東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故から1年が経ちましたが、今もなお、避難生活を余儀なくされるなど、多くの方々が日々の平穏な暮らしを取り戻すことができない状況が続いております。電気事業者として、原子力発電所がこのような重大な事故を起こしたことは、まことに痛恨の極みであり、二度と起こしてはならないとの決意のもと、浜岡原子力発電所において徹底した安全対策を進めております。
当社は、昨年の5月に国から浜岡原子力発電所の運転停止要請を受けました。原子力発電の安全性に対する不安に真摯に対応し、立地地域の皆さまをはじめ広く社会の皆さまの信頼を得ていくことが最優先であるという認識のもと、国からの要請を受け入れる決断をいたしました。
現在、原子力を含む国のエネルギー政策の見直しについて議論されていますが、いかなる情勢下でも、電力を安全・安定的にお届けすることが重要です。そのためには、原子力、火力、再生可能エネルギーなどの多様な電源をバランスよく組み合わせるとともに、大規模集中型に加え分散型の電源も効果的に活用することで、今まで以上に自然災害などのリスクに強い電力供給を目指していく必要があります。
特に、資源に乏しいわが国において、化石燃料価格の高騰や地球温暖化という課題に対処し、将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには、原子力発電を引き続き重要な電源として活用することが不可欠であると考えております。
このため、立地地域の皆さまをはじめ広く社会の皆さまにご安心いただけるよう、浜岡原子力発電所を世界一、安全・安心な原子力発電所とすることを目指し、防波壁の設置をはじめとした「浜岡原子力発電所の安全性をより一層高める取り組み」を全力で実施してまいります。
また、浜岡原子力発電所の運転停止中は、電力の安定供給を確保するための取り組みが必要となるとともに、燃料費が増大し、極めて厳しい状況が継続することとなります。
こうしたなか、当社では、「浜岡原子力発電所の安全性をより一層高める取り組み」とともに、「電力の安定供給に向けた取り組み」ならびに「経営効率化に向けた取り組み」を「3つの重点的な取り組み」として位置づけ、全力で実施してまいります。
電気事業を取り巻く環境は、震災以降、大きく変わっておりますが、中部電力グループが創立より60年にわたって果たしてきた「お客さまに、安全で安価なエネルギーを安定してお届けする」という電気事業者としての使命は、これまでといささかも変わるものではありません。
今後とも、電気事業者としての使命を果たすとともに、エネルギー市場の変化に的確かつ柔軟に対応できる強い企業グループであり続け、皆さまに「安心」をお届けできる良き企業市民としての社会的責任を完遂することで、お客さまや地域の皆さまをはじめ、株主・投資家、取引先など各方面の方々の信頼とご期待にお応えしてまいります。
2012年3月
中部電力株式会社

