プレスリリース バックナンバー(2005年)

別紙:浜岡原子力発電所 プルサーマル計画の概要について

平成17年9月13日
中部電力株式会社

・ エネルギー資源に乏しく、かつエネルギー消費の多いわが国が、将来にわたり安定してエネルギーを確保していくためには、ウラン資源を有効利用するプルサーマルの推進が必要不可欠です。プルサーマルを含めた原子燃料サイクルの推進は、わが国の原子力利用の基本的方針となっています。

・ 当社は、これまで、2010年度までのできるだけ早い時期に浜岡原子力発電所の1基でプルサーマルを実施することを目指し、検討を進めてきました。このたび、2010年度から、浜岡原子力発電所4号機でプルサーマルを実施する計画をとりまとめました。プルサーマルの推進に際しても、引き続き発電所の安全確保を最優先に実施していきます。

1 プルサーマルの概要

 原子力発電所で使用しているウラン燃料は、4~5年程度で原子炉から取り出されます。この使い終わった燃料には、新たに生まれたプルトニウムや、まだ利用できるウランが残っています。使い終わった燃料からプルトニウムやウランを取り出し(※1)、原子力発電所で再利用すれば、ウラン資源の有効利用ができます。 
 プルサーマルとは、再処理で取り出されたプルトニウムをウランに混ぜて新たな燃料、すなわちMOX(モックス)燃料(Mixed Oxide Fuel:混合酸化物燃料)をつくり、既存の原子力発電所で再利用することをいいます。

2 浜岡原子力発電所におけるプルサーマル計画

 当社を含め各電力会社は、2010年度までに、全国の16~18基の原子力発電所で、プルサーマルを開始することを目標としています。(現在、全国で53基の原子力発電所が稼働中です。)
 浜岡原子力発電所では、4号機を実施号機とし、2010年度にMOX燃料の使用を開始する予定です。
 具体的には、4号機の2010年度に予定されている定期点検で、新しい燃料の一部として、MOX燃料48体を使用する予定です。その後、順次、新しい燃料の一部に、MOX燃料を使用していき、最大で全燃料(4号機は764体)の3分の1程度をMOX燃料とする予定です。
 なお、原子力発電所では、定期点検の都度、全燃料のうち4分の1程度の使い終わった燃料を取り出し、新しい燃料と交換しています。

3 プルサーマルの安全性

 MOX燃料とウラン燃料の特性の差や、その影響は十分に把握されており、MOX燃料は既存の発電所で安全に使用することができます。
 こうしたことは、国の原子力安全委員会が1995年に了承した報告書「発電用軽水型原子炉施設に用いられる混合酸化物燃料について」で確認されており、MOX燃料を全燃料の3分の1程度まで使用しても、ウラン燃料と基本的に同じ安全設計・評価が可能であるとされています。

4 今後の予定

 MOX燃料を使用するには、法律に基づき、国に原子炉設置変更許可の申請を行う必要があります。今後、準備が整い次第、原子炉設置変更許可申請の手続きを行います。
 また、燃料メーカーとの契約の手続きなど、MOX燃料の使用開始に向け必要な準備を進めていきます。

(参考1)

プルサーマルの実績 1963年にベルギーの原子力発電所で、世界で初めてプルサーマルが実施されました。現在も、ヨーロッパを中心に継続的にプルサーマルが実施されており、2003年12月末時点で35基の原子力発電所で実施されています。また、アメリカにおいても、2005年6月にプルサーマルが再開されています。(※2)

(参考2)

プルトニウムによる発電量 ウラン燃料は、原子炉の中で使われると、その一部がプルトニウムに変化します。このプルトニウムも発電に役立っています。既存の原子力発電所でも、発電量の約30%はプルトニウムによるものです。全燃料の3分の1程度をMOX燃料にした場合、プルトニウムによる発電量が約50%になります。

【原子燃料サイクルとプルサーマル】

【原子燃料サイクルとプルサーマル】

  • ・ MOX燃料もウラン燃料も、形や大きさは同じです。
  • ・ ウラン酸化物とプルトニウム酸化物の粉末を高温で焼き固めて、ペレットをつくります。
  • ・ ペレットを被覆管と呼ばれる金属の管に入れて密封し、燃料棒をつくります。
  • ・ この燃料棒を束ねて、燃料集合体をつくります。
  • ・ なお、核物質であるウランやプルトニウムの管理は厳重に行います。(※3)

【プルサーマルの実績 (2003年12月末現在)】

 浜岡原子力発電所1号機は、1976年に営業運転を開始しました。プルサーマルはそれ以前の1963年から始められています。

※その他・・・イタリア、オランダ、インド、スウェーデン

出典:資源エネルギー庁調べ(原子力2004より作成)

※1:

再処理工場で、使い終わった燃料からプルトニウムやウランを取り出します。当社は、海外の再処理工場に再処理を委託しています。当面は、海外で再処理されたプルトニウムを利用してプルサーマルを実施します。また、青森県六ヶ所村にある日本原燃株式会社の六ヶ所再処理工場での再処理も計画しています。この工場の建設工事はほぼ終了し、2007年5月の操業開始を目指して試験が進められています。

※2:

アメリカで再開されているプルサーマルは、核兵器解体により取り出されたプルトニウムを利用しています。

※3:

日本では、原子力基本法に基づき、原子力を平和目的に限って利用しています。国際的には「核兵器の不拡散に関する条約」などを締結するとともに、国際原子力機関(IAEA)による厳しい査察を受け入れています。

以上