オーストラリア炭鉱跡地での環境植林実現に向けた研究の開始
平成16年5月24日
中部電力株式会社
当社は、「世界銀行の炭素基金」「豪州アデレード共同植林事業」「タイ籾殻発電事業」等への参画を行うなど環境関連の海外事業に積極的に取り組んでいます。
火力発電所の燃料を調達しているオーストラリアの炭鉱跡地においても、自然景観の修復とCO2吸収源としての環境植林の実現を目指し研究を進めております。昨年度までの5年間に実施した研究では、降雨量が少ないなどの劣悪な条件下においても生育する樹種やそのための施肥、除草等の管理方法などの知見を得るなど、一定の成果を得ました。
このたび、豊田通商株式会社(社長:古川 晶章 所在地:名古屋市)と共同で、環境植林の実現のためのコスト削減を目的とした新たな研究を開始します。今回は、これまでの成果を生かし、第2ステップとして植林作業の効率化に取り組みます。
具体的には、苗木を植えるのではなく直接種を播く直播や、将来の間伐作業を低減させるために寿命の短いアカシアを混植するといった植樹方法により、人件費や間伐費用等の削減を検証します。直播により植樹コストを1/2程度に削減できる見込みです。
すでに、試験植林地の造成や直播等の作業が終わり、今後、樹木の生育測定を行い、検証項目の評価を実施していきます。
当社は、今年4月に中部電力グループ全体として地球環境保全に取組むために、「中部電力グループ環境宣言」を制定し、その環境ビジョン実現のための活動項目として「アクションプラン」を制定しました。炭鉱跡地における植林の試みは、「アクションプラン」の具体的な取り組みのひとつです。
記
1 実施場所
- ・ 植林面積 約1ha
- ・ 年間降水量 約600mm(日本は約1,700mm)、気温は日本とほぼ同じ
2 期 間
3 検証項目
- ・ 直播による植付作業の効率化
- ・ 寿命の短い樹木を混植することによる間伐作業の効率化
以上
<別紙1>
研 究 概 要
1 実施場所
2 試験内容
(1) 樹種
(2) 植栽単位面積
(直播:種3~4kg/ha、種苗:植栽密度833本/ha)
(3) 試験パターン
| 植付 方法 |
樹 種 | 土壌条件 | 管理条件 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 埋戻した 炭鉱跡地 |
周辺の 自然な 土壌 |
||||
| 表土 あり |
表土 なし※1 |
||||
| 直播 (種) |
ユーカリ (マキュラータ)と アカシア(2種) |
試験区 No.1 |
試験区 No.3 |
試験区 No.5 |
①バイオソリッド (下水汚泥を発酵させたもの)施肥 ②除草実施 ③潅水実施せず |
| ユーカリ (マキュラータ)のみ |
試験区 No.2 |
試験区 No.4 |
試験区 No.6 |
||
| 苗木※2 | ユーカリ交雑種Aと ユーカリ交雑種B |
試験区 No.7 |
試験区 No.8 |
試験区 No.9 |
|
- ※1 表土とは有機物を多く含んだ地表にある土のことで、 表土不足が想定されるために設定する。
- ※2 直播の生育状況と比較するために設定する。
(4) 測定項目
- ・ 直播ユーカリおよび苗木ユーカリの樹高・直径の比較
- ・ 直播ユーカリに混植したアカシアの生存率
- ・ アカシアの混植有無による直播ユーカリの樹高・直径の比較
- ・ 直播試験区(混植あり、混植なし)、苗木試験区のCO2固定量の比較
3 スケジュール

以上
<別紙2>

図 キャンバウェル炭鉱の位置

写真1 造成後の試験植林地
(埋戻した炭鉱跡地)

写真2 直播作業