プレスリリース バックナンバー(2002年)

浜岡原子力発電所1号機 余熱除去系配管破断に関する原因と対策について

平成14年4月24日
中部電力株式会社

 平成13年11月7日に発生した浜岡原子力発電所1号機の余熱除去系配管破断について、これまで原因の調査および対策の検討を実施して参りましたが、これらの結果を取りまとめましたのでお知らせいたします。(別紙 参照)

1.原因について

 配管の破断は、配管内に水素が蓄積し、それが急速に燃焼したことにより発生したことがわかりました。
 そのメカニズムは以下のとおりと推定しております。

  1. (1)原子炉内で炉水の放射線分解により発生した水素と酸素が、主蒸気と混合し当該配管にもたらされ、運転の経過とともに、配管の放熱によって蒸気が徐々に凝縮する一方、非凝縮性ガスである水素と酸素は配管の頂部に蓄積していった。
  2. (2)高圧注入系の手動起動試験に伴って発生した圧力変動によって、蓄積していた水素、酸素に高温の蒸気が流入し、着火した。
    この際、配管内に付着していた貴金属が触媒として作用した可能性がある。
  3. (3)水素と酸素の燃焼が急速に伝播し、圧力が急激に上昇したことにより破断に至った。

2.対策について

 水素を蓄積させないため、余熱除去系蒸気凝縮系配管を撤去することといたしました。なお、水素が滞留する可能性のある箇所については、念のため、必要な設備変更等の対策を行います。

以  上

別  紙

浜岡原子力発電所1号機 余熱除去系配管破断に関する原因と対策について


1.配管破断の概要

 平成13年11月7日、17時02分、1号機で、高圧注入系の作動試験を実施したところ、高圧注入系から分岐している余熱除去系蒸気凝縮系配管が破断しました。
 破断により放射能を含んだ蒸気が原子炉建屋内に漏えいしましたが、蒸気配管の元弁が自動で閉じましたので、蒸気漏れはすぐに止まりました。
 なお、外部への放射能の影響はありませんでした。
(平成13年11月7日発表)
なお、原子力安全・保安院による国際原子力評価尺度(INES)暫定評価では、1とされております。

2.破断部に関する調査結果

調査の結果、以下のことから、水素の急速な燃焼の可能性が高いと推定しました。

  • ・破断配管などの詳細な調査から、破断面に延性破壊の特徴が認められるとともに上流側配管の膨れが認められたことから、配管は内部から過大な力が加わったことによって破断したと推定しました。
  • ・他の余熱除去系蒸気凝縮系配管の調査から、配管内で高い濃度の水素が認められ、破断した配管内にも高い濃度の水素があったと推定しました。また、配管内面には鉄酸化物や微量の貴金属が認められました。

(平成13年12月13日発表)


3.調査・解析結果

水素燃焼の可能性について、実機と同じ環境を作っての再現試験及び解析を実施しました。

水素、酸素の蓄積の確認
蒸気中に含まれる水素と酸素は、配管からの放熱で蒸気が凝縮し配管頂部に高い濃度で蓄積することを確認しました。
蒸気層と水素、酸素の層の間で大きな温度変化が生じ、境界層を形成することを確認しました。
配管破断時、水素、酸素は破断部から約6~8mの位置まで蓄積していたと評価しました。
着火要因の確認試験
通常運転条件では、水素、酸素が蓄積しただけでは着火に至らないことを確認しました。
高圧注入系試験時に生じる圧力変動で、水素、酸素の蓄積状況によっては、低温の水素、酸素の層に高温の蒸気が流入することを確認しました。
配管内に充填した水素・酸素に高温蒸気を注入する試験で、配管内部に触媒作用のある貴金属を付着させた際には、着火する場合があることを確認しました。
配管破断及び変形プロセスの確認  
水素燃焼時の配管内圧や変形量等を解析により求めた結果、当該破断部で発生圧力は最大となり破断に至るとともに、上流側配管で膨れが生じることを確認しました。
ガス蓄積長さを破断部から約7mとした場合に、解析結果と現場状況が概ね一致すると評価しました。

4.原 因

 以上の調査・解析結果から、配管の破断は、配管内に水素と酸素が蓄積し、それが急速に燃焼したことにより発生したことが分かりました。


  1. ①炉水の放射線分解により発生した水素、酸素は主蒸気とともに当該配管にもたらされ、配管の放熱により蒸気が徐々に凝縮する一方、水素、酸素ガスは配管頂部に蓄積した。

  2. ②高圧注入系作動試験に伴う圧力変動により、水素、酸素の蓄積層に高温の蒸気が流入し着火した。この際、配管内に付着していた貴金属が触媒として作用した可能性がある。

  3. ③配管は、水素、酸素が急速に燃焼し、圧力が急激に上昇したことにより破断した。

5.対 策

  • ○推定された原因から、水素を蓄積させないための対策として、仕切り弁設置、配管の撤去が考えられますが、1号機では余熱除去系蒸気凝縮系配管は原因調査のため切断しておりますので、この配管を撤去することとしました。

  • ○なお、水素が滞留する可能性のある箇所については、念のため、必要な設備変更等の対策を行います。