プレスリリース バックナンバー(2004年)

浜岡原子力発電所2号機タービン建屋屋上における火災に関する原因と対策について

平成16年3月30日
中部電力株式会社

別 紙

1.火災の概要

 2月21日11時34分頃、2号機(第20回定期点検中)タービン建屋屋上の発電機水素ガス水素排出配管出口付近で火災が発生しましたが、直ちに消火器により消火しました。
 火災発生時は、発電機冷却用水素の排出作業を実施中でした。
 この火災により水素排出配管出口より約1m離れた壁面および床面が横方向約5mにわたり損傷しましたが、当該部を除くプラント設備および人身に被害はなく、外部への放射能の影響はありませんでした。

火災発生箇所

2.調査結果  (詳細はこちら

 水素排出を開始してから火災が発生しているため、何らかの原因で水素に着火し、壁面塗料等に燃え移って火災に至ったものと考えられます。このため、以下ような調査を行いました。

○ 火災発生時の状況について

  • ・ 火災発生当時、水素排出配管の周りには着火の要因となるような電気器具、雷、加熱または火気作業、自然発火の原因となる触媒はありませんでした。

○ 水素排出配管内部の調査

  • ・ 配管内部には特異な異物はなく、微小な鉄錆が回収されました。また、配管内部で燃焼の痕跡はありませんでした。

配管内回収物
(単位:cm)

○ 水素排出配管外側の調査

  • ・ 配管を含め近傍の金属部の接地抵抗を測定したところ、排出部前方の壁に取付られている壁付リング等が接地(アース)されていないことがわかりました。また、避雷装置と棟上導体を結ぶアース線が、風により壁付リングと接触するまで接近する可能性があることが確認されました。また、当該部近傍の壁付リングと壁付きフックの間の塗装に錆が確認されました。

○ 水素排出に伴う帯電・放電エネルギー評価

  • ・ 配管内部で回収された鉄錆が、水素の排出とともに高速で移動・衝突することで帯電して配管外に放出され、接地されている金属との間で放電した場合の放電エネルギーは、水素の最低着火エネルギーを上回ることはなく、水素の着火にいたる可能性は低いことがわかりました。
  • ・ 配管より放出された帯電した鉄錆が、接地されていない壁付リングにぶつかってこれを徐々に蓄電させ、壁付リングと接地されたアース線又はフック等の間で放電した場合の放電エネルギーは、水素の着火に必要なエネルギーを上回ると評価され、水素が着火する可能性があることがわかりました。

○ 水素着火から火災に至った評価

  • ・ 水素排出配管前面の壁面はコンクリート又は鋼板製でしたが、表面には防水塗料が塗られ、また、床面にはアスファルトが使われており、これらは可燃性の材料でした。

3.原 因

 調査により、以下のことがわかりました。
  1.   ①水素排出配管出口付近に、接地(アース)されていない金属があったこと
  2.   ②水素排出配管前面に、防水塗料等の可燃物が存在したこと
 この結果、火災の原因は、水素排出配管から放出された帯電した鉄錆により、この付近の非接地金属が蓄電し、そこで発生した微小放電が着火源となり排出中の水素が燃焼、壁面の防水塗料等の可燃物に燃え移ったものと推定しました。

4.対 策

 推定した原因に対して、以下のような対策を実施します。

  • ○ 非接地金属の蓄電および放電を防止するため、壁付リングについては撤去し、他の接地されていない金属物については確実に接地することとします。
  • ○ 可燃物がない方向へ吹き出すよう、水素排出配管の向きを横向きから上向きに変更します。 また、浜岡の他号機についても、本事象を踏まえ適切に対処します。

以上