定例記者会見(2000年) 決算発表後の会長・社長会見要旨

平成12年5月

1 会長挨拶


【電力自由化時代への対応について】

  • ○ ご承知のように、電力自由化が始まった。
    自由化にあたり当社は、各種約款の届け出、新たな料金メニューの提示などをはじめとする具体策をお示ししてきた。
    その結果、おかげさまで、スタートの段階で、自由化対象となる約1,100件すべてのお客さまから、引き続きご契約いただけることとなった。

  • ○ しかしながら、「これで良し」ということではもちろんない。

  • ○ 報道によれば、三菱商事の100%子会社の「ダイヤモンドパワー」は、東京品川に給電指令所の設置を進め、独自のノウハウと、固い顧客基盤を背景に、着々と準備を進めているとのことである。

  • ○ また、アメリカの総合エネルギー企業「エンロン」の日本での拠点「イーパワー」が、参入のための電源確保を進めているとも報じられている。

  • ○ このように、強力な競争相手の市場参加は、時間の経過とともに間違いなく具体化してくると考えている。これからが本当の競争・勝負となってくる。

  • ○ 競争であるからには、「勝つ」ことを目指して事業運営していくことは言うまでもない。また、自由化によって「経営の自主性」ということが、今まで以上に問われてくることになる。

  • ○ つまり、勝つための強い意志と、明確な独自の戦略を展開して「いかにして企業価値を高めていくか」ということを念頭に経営にあたることが不可欠だということである。

  • ○ こうした観点から、当社としては、競争に打ち勝つため、いくつかの軸を据えて業務運営に取り組むこととしている。
    そのひとつは、組織面、要員面、企業体質などの面において、柔軟性を高めること、あるいは、従来以上にスリム化を図ることである。
    また、中電グループ全体としての収益力の強化という点も重要な軸である。

  • ○ 電気事業法の改正により兼業規制が廃止され、当社も様々な分野へ事業拡大のチャンスが広がっている。
    こうした点は、ガス小売事業への参入など、その都度お知らせしているところである。

  • ○ 当社としては、この機会をむしろチャンスと捉え、収益力の拡大を目指してチャレンジしていくこととしている。
    このようなことを通じて、当社は市場から選択され、企業価値向上を実現したいと考えている。

  • ○ 過日(4/25)、12年3月期の期末配当金を1株につき35円とし、年間50円から60円に増配すると発表したことについても、当社のこうした考え方の現れであると受け止めていただきたいと思っている。

  • ○ 電力自由化が始まり、一つひとつの企業行動が今後の生き残りをかけた勝負を決めていくことになる。今申し上げたような「業務運営の軸」の持つ意味をよくかみしめ、「リングには必ず勝者として残るのだ」と固く決意して、全社一丸となって進んでまいりたいと考えているところである。
  • (役員人事)


  • ○ 6月の株主総会終結をもって、社外監査役のお二人が任期満了となる。
    ついては、神谷健一、波多健治郎のご両氏には引き続き監査役をお願いすることとし、本日の取締役会において、改めて監査役候補として決定した。

    お二人には、これからも私ども取締役の業務執行に対して、いろいろご指導を賜りたいと考えている。

2 社長挨拶

1. 11年度・連結決算について(単位:億円未満切り捨て)

  • ○ 当社では、連結情報を重視する流れを踏まえ、今回から、連結決算と個別決算を同時に発表させていただくこととした。

    また、開示情報をより充実する観点から、連結子会社として従来の5社に加え、新たに5社を追加した。
    これにより連結対象会社は、連結子会社10社、持分法適用会社2社の、計12社となっている。
  • (収 支)

  • ○ 当期の連結決算の収支には、
    ・売上高は、前期比0.3%減の 2兆1千676億円、
    ・経常利益は、前期比 37.9%増の 1千288億円、
    ・当期純利益は、前期比 87.4%増の  771億円

    となり、平成6年度の連結決算実施以降、初めての減収増益となった。
    なお、グループ全体に占める当社のウェイトが大きいことなどから、連結決算の状況は個別決算と大きく変わらないものとなっている。

