定例記者会見(2000年) 太田社長記者会見発言要旨

平成12年12月

1 転籍制度の拡大について(配布資料)


  • ○ 当社ではこのたび、特別役付職に限定した、現行の転籍制度の対象者を、一般役付職および一般職にまで拡大し、出向社員全員とすることといたしました。

  • ○ ご承知のように、転籍制度は、当社に在籍したまま関係会社で業務に携わる「出向」と異なり、出向後一定の年齢で当社を退職し、関係会社に籍を移していただくものであります。

  • ○ 当社は、去る平成10年3月末に、電力競争時代を迎えるにあたって関係会社の人材活性化とグループ全体の総合力強化を図るため、まず特別役付職に限定して転籍制度を導入いたしました。

    これは、特別役付職の出向者について、部長クラスは満55歳、課長クラスについては満57歳で関係会社などへ転籍するというものであります。

  • ○ 現行の制度導入以来約3年が経過しておりますが、この間、電力部分自由化の本格的なスタート、各種新規事業への取り組み、および連結重視の会計制度の見直し等、新たな経営環境に入り、厳しさはさらに増しております。
     このような環境においては、当社をはじめ中電グループ全体でさらに収益力・総合力を強化していくことが必要であり、このためには人材の一層の活性化が求められているところであります。

  • ○ 現在の転籍制度では、一般役付職・一般職の出向者は転籍対象となっておらず、60歳の定年まで当社に在籍したまま関係会社の業務に携わっていただいております。 しかし、関係会社の人材活性化のためには、役職にかかわらず全ての社員が、名実共に関係会社の人間となり、先方の社員と一体となって業務の効率化に取り組んでいただくことが重要なことであります。

  • ○ こうしたことから、今回、制度の適用対象を全社員に拡大することとしたものであります。
     具体的には、部長クラスは現行通り満55歳で転籍とし、課長クラス以下は満57歳で転籍することといたしました。

  • ○ 二点目は「経営全般の再点検」であります。  現行の意思決定システム、組織・権限、業務運営のあり方など、事業のあらゆる段階において、「競争対応」という現実的な視点から再点検し、変えるべきものは確実に変革していこうということであります。

  • ○ 拡大の実施時期は、来年(平成13年)3月末からを予定しております。

  • ○ ご承知のように、当社では現在、業務運営の効率化策として「業務革新2001」を進めております。これは、「平成13年度末で19,300人体制を目指す」というものでございますが、現状では、12年度末には19,500人程度になる見込みというところまできております。

  • ○ 加えて、今回の拡大によって、12年度末に、最大650人程度が新たに転籍する見込みであります。これにより、当社の要員(在籍人員)は、平成12年度末(13年3月末)で18,800人程度となると見込んでおります。

  • ○ 私といたしましては、今回の新たな人事施策が、中電グループ全体の刺激となり、人材活性化、収益力強化につながるよう、強く望んでいるところであります。

2 この一年を振り返って


  • ○ 次に、今年一年を振り返るという意味で、一言申し上げます。
     今年は、私としては、電力本格競争時代の幕開けにあたり、「電気事業の将来を気にかけた年」ということになると思っております。

  • ○ いくつか話題を申し上げますと、まず、第一に挙げられるのは、3月21日からスタートした電力部分自由化であります。
     今回の制度改革により、電気事業は、直接的な競争体制へと、大きくパラダイム変換を遂げたわけであります。

  • ○ 部分自由化がスタートしてから、9カ月ほどが経過しておりますが、全国規模でみると、すでに3社の新規参入者が登場し、お客さまの争奪戦が始まっていると言えると思います。
     また、商社、外資系企業なども今後、次々と市場に登場してくるものと予想され、厳しい競争を覚悟しているところであります。

  • ○ こうした状況を受け、当社は効率化努力の成果を還元するため、10月に供給約款対象部門を含めた料金値下げを行いました。
     また、これより先、効率化による成果を株主の皆さまにも享受していただくため、12年3月期の期末配当金を1株あたり35円とし、昭和33年以来41年ぶりに年間60円の配当を実施いたしました。
     当社といたしましては、今後一層の効率化に努めるとともに、新規参入者との正々堂々とした競争を通じて、これからもお客さまから選んでいただけるよう、懸命に努力してまいる決意であります。

  • ○ また、2月には、芦浜原子力発電所の立地計画について、北川三重県知事の「白紙に戻すべき」とのご発言を受け、現地の情勢等を総合的に検討し、計画を進めることは困難と判断、計画を断念いたしました。
     まことにつらく、苦渋の選択であったと思っております。

  • ○ しかしながら、三重県知事は、「わが国にとって原子力は欠くことのできないエネルギー源である」として、原子力の必要性をお認めいただいていることも事実であります。当社としては、引き続き新たな立地地点を求めて努力してまいる所存であります。

  • ○ 原子力関連では、オールジャパンの話題として様々な動きがございました。
     原子力長計の改定(11月24日原子力委員会決定)、高レベル放射性廃棄物処分法の成立(5月31日)、MOX燃料加工の事業主体の決定(11月20日)などであります。

  • ○ これらの点は、日本の原子力開発および原子燃料サイクル事業を進めていくうえで重要なことであり、着実なステップとなったと考えております。

  • ○ このように、今年は、時代が大きく動いている中、当社および電気事業の変化・変革の流れが加速し、そうした変化に挑戦していくという意味で、将来のあるべき姿を様々に気にかけた一年であったと考えております。

  • ○ 来年からはいよいよ21世紀であります。21世紀は20世紀に比べ、将来を見通すことがたいへん難しい時代になると思っておりますが、不透明な中にも必ずチャンスはあると確信いたしております。
    「電力の鬼」松永安左エ門は、「勇気ある自由」ということを、よく呟いておられたそうでございますが、私といたしましても、競争の中、勇気をもって新しい世紀に挑戦してまいりたいと考えているところでございます。

以  上