プレスリリース バックナンバー(2006年)

浜岡原子力発電所4号機耐震裕度向上工事に係る評価結果について

平成18年9月4日
中部電力株式会社

 浜岡原子力発電所では、自主的に各号機で耐震裕度向上工事を行うこととしており、目標地震動(岩盤上における水平地震動で約1,000ガル)に対する評価を行い、耐震裕度を向上させることとしています。

(平成17年1月28日 公表済み)


 このうち、4号機については、評価が終了し、配管サポート改造工事、電路類サポート改造工事、燃料取替機レールガイド改造工事、原子炉建屋天井クレーン支持部材改造工事、油タンク改造工事、土留壁背後地盤改良工事、配管ダクト周辺地盤改良工事および排気筒改造工事を行うこととし、工事に伴う設計および工事を進めています。

(平成18年3月22日 公表済み)


 これまで、耐震裕度向上工事完了後の4号機施設に対して耐震裕度を評価してきました。改造工事の必要がない施設を含め、これら耐震設計上重要な施設が、目標とした耐震裕度を確保していることを確認し、このたび、その評価結果をとりまとめましたのでお知らせいたします。
 なお、評価結果の詳細については、「浜岡原子力発電所4号機 耐震裕度向上工事に係る評価書」として、本日より、浜岡原子力館(静岡県御前崎市)およびでんきの科学館※(愛知県名古屋市)において公開します。

(別紙)浜岡原子力発電所4号機耐震裕度向上工事に係る評価結果の概要

(参考)浜岡原子力発電所4号機耐震裕度向上工事の状況

※「でんきの科学館」は、本日9月4日(月)は休館日となっております。

以上

<別紙>

浜岡原子力発電所4号機 耐震裕度向上工事に係る評価結果の概要

 浜岡原子力発電所では、自主的に各号機で耐震裕度向上工事を行うこととしており、4号機では、改造が必要な施設の工事に伴う設計や工事を進め、平成18年8月末現在、すでに一部の工事を完了しています。このたび、4号機の耐震設計上重要な施設が、目標とした耐震裕度を確保していることを確認し、その評価結果をとりまとめました。評価結果の概要は以下のとおりです。

1.目標地震動および評価対象施設

 耐震裕度向上の目標地震動は、水平方向の地震動で約1,000ガル(岩盤上における地震の揺れ)、鉛直方向の地震動で約700ガル(岩盤上における地震の揺れ)としました。目標地震動の設定根拠を下表に示します。


岩盤上における地震の揺れ 設定根拠
水平地震動 
約1,000ガル
 現行の基準地震動S2に対して、中央防災会議による想定東海地震の地震動を考慮し、短周期側および長周期側における余裕、さらに全体に3割程度の余裕を持たせました。
鉛直地震動 
約700ガル
 現行の基準地震動に対する鉛直震度の比率である2分の1倍に余裕を持たせて設定することとし、水平地震動の3分の2倍としました。

 評価にあたっては、耐震設計上重要な施設※1を対象としました。
 評価対象施設の総数を下表に示します。


種別 評価対象施設総数
配管 サポート数で6,461箇所の配管
電路類 サポート数で5,327箇所の電路類
機器 700施設
建物・構築物屋外土木構造物 6施設

※1:耐震設計上重要な施設とは、原子炉本体およびその周辺配管、原子炉を止める設備、原子炉を冷やす設備、放射能を閉じ込める設備、燃料設備と、これらに関わる電源・電気設備などをいいます。



2.目標地震動に対する評価方法

 原子炉建屋や原子炉建屋内の配管、電路類、機器については、周辺地盤、原子炉建屋および原子炉建屋内の大型機器を組み合わせた解析モデルを作り、目標地震動による地震応答解析を行いました。この解析によって得られた加速度や地震力をもとに、「応答倍率法※2による評価」や「スペクトルモーダル解析法※3による評価」等により、耐震裕度の評価を行いました。また、屋外の排気筒や配管ダクト等についても、目標地震動による地震応答解析を行い、耐震裕度の評価を行いました。
 耐震裕度の評価では、施設を構成する部位(評価部位)ごとに、目標地震動によって発生する応力等の算定値(発生値)が、基準値を下回っているかを確認しました。

※2:応答倍率法とは、原設計時の応答加速度と目標地震動による応答加速度の比を、原設計時の応力に乗じることなどにより、発生する応力等を算定する方法です。

※3:スペクトルモーダル解析法とは、複数の支持点があり複雑な揺れ方をする配管や機器について、それらの固有周期や固有周期における応答加速度などから、最大応答加速度を解析し、発生する応力等を算定する方法です。



3.目標地震動に対する評価結果

 耐震裕度向上工事完了後の4号機施設に対して耐震裕度を評価しました。改造工事の必要がない施設を含め、これら耐震設計上重要な施設が、目標とした耐震裕度を確保していることを確認しました。
 評価対象施設の中でも特に重要な、原子炉を「止める」「冷やす」「閉じ込める」施設の評価結果の例を下表に示します。


