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プレスリリース バックナンバー(2008年)

浜岡5号機 気体廃棄物処理系における水素濃度の上昇等に対する原因と対策および調整運転の再開について

2008年12月26日

中部電力株式会社

平成20年11月5日、調整運転開始に伴う出力上昇過程の浜岡原子力発電所5号機(改良型沸騰水型、定格電気出力126.7万キロワット)で発生した、気体廃棄物処理系(※1)における水素濃度の上昇事象および同系統内の希ガスホールドアップ塔(以下、「H/U塔」という。)(※2)の温度上昇事象について、これまで原因の調査と対策の検討を実施してまいりました。その結果をとりまとめましたので、お知らせいたします。

なお、この結果については、本日、原子力安全・保安院に報告しました。

1 点検・調査結果(平成20年12月17日公表済み)

H/U塔入口露点温度検出器の金網状のフィルタが変色し複数の穴が開いていることおよび一部の弁や配管内に錆を確認しました。その他の機器等には損傷がないことを確認しました。

H/U塔(B)~(D)下部内面に微粉状の活性炭の付着を確認しました。H/U塔(A)下部内面には付着はありませんでした。

5号機の排ガス再結合器の触媒特性を確認し、水素濃度に対する酸素濃度の比率(以下、「酸素/水素濃度比」という。)が低下すると、触媒での水素と酸素の再結合反応が不安定となる「しきい値」が、他電力で確認されたものと同様の領域にあることを確認しました。また、一旦、再結合反応が不安定になると、再結合を促進するために酸素/水素濃度比を増加させても、直ちに再結合反応が回復しない場合があることを確認しました。

系統内の残留ガスを分析した結果、H/U塔(A)で通常よりも多くの二酸化炭素および一酸化炭素を確認しました。

2 水素濃度の上昇事象の推定原因について

原子炉出力の上昇に伴い、排ガス再結合器における酸素/水素濃度比が「しきい値」を下回ったことにより、再結合反応が不安定となる領域で運転を継続したことから、水素濃度が上昇したものと推定しました。

なお、他プラントにおける先行事例やこれまでの浜岡5号機の運転実績を踏まえると、再結合反応が不安定になる現象はプラント起動過程に発生しやすく、排ガス再結合器出口温度が十分高く、再結合反応が安定している状態では、水素濃度上昇はないものと考えられます。

3 H/U塔の温度上昇事象の推定原因について

点検・調査の結果から、H/U塔(A)下部の活性炭の微粉が燃焼し、温度が上昇したものと推定しました。また、活性炭の微粉の燃焼については、排ガス再結合器下流で可燃限界濃度(4%)以上に達した水素が燃焼し、その熱により延焼したものと推定しました。

4 運転操作および先行事例への対応について

事象発生当日の運転操作において、水素濃度高警報が点灯していた状態で、運転操作による水素濃度回復措置を継続した異常徴候検討会(※3)の判断について、今後、根本原因分析を実施した上で、必要な是正措置を実施してまいります。

先行事例への対応について、女川3号機(※4)と同じ触媒を使用していることから同等の「しきい値」があるという認識はあったものの、志賀2号機(※5)の事象を踏まえた新規触媒への取り替えにより対策済みという判断が働いたため、十分な検討がなされていませんでした。

5 対策について

水素濃度を上昇させない対策として、プラント起動過程において、常に酸素/水素濃度比が高い安定な領域で運転を行うため、排ガス予熱器入口から供給する空気量をあらかじめ増加させることとしました。

また、的確かつ速やかにプラント停止の判断が行えるように異常徴候検討会の位置付けを明確にするとともに、運転操作手順書については水素濃度が可燃限界を超過・継続した際の判断基準を単純かつ明確にします。

6 今後の取り組みについて

事象メカニズムの詳細な解明に資することを目的に、原子炉起動時に実機データの蓄積を行います。また、今回実施した触媒性能試験では再現できなかった実機の挙動について、引き続き検討していきます。

以上の対策を実施した上で、現在、起動に向けた準備を進めておりますが、準備が整いしだい、明日にも原子炉を起動する予定です。

なお、調整運転中に異状が確認された場合には、必要に応じて修理を行います。修理の方法によっては、原子炉を停止する場合もあります。

 

※1 気体廃棄物処理系は復水器に流入する水素、酸素および気体状の放射性物質(希ガス)を処理する系統です。
このうち水素と酸素は同系統で処理(再結合反応)され水となります。

※2 H/U塔は、放射性の希ガスを一定期間活性炭に吸着させて放射能を減衰させる装置です。

※3 異常徴候検討会は、警報の発報や巡視点検等で、運転パラメーターに通常の範囲内ではあるが変動を認めた場合等に、監視強化や原因調査の実施方針・方法を検討・決定するための社内会議体です。

※4 女川3号機の事象とは、第4回定期検査における調整運転時の水素濃度上昇事象です。
(平成19年11月10日発生)

※5 志賀2号機の事例とは、第1回定期検査における調整運転時の水素濃度上昇事象です。
(平成20年4月1日発生)

 

別紙

以上