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プレスリリース バックナンバー(2009年)

浜岡原子力発電所4、5号機 気体廃棄物処理系における水素濃度の上昇に対する原因と対策について

2009年6月23日

中部電力株式会社

平成20年12月30日に浜岡原子力発電所5号機(改良型沸騰水型、定格電気出力126.7万キロワット)で、平成21年5月5日に浜岡原子力発電所4号機(沸騰水型、定格電気出力113.7万キロワット)で、調整運転開始時の出力上昇過程で発生した気体廃棄物処理系における水素濃度の上昇事象について、これまで原因の調査と対策の検討を実施してまいりました。このたび、これらの結果をとりまとめましたのでお知らせいたします。
  なお、この結果については、本日、原子力安全・保安院に報告しました。

1 点検・調査結果について

これまで、気体廃棄物処理系の不良、排ガス再結合器触媒の性能低下等の観点から、機器の点検、事象発生当日の運転データ調査、触媒性能を確認するための各種試験および触媒製造工程の調査を実施してきました。その結果、水素濃度上昇の原因となる排ガス再結合器触媒の性能低下に関する以下の2つの要因が確認されました。

(1)触媒の特性に起因する性能低下に関する点検・調査結果

平成8年以降、触媒の製造工程の一部を変更しており、それにより触媒のアルミナ(酸化アルミニウム)基材の結晶形態に変化が生じ、ベーマイト(水和アルミニウム酸化物)となる割合が多くなっていることが分かりました。また、ベーマイトが多い触媒は、プラントの運転に伴い、アルミナ表面に添着された白金の活性表面積が減少することを確認しました。
  なお、今回の調査で、アルミナの結晶形態は、触媒を500℃で再加熱処理することで、ベーマイトから白金の活性表面積の減少しないγ(ガンマ)アルミナに変化することを確認しました。

(2)触媒性能阻害物質(以下、「触媒毒」という。)による性能低下に関する点検・調査結果

4号機および5号機の実機から取り出した触媒の成分を分析した結果、触媒の性能を低下させるシロキサン(有機ケイ素化合物)が存在していることが分かりました。
  シロキサンの発生源を調査した結果、4号機においては平成18年の低圧タービン点検で、5号機においては平成19年以降に低圧タービン等で使用を始めた液状パッキンに含まれるシロキサンが揮発することで排ガス再結合器に流入する可能性のあることが分かりました。
  また、ベーマイトが多い触媒ほどシロキサンの影響が大きいこと、触媒の温度が上昇するとシロキサンの影響が弱まり、触媒の性能が回復することも分かりました。

2 推定原因について

(1)今回の事象発生メカニズム

触媒の製造工程でベーマイトが形成され、プラント運転に伴い白金の活性表面積が減少したことに加え、触媒毒であるシロキサンが触媒の表面に蓄積したため、触媒が本来持つべき再結合能力が著しく低下し、水素濃度が上昇したものと推定しました。
  なお、プラント出力の上昇に伴う再結合反応の増大により触媒の温度が上昇することで、シロキサンにより低下した性能は回復するため、通常運転時には水素濃度の上昇が発生していなかったものと推定しました。

(2)酸素/水素濃度比に係る「しきい値」に対する評価

平成20年11月5日に5号機で発生した同事象では、酸素/水素濃度比の「しきい値」を踏まえて安定な領域で運転を行うことを対策としていましたが、今回、同様の事象が再発したことから、触媒製造履歴や触媒性状等まで踏み込んだ調査を行い、「しきい値」だけでは今回の事象を説明できないことが分かりました。
  今回の調査から、触媒性能が低下した状態の触媒には、酸素/水素濃度比の影響を受けやすくなる特性があり、この特性を捉えて「しきい値」としていたものと推定しました。

3 再発防止対策について

(1)対策触媒の導入

触媒の製造工程で、再加熱処理の温度を現状の350℃から500℃へ上げ、ベーマイトの割合を極力少なくした触媒を導入します。

(2)触媒毒の除去

触媒毒であるシロキサンの主要な発生源となる低圧タービンについて、シロキサンを含む液状パッキンの除去を行い、代わりに以前より使用している亜麻仁油に戻します。

(3)触媒の点検計画

定期的な劣化管理が不要としていた触媒について、今後、長期的な触媒性能の経年変化を把握するため、計画的な点検を行うこととします。

(4)その他の改善事項

今回の事象を踏まえ、受注メーカによる製造過程に関する変更管理およびその変更が及ぼす影響確認を、外注先を含め更に徹底するよう、調達要求事項として明確化します。

4 今後の予定について

現在、5号機は、以上の対策を実施済みであり、原子炉起動に向けた準備を進めております。また、4号機については、対策を実施中であります。
  5号機は、明後日にも調整運転を再開いたします。再開いたしましたら、改めてお知らせいたします。

なお、本事象を踏まえ、BWR事業者協議会(※1)(以下、「JBOG」という。)で関連プラントの状況を公表しています。(JBOGホームページ: http://www.jbog.jp

※1 JBOGには、東北電力株式会社、東京電力株式会社、中部電力株式会社、北陸電力株式会社、中国電力株式会社、日本原子力発電株式会社、電源開発株式会社、株式会社東芝および日立GEニュークリア・エナジー株式会社が参加しています。

 

別紙

以上