2. 11年度・当社個別決算について(単位:億円未満切り捨て)


  • ○ 中部電力の個別決算について
    ・売上高は、前期比1.2%減の2兆1千155億円、
    ・経常利益は、前期比49.4%増の1千263億円、
    ・当期純利益は、前期比107.2%増の804億円

    となり、昭和61年度以来、13年ぶりの減収増益となった。

  • ○ 平成11年度の販売電力量は、電灯電力合計で前期比1.6%増の 1千200億kWhとなった。
    これは、電灯の契約の増加や、電力のアジア向け輸出の増加などによる産業用需要の回復などによるものであるとみている。

  • ○ 売上高については、販売電力量の増加はあったが、燃料費調整制度による収入減があり、前期に比べ 262億円減収の、2兆1千155億円となった。

  • ○ 一方、費用については、減少分として、
    ・「人件費」が、給料手当の減少などにより ▲47億円、
    ・「減価償却費」が、新規電源の竣工がないこともあり、▲389億円、
    ・「支払利息」が、金利の低下や繰上返済実施額の減少などにより、▲574億円、
    ・「公租公課」が、事業税の減少などにより、▲12億円、
    前期に比べて、それぞれ減少した。

    また、増加分として、
    ・「燃料費」が、原油価格の上昇などにより、+249億円、
    ・「修繕費」が、火力発電所の保修工事の増加などにより、+108億円、
    前期に比べ、増加している。

  • ○ この結果、費用全体では、1兆9千925億円となり、前期に比べ 685億円の減少となった。

  • ○ 以上から、経常利益は 1千263億円となり、前期に比べ417億円の増益、当期純利益は804億円と、416億円の増益となった。
  • (期末配当)

  • ○ 当期の中間配当金(15ページ参照)は、1株25円とさせていただいたが、期末配当金については、すでにお知らせした(4/25定例会見)とおり、これまでの効率化の成果を株主の皆さまに還元するため、1株につき35円とした。
  • (平成12年度の収支見通し)

  • ○ 平成12年度の通期の収支見通しについて。
    販売電力量は 1千209億kWhと、0.7%の伸びを予想している。

  • ○ 売上高は、2兆1千900億円程度と増収を見込んでいる。
    一方、経営全般にわたる効率化を推進し、設備関連費用をはじめとした経費を節減することにより、経常利益は、1千300億円程度と増益になる見通しである。
  • (連結決算・平成12年度の収支見通し)

  • ○ なお、連結決算における収支見通しについて。
    売上高は、2兆2千600億円程度、経常利益は、1千250億円程度となる見通しである。

  • ○ 電力自由化による競争時代を迎える中、当社は電気事業を核とした総合エネルギー企業を目指して、保有する経営資源を最大限に活用し、グループ全体としての企業価値向上に努めているところである。

  • ○ こうした取り組みを通じて優れたサービスを提供し、皆さまから選択され、お役に立つ会社であり続けることを念願している。

3. 業務運営の合理化・効率化の加速


  • ○ 最後に、当社は去る3月30日に、平成12年度経営効率化計画を「経営の目指すもの」として公表した。これは、当社の直面する経営環境、これに対応する経営の方向性、および具体的な経営課題とその取り組み状況についてとりまとめたものである。

  • ○ 今回、平成11年度における効率化努力の進捗状況等について、お手元の冊子「当社の経営概況」を作成した。
    内容については、成果を取りまとめた都度、皆さまにお知らせしておりますので、後程ご覧いただければ幸いである。

4. 税務調査に関する一連の報道について


  • ○ 今回の件は、昨年7月頃から、通常の税務調査があり、その過程で、いくつかの項目について、国税当局との間で見解の相違があった。

  • ○ 当社としては、この問題については正々堂々としたもので、やましいことはないと確信している。これに対して「更正決定」を受けたことは、不服であると思っている。

  • ○ 記事にあるような、「裏金」や「所得隠し」、「利益供与」ということは、決してあり得ない。

以  上