施設 評価部位 評価内容(単位) 発生値 基準値※4
原子炉圧力容器 胴板 応力(MPa) 175 320
基礎ボルト 応力(MPa) 165 499
炉心支持構造物 炉心支持板 応力(MPa) 67 427
シュラウドサポート 応力(MPa) 82 300
原子炉格納容器 ドライウェル 応力(MPa) 149 495
ボックスサポート 応力(MPa) 320 343
余熱除去ポンプ 原動機台取付ボルト 応力(MPa) 31 444
主蒸気系配管 配管 応力(MPa) 253 375
原子炉建屋 耐震壁 せん断ひずみ度※5
(-)
1.04×10の-3乗 2.0×10の-3乗
制御棒 挿入性※6 変位(mm) 16.6※7 40※8

 これらの評価結果は、「浜岡原子力発電所4号機 耐震裕度向上工事に係る評価書」にとりまとめました。この評価書には、目標地震動による地震応答解析結果、耐震裕度の評価方法および評価結果(代表的な施設および評価部位として約130箇所)を記載しています。

※4:基準値とは、目標地震動に対する裕度を確認するための目安値で、規格基準で規定されている値もしくは試験等で妥当性が確認された値を適用しました。

※5:せん断ひずみ度の値は、建物の階ごとに評価しており、各階ごとの耐震壁頂部の変形を各階ごとの耐震壁の高さで除した値です。

※6:挿入性とは、原子炉緊急停止時に制御棒が基準時間以内に挿入できることをいいます。具体的には、制御棒の中性子を吸収できる範囲の内、75%の範囲が1.62秒以内に挿入できることをいいます。

※7:制御棒の発生値欄の値は、解析によって得られた、目標地震動に対する燃料集合体の相対変位(燃料集合体の上下端と中央部の変位の差)の最大値です。

※8:制御棒の基準値欄の値は、加振試験において、燃料集合体に相対変位が40㎜発生していても、制御棒が基準時間以内に挿入できることを確認しており、基準値として記載しています。



参考

浜岡原子力発電所4号機 耐震裕度向上工事の状況

 4号機では、平成18年8月末現在、配管サポート改造工事、電路類サポート改造工事および配管ダクト周辺地盤改良工事が完了し、排気筒改造工事が工事中です。また、燃料取替機レールガイド改造工事、原子炉建屋天井クレーン支持部材改造工事、油タンク改造工事および土留壁背後地盤改良工事については、今後、工事に着手し、平成19年度下期に完了する予定です。工事中のものおよび工事が完了したものについて、写真により状況を示します。

【工事状況一覧表】

種別 工事項目 工事内容 実施状況 写真
配管 配管サポート改造工事 ・配管サポートの改造や追加設置を行いました。(194箇所) 平成18年3月23日に着手し、平成18年6月23日に完了。
電路類 電路類サポート改造工事 ・電路類(ケーブルトレイ647箇所、電線管612箇所)のサポートの改造を行いました。(計1,259箇所) 平成18年3月23日に着手し、平成18年6月19日に完了。

機器 燃料取替機レールガイド改造工事 ・燃料取替機レールガイドの改造を行います。 平成18年10月より順次実施予定。
原子炉建屋天井クレーン支持部材改造工事 ・原子炉建屋天井クレーン支持部材の改造を行います。
建物・構築物
屋外土木
構造物
油タンク改造工事 ・油タンクの油面を下げるとともに、2基の油タンクを配管で接続し、油を相互に融通できるようにします。
・配管を支持している防油堤の改造を行います。
土留壁背後地盤改良工事 ・取水槽周辺の土留壁背後の地盤を改良します。
配管ダクト周辺地盤改良工事 ・配管ダクト周辺の土砂を掘削し、コンクリートに置き換えました。 平成17年12月21日に着手し、平成18年3月29日に完了。
排気筒改造工事 ・既設の排気筒を囲むように鉄塔を追加設置します。 平成18年4月12日に着手し、現在工事中。

写真① 配管サポートの改造



写真② 配管サポートの改造



写真③ ケーブルトレイサポートの改造



写真④ 電線管サポートの改造



写真⑤ 電線管サポートの改造



写真⑥ 配管ダクト周辺地盤改良工事



写真⑦ 排気筒改造工事



写真および併記した【 】書きの解説


  • ○写真下の【 】内の記載は、改造後の施設における【応力等の発生値/基準値:評価部位】を示します。
  • ○配管サポート、ケーブルトレイサポートおよび電線管サポートの写真は、代表的な改造方法を示すもの、または、改造後の発生値が基準値に近いものを掲載しました。
  • ○配管ダクトおよび排気筒の写真は工事状況です。【 】内の記載は、改造後の発生値が基準値に近いものを示しています。