバー心線貸付事業のスタートについて(配布資料)

  • ○ 光ファイバー心線貸付事業への参入については、昨年12月(12月21日の定例会見)に発表し、これまで検討を進めてきたが、このほど具体的な見通しが得られ、来月からサービスをスタートする運びとなった。
  • ○ 光ファイバー心線貸付事業は、当社が保有する約18,000kmにおよぶ光ファイバーケーブルの「心線」を、通信事業者やCATV事業者などにお貸しし、利用料金をいただくというものである。
  • ○ この事業は、当社の経営資源を有効に活用でき、新たな収益確保につながるものであり、電力自由化時代における新規事業領域として開拓しようとしている分野のひとつである。
  • ○ また、複数の事業者のケーブルが同じ電柱に乗ることによる、電気保安上や景観上での支障を防ぎ、効率的な利用を行うことも大きなねらいである。
  • ○ 事業のサービスエリアは、当社の電力供給エリアと同じ中部5県の範囲で、対象となるユーザーは、通信事業者やCATV事業者、地方自治体等である。
  • ○ 事業形態は、当社が直接実施するものとする。
    事業を始めるに当たり、推進体制として、当社の制御通信部内にお客さまの窓口や営業交渉、契約締結から利用料の手続き関係などを担当する「ネットサービスグループ」を5月23日付けで設置することとした。
    また、支店や電力センターなどの通信担当部署が、実際の貸付設備の調査・検討や工事実施などの業務を分担することとした。
  • ○ 営業目標としては、サービス開始の平成12年度で貸付亘長約1,500km、14年度までの3年間で約4,500km程度に拡大していきたいと考えている。
  • ○ 売り上げの目標としては、当初の12年度で約4億円、3年後の14年度では約30億円を目指している。
  • ○ 今後の展開としては、先日お知らせした、中部電力グループのCATV会社である株式会社シーテック(CCNet)、春日井小牧コミュニケーションテレビ株式会社(KCTV)と、名古屋ケーブルネットワーク株式会社(スターキャットテレビ)との協調体制に伴う利用が予定されている。
  • ○ 協調体制の下でのネットワーク接続や、将来のCATV放送のデジタル化に対応したデジタル放送受信施設の共同利用などに、ベースとして当社の光ファイバーケーブルの心線を使っていただけるものと期待している。

3  平成12年3月期・期末配当予想について(配布資料)

  • ○ 当社は、かねてより「お客さま、株主・投資家のみなさまにご満足いただける、健全かつ高収益な事業基盤の確立」を目指して、全力をあげて経営効率化を推進してきた。
  • ○ 部分自由化以降も、お客さまにメリットが出るようサービスメニューの充実を図っているところである。また、本年中のしかるべき時期には料金引き下げを行うこととしている。
  • ○ 一方、当社は、これまでの効率化の成果を、お客さまのみならず株主・投資家のみなさまにも配分する観点から、平成12年3月期の利益配分において、期末配当予想を1株当たり35円とすることとした。
  • ○ これにより年間の配当は、従来の年50円から年60円と、10円の増配となる。
  • ○ 当社としては、今後さらに工夫を凝らし、企業価値の向上に向け努力してまいる決意である。

以  上