プレスリリース バックナンバー(2002年)

コンクリートに熱を蓄える蓄熱式空調システムの新開発・実用化について ~中空デッキプレートを用い、蓄熱量を2倍に向上~

平成14年5月15日
中部電力株式会社

 当社は、株式会社 大林組(社長:向笠愼二氏 住所:東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟)と共同で、中空デッキプレートを用いた躯体(くたい)蓄熱式空調システム「D-STORAGE」(ディー ストレージ)を開発・実用化しましたので、お知らせします。

 安い深夜電力で、建物の躯体であるコンクリートに熱を蓄え、昼間の空調にご利用いただくのが躯体蓄熱式空調システムです。本システムは、氷蓄熱システムと併用利用することにより、氷蓄熱システムの蓄熱槽を小さくすることができます。

 従来の躯体蓄熱システムは、空調機からの冷風や温風を直接躯体へ吹付けるため、吹付けた個所では蓄熱が進むものの、離れた場所では急激に蓄熱量が減少してしまい、必要な蓄熱量が確保できないという課題がありました。

 このたび開発した「D-STORAGE」は、コンクリート床に中空デッキプレートを用いることで、蓄熱量を2倍に向上いたしました。
 デッキプレートとは、コンクリートを流し込む際の型枠のことで、強度を確保するため凹凸形状をしたものが広く利用されています。中空デッキプレートとは、この凹部分の下面に蓋を取り付けることで、細長い空間を確保した構造をしたものです。
 その空間に空調機からの冷風や温風を流すことで、コンクリートの広い範囲で効率良く蓄熱できるようになりました。

システムの主な特徴は以下のとおりです。

(1) 従来の躯体蓄熱方式に比べ蓄熱量が2倍
空気がデッキプレートに沿って流れるため、従来の躯体蓄熱方式に比べ、同一の蓄熱時間で、約2倍の熱量を蓄えられることを確認しました。

(2) 蓄熱槽の容量を半減
躯体蓄熱式空調システムは、昼間の空調時間帯に亘って少しずつ放熱します。氷蓄熱式空調システムと組み合わせることで、ピーク時の空調にも対応でき、空調負荷の平準化を効果的に行うことができます。氷蓄熱式だけで賄う場合に比べて、蓄熱槽を半分にすることができます。

(3) ランニングコストを大幅に低減
空調面積7,000m2の事務所ビルで、非蓄熱に比べてイニシャルコストは、約1,700万円増加しますが、ランニングコストは年間で約350万円低減され、およそ5年で回収できます。
  • ※システムの詳細は別紙のとおり

以  上

<別 紙>

1 中空デッキプレートの断面図

 デッキプレートは、強度を確保するために凹凸形状をしたものが広く利用されています。今回、凹部分の下面に蓋を取り付けることで中空部分を確保し、効率良く蓄熱させるための冷風や温風の通路としました。

2 本システムの運転イメージ図

3 蓄熱量の比較

 実物大模型による実験で、従来の直接吹付け方式躯体蓄熱に比べ、同一の蓄熱時間で、ほぼ2倍の熱量を蓄えられることを確認しました。

4 本システム導入による効果

 この方式による割引時間帯10時間の躯体蓄熱で、空調負荷のピーク値を約25%低減するとともに、昼間の空調負荷の約12%を夜間に移行できることが確認されました。  また、この方式による躯体蓄熱式空調システムと氷蓄熱式空調システムを組み合わせた場合の非蓄熱式空調システムと比較した場合の電気料金の比較では、年間約34%の低減になり、イニシャルコストの増分を約5年で回収できることを確認しました。

以  上