プレスリリース バックナンバー(2007年)

制御棒引き抜き事象に関するニューシアへの登録について(お知らせ)

平成19年3月19日
中部電力株式会社

 当社は、北陸電力株式会社志賀原子力発電所1号機で発生した事象に関連し、平成3年5月に浜岡原子力発電所3号機で経験した制御棒引き抜き事象について、情報共有を目的にニューシア(*)に登録しましたので、お知らせします。

 ここに掲載した事象では、臨界は発生しておらず、原子炉の緊急停止機能も確保されております。また、その原因究明と対策を確実に実施しております。


(*)ニューシア(NUClear Information Archives)「原子力施設情報公開ライブラリー」
 「有限責任中間法人 日本原子力技術協会」が運営する原子力施設の事故故障やこれに至らない軽微な事象の情報、ならびに信頼性に関する情報を共有するためのインターネット・ホームページ。
(ホームページアドレス 新しいウィンドウが表示されますhttp://www.nucia.jp/


参考資料:ニューシアへの登録情報の概要

以上


参考資料

ニューシアへの登録情報の概要

1.まえがき

 北陸電力株式会社志賀原子力発電所1号機で確認された事象(※1)に関連し、当社における過去の制御棒の引き抜き事象について、情報共有を目的にニューシア(※2)に登録しました。
 概要は、以下のとおりです。


2.登録内容

・発電所名:

 浜岡原子力発電所 3号機


・件名:

 定期検査中の制御棒の引抜事象


・発生日時:

 平成3年5月31日 午後5時58分


・事象発生箇所:

 計測制御系統設備 制御棒駆動機構


・発生時のプラントの状況:

 燃料交換中(定期検査中)


・発生時の状況:

 平成3年5月31日午後5時58分、中央制御室において「制御棒ドリフト」の警報が発生し、1本の制御棒がドリフト状態(※3)となっていることがわかりました。現場では、原子炉保護系設定値検査(※4)が終了した後の、制御棒駆動系水圧制御ユニットの弁の復旧操作中であったことから、中央制御室では、ただちに原子炉が未臨界であることを確認するとともに、現場操作員に当該弁操作の中止と、操作した弁を元の状態に戻すことを指示しました。その後、中央制御室での操作盤確認において、当該制御棒を含む3本の制御棒が引き抜き状態となっていることがわかりました。
 なお、3本の制御棒が引き抜き状態となっている間も、原子炉を緊急停止させるスクラム機能は確保されておりました。また、作業員の被ばくおよび外部への放射能による影響はありませんでした。


・事象の原因:

 制御棒駆動系の冷却水差圧が高い状態(ノンリターン運転(※5)の状態)において、弁の隔離解除操作を行いましたが、この際、挿入側の弁(101弁)が全閉の状態で引抜側の弁(102弁)を開弁したことから、冷却水圧力により制御棒引き抜き側に力がかかり、制御棒が引き抜かれたと推定しました。


・再発防止策:

 当時、この事象に鑑みて、原子炉停止時の安全措置をまとめた文書である「原子炉停止時の安全措置」の制定、手順書に作業における注意事項の反映、および設備面の反映を行い、再発防止を図っています。


  1. (1)「原子炉停止時の安全措置」の制定
     原子炉停止時における安全対策の強化を図るため、当該事象を含めた「原子炉停止時の安全措置」を制定しました。(平成4年1月23日制定)
  2. (2)手順書への反映
     制御棒駆動系設備の運転操作にかかわる手順書の注意事項として、制御棒駆動系水圧制御ユニットの隔離および隔離解除時の注意事項を追加しました。
  3. (3)設備面への反映
     「冷却水差圧高低」という警報を、「冷却水差圧高」と「冷却水差圧低」に分離しました。

※1:志賀1号機で確認された事象とは、北陸電力株式会社の公表によると、同号機の第5回定期検査のため停止中、制御棒関連の弁を操作していたところ、想定外に制御棒3本が引き抜け、原子炉が臨界状態になったとされています。

※2:ニューシアとは、NUClear Information Archivesの頭文字をとったもので、「原子力施設情報公開ライブラリー」のことであり、「有限責任中間法人 日本原子力技術協会」が運営する原子力施設の事故故障等の情報、ならびに信頼性に関する情報を共有するためのインターネット・ホームページです。

※3:ドリフト状態とは、制御棒の位置(ポジション)が正しく確認できない状態をいいます。

※4:原子炉保護系設定値検査は、制御棒の緊急挿入、非常用炉心冷却系の始動、非常用ディーゼル発電機の始動、原子炉格納容器隔離等の安全保護系設備を動作させるための圧力、水位、温度等の各検出要素に模擬信号を入力して動作値を確認する検査です。検査を行う際は、実際に制御棒が動作しないよう、あらかじめ全挿入位置で固定してから検査を実施します。

※5:制御棒駆動系の冷却水の一部を、給水管を介して原子炉に注入する制御棒駆動系の運転状態をリターン運転といい、制御棒駆動系の系統水全量を制御棒駆動系の冷却水とする運転状態をノンリターン運転といいます。


制御棒位置


制御棒駆動系概略図



以上