プレスリリース バックナンバー(2002年)

5月1日毎日新聞掲載記事「記者の目『東海地震震源域の浜岡原発』」について

平成14年5月3日
中部電力株式会社

●5月1日の毎日新聞の記事「記者の目『東海地震震源域の浜岡原発』」につきましては、事実が歪曲されており、原子力発電所の運転に対して反対の立場で書かれたものであると判断せざるを得ず、読者に大きな誤解を与えるとともに、当社の事業活動推進に大きな障害となるものであります。
 当社は5月3日、毎日新聞社東京本社に抗議いたしましたので、その内容を公開いたします。



平成14年5月3日

毎 日 新 聞 社 東 京 本 社
編 集 局 長 殿

中部電力株式会社
広報部長 山内 基成

5月1日貴社記事 「記者の目『東海地震震源域の浜岡原発』」について

 拝啓 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

 さて、標記記事は事実が歪曲されており、原子力発電所の運転に対して反対の立場で書かれたものであると判断せざるを得ず、読者に大きな誤解を与えるとともに、当社の事業活動推進に大きな障害となるものであります。

 当社といたしましては、これまで、貴社に対して可能な限り真摯に協力してまいりました。しかしながら、このたびの記事はこうした当社の真摯な姿勢を全く無視し、事実関係の確認のみならず科学的知見についての調査も不十分なものと考えられ、社会の公器としての貴社の影響力の大きさを勘案すればとうてい看過しがたく、見識を疑わざるを得ません。

 ここに厳重に抗議するとともに、別紙のとおり当社の見解を示しますので、訂正および当社の主張の記事掲載を強く求めるものであります。
 今後は事実を正確に報道いただきますよう重ねてお願い申しあげます。

敬 具

(別紙)

 昨年11月の浜岡原子力発電所一号機の事故により、地元をはじめ多くの皆様に大変ご心配をおかけしました。この事故につきましては徹底的な調査を行い原因と対策を4月24日に公表したところであります。
 さて、5月1日付「記者の目」欄において、浜岡1、2号機を廃炉にすべきとの記者の主張が示されましたが、事実関係に間違いがあることや当社の見解と異なる点がございますので、説明いたします。

 まず、「老朽化」についてですが、この言葉はしばしば「高経年化」という言葉と混同されています。設備や機器は使用に伴い劣化することがありますが、原子力発電所におきましては予防保全の観点から設備や機器の点検、補修、取替等を計画的に行っており、健全に維持するための不断の努力を図っているところであります。発電所は古いか新しいかではなく、管理を的確に行うことが重要であるとの認識のもと、定期点検における計画的な設備更新や予防保全対策を行っています。つまり「高経年化」対策をしっかり行うことが大変重要であります。
 このように適切な維持管理を行っていけば、設計段階で評価のために使用した30~40年という期間を超えて運転を継続することも十分可能であり、実際に原子力先進国の米国においては9基のプラントが既に30年を超えて運転を行っており、全プラント103基のうち半数以上が40年の運転許可期間を延長する計画を固め、既に8基について米国原子力規制委員会(NRC)より延長許可が出されております。

 浜岡1号機の原子炉圧力容器底部からの水漏れ事故については、徹底的な調査の結果、原子炉圧力容器とスタブチューブの溶接部における粒界型応力腐食割れが原因と推定されました。応力腐食割れは3因子(材料・環境・応力)が重畳した場合に発生する可能性があるもので、「老朽化」により発生するものではありません。

 また、「記者の目」においては、東海地震と結びつけた耐震性についても触れられております。浜岡原子力発電所の耐震設計はマグニチュード8程度とされる東海地震はもとより敷地周辺にもっとも大きな影響をおよぼしたマグニチュード8.4の安政東海地震、さらにはマグニチュード8.5の限界的な地震を考慮して行っておりますので、耐震安全性は十分に確保されていると考えております。
 原子力発電所の耐震設計は「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」に従ってなされておりますが、この指針が制定される以前に建設された1,2号機は設計した際の地震動の設定方法や地震波の形状等が3~5号機とは異っていることから、3~5号機と同じ評価方法を用いて耐震安全性に問題ないことを再確認しております。この内容は国から昭和55年12月及び平成7年9月に確認されております。浜岡1,2号機の耐震性評価結果に関する詳細な資料につきましては、当社浜岡原子力館およびでんきの科学館で公表しております。
 なお、既に述べましたように毎年の定期点検により設備や機器の健全性の維持を行っておりますが、地元の皆様に東海地震への懸念があることから本年2月より4月にかけて建物の壁のコンクリート強度測定及び基礎部分や支持構造物などの詳細点検による耐震チェックを行い健全性を確認しました。また、耐震チェックの実施状況につきましては公募により一般の方々にも実際に体験していただきながらご見学いただきました。
 このように、耐震性につきましては、設計、建設はもとより確実な点検、保守により健全性が維持されていると考えております。

 今後とも、皆様から信頼される発電所であるよう、今回の事故の教訓を生かし安全確保を最優先に取り組んでまいります。

以上