プレスリリース バックナンバー(2007年)

プラント停止中における予期せぬ制御棒引き抜け事象に係るBWR事業者協議会における対応について

平成19年5月28日
東北電力株式会社
東京電力株式会社
中部電力株式会社
北陸電力株式会社
中国電力株式会社
日本原子力発電株式会社
電源開発株式会社
株式会社東芝
株式会社日立製作所

 BWR事業者協議会(※1)においては、プラント停止中における予期せぬ制御棒の引き抜け事象について、BWRプラント共通の重要な事象であるとの認識のもとに、本事象の対応を検討する作業部会を本年3月に設置して、原因究明と再発防止対策について検討を進めてまいりました。

 本事象は、プラント停止中に制御棒駆動機構等の点検や各種検査のために制御棒駆動機構へ駆動水を供給する水圧ラインの弁を多数閉める操作を実施した際に、水圧ラインの系統圧力が上昇することが要因となっています。現在、BWRプラント所有の各電力会社においては、既に本事象の対策として、水圧ラインの圧力上昇防止のためにリターン運転(※2)などを実施しております。


 当協議会では、この対策が有効であること、および対策の実施が徹底されていることを確認しておりますが、このたびプラントの安全管理に係る一層の信頼性向上の観点から、添付資料のとおり運用面(ソフト)、設備面(ハード)の両面から更なる再発防止対策を抽出いたしました。

 同内容につきましては、本日開催された原子力安全委員会にご報告しております。

 現在、BWRプラント所有の各電力会社においては、この対策の実行に向けた具体的な検討に着手しているところです。


 当協議会においては、引き続き、安全性、信頼性の向上を目指し、情報共有を図るとともに、共通課題の検討を実施してまいります。

以上

(※1)BWR事業者協議会
 本協議会は、わが国のBWR(Boiling Water Reactor:沸騰水型原子炉)プラントの安全性と信頼性をさらに向上させるため、電力会社とプラントメーカーとの間で情報を共有し、必要な技術的検討を行う新たな枠組みとして平成18年4月24日発足。東北電力株式会社、東京電力株式会社、中部電力株式会社、北陸電力株式会社、中国電力株式会社、日本原子力発電株式会社、電源開発株式会社、株式会社東芝、株式会社日立製作所の9社で構成する。
 具体的には、協議会の全体方針を決定する「ステアリング会議」の下にワーキンググループを設置し、トラブル情報の共有や水平展開方針、安全性や信頼性に係わるBWRの共通課題について検討などを行う。(平成18年4月25日お知らせ済み

(※2)リターン運転
 水圧ラインから原子炉給水系等に連絡している配管の弁を開けて水圧ラインの圧力上昇を防止する運転。プラント運転中はこの弁を閉めている。

添付資料1

制御棒引き抜け事象に関する対策と今後の対応の概要


1.抽出した運用面(ソフト)の対策

  • ・ 水圧ラインの弁操作においては、水圧ラインの圧力や制御棒位置等の監視を確実に実施する。
  • ・ 水圧ラインの弁操作手順を見直し標準化を図る。
  • ・ 水圧ラインの圧力上昇を示す警報が発生した際の対応を明確化する。
  • ・ 水圧ラインの弁を多数操作する機会を減らすための手順等も含めてプラント停止中の作業を検討する。

2.抽出した設備面(ハード)の対策

  • ・ 水圧ライン圧力の「高」または「低」を検出した際に発生する警報が「高/低」の一つになっているプラントは、制御棒引き抜け防止の対応に重要な「高」警報を明確化するために警報を分離する。
  • ・ 一層の信頼性向上のために、仮に水圧ライン圧力が何らかの原因で上昇した場合に自動で圧力上昇を防止するよう詳細検討を実施した上で設備改造を行う。

3.BWRプラント所有の電力会社における今後の対応

  • ・ 運用面の対策のうち手順書の改訂等については、各社速やかに進め、順次運用に入る。また、プラント停止中の作業については、今年度上期中を目途にBWR事業者協議会で検討を行い、その結果を踏まえて対応する。
  • ・ 設備面の対策のうち警報の分離については、警報が分離されていないプラントは至近の定期検査で実施する。また、水圧ラインの圧力上昇防止に向けた設備の改造は、各社の設備や運用への適合性を勘案し適切な対策を選択した上で順次行う。

以上