「55kWスターリングエンジンの運転開始」~高効率の木質バイオマス小型発電システムの導入を目指して~
平成17年9月20日
中部電力株式会社
当社は、丸紅株式会社殿(社長:勝俣 宣夫 住所:東京都千代田区大手町1丁目4番2号)と共同で、平成15年からスターリングエンジンの国内導入に向け先行した取り組みを行っております。経済産業省に対しても「技術基準適合性評価」を依頼してきましたが、このたび、同省の評価結果にもとづき国内での限定使用が承認された米国STMパワー社(
http://www.stmpower.com/)の55kWスターリングエンジンについて、評価試験のための運転を開始いたしました。
既存のエンジンがシリンダ内の燃焼による膨張力を利用するのに対し、スターリングエンジンは、外部からの加熱・冷却によるシリンダ内の気体の膨張・収縮でピストン運動を起こします。熱源や燃料を選ばないため、バイオマス※などの固体燃料も利用できる特徴があり、理論上は熱効率が高く、低振動、低騒音など環境性に優れていますが、開発上の課題も多く実用化に成功した例はほとんどありませんでした。今回評価試験を行うSTMパワー社のスターリングエンジンは、事業用として世界で初めて発売されたものです。
※ 間伐材などの生物資源。RPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)における再生可能エネルギーと認定されており、CO2対策としても期待されているもの。
今回の評価試験では、都市ガスを使った運転を行うことにより、スターリングエンジンの基本性能を把握します。
また、平成17年度末にはスターリングエンジンを用いた木質バイオマス小型発電システムの試験を開始する予定です。このバイオマス発電システムの試験は、バイオマスを燃料に使用できるスターリングエンジンの可能性に着目し、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)共同研究として、当社が(株)シーテック(社長:清水 眞男 住所:名古屋市瑞穂区洲雲町4-45)と共に「バイオマス直噴式小型発電システムの研究開発」として実施するものです。
このシステムが実用化されれば、木質バイオマスを利用した小規模分散電源として、地球温暖化の原因となるCO2の発生抑制に大きく貢献できると期待できます。
なお、評価試験を行うSTMパワー社のスターリングエンジンについて、当社が着目した主な特徴は以下のとおりです。
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● バイオマスを燃料として利用可能 間伐材や農業廃棄物などのバイオマスを燃料とする小規模分散電源の可能性を拓きます。外燃機関であるため燃料のガス化の必要がなく、木質バイオマスなどの燃焼排熱を直接利用するため、設備コストが低減できます。 ● コンパクトで環境性に優れる エンジンを始動させる気体に高圧水素を用いることで、コンパクトで高効率を達成するとともに、低騒音、低振動、低NOxなど環境性に優れています。 ● 出力は50kW級 小規模熱源・排熱でも発電できるため、様々なニーズに対応できます。 |
以上
<別紙1>
<評価試験の概要>
スターリングエンジンの実用性を総合的に評価するため、以下のとおり評価試験を行う。
| ○ 期間 | 平成17年9月~平成18年3月 |
| ○ 体制 | 当社・・・電力技術研究所にて評価試験 丸紅・・・設備供給、メンテナンス |
| ○ 評価項目 |
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| ○ 評価するスターリングエンジンの仕様 | |
| 米国STMパワー社のスターリングエンジンは、4気筒構成ダブルアクティング型エンジンを採用することにより、トルク変動を抑え、シール部を小さくしています。また、作動ガスに高圧水素を用いる技術により、コンパクトで高出力を達成しています。これらにより、スターリングエンジンの開発課題を克服し、実用化に成功したものです。 | |

STMパワー社スターリングエンジンの写真(左)と内部構成図(右)
STMパワー社スターリングエンジンの仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 定格出力 | 55kW |
| 発電効率(LHV) | 30% |
| 燃料 | 都市ガス |
| 作動媒体 | 水素 |
| エンジン回転数 | 1800rpm |
| 入熱温度 | 900℃ |
| 騒音@1m | 68dB |
| 寸法(L×H×W) | 2.6×1.8×0.9m |
| 重量 | 1,760kg |
以上
<別紙2>
バイオマス直噴燃焼式小型発電システムの研究開発
研究開発の背景
バイオマスガス化による小規模高効率発電システムの開発が行われていますが、いずれも複雑で高コストなため市場導入が思うように進んでいません。小規模でも比較的熱効率が高く、簡素なシステムが求められています。
研究開発の内容と目標
バイオマス直噴燃焼バーナとスターリングエンジン発電システムを組合せ、高性能で低コストな小規模発電システムを開発します。
| (1) バイオマス燃焼効率 | : 99%以上 |
| (2) NOxエミッション | : 350ppm(6%O2)以下 |
| (3) 発電端効率 | : 20%(LHV)以上(商用システムベース) |
| (4) 設備コスト、運転コスト | : 既存のバイオマスガス化発電システム以下に低減 |
研究開発スケジュール

研究開発の実施体制

システム構成

<参考資料1> スターリングエンジンとは
<参考資料2> バイオマスを燃料とした小規模分散電源について
以上