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プレスリリース バックナンバー(2012年)

鋳造工場向け「アーク式取鍋加熱装置」の開発について~省エネルギー化と作業環境の改善に貢献~

2012年10月15日

中部電力株式会社

当社は、トヨタ自動車株式会社および特殊電極株式会社と共同で、鋳造工場向けに、省エネルギー化を実現した「アーク式取鍋加熱装置」を開発いたしました。このたび、トヨタ自動車株式会社およびアイシン高丘株式会社におけるフィールド試験での良好な結果を受け、製品化いたしました。

本開発品は、本日から特殊電極株式会社より受注販売を開始いたします。

鋳造工場では、金属を溶かす溶解炉から鋳型を造る造型ラインへ「取鍋(とりべ)」と呼ばれる耐火容器を用いて溶けた金属(溶湯)を運搬し、鋳型に溶けた金属を流し込む注湯の工程を経て、製品(鋳物)を取り出し、出荷しています。

取鍋は、溶湯の温度低下を防ぐため、溶湯を注ぐ前に内部を予熱しておく必要があります。

この予熱作業では、通常ガスバーナーが用いられます。しかし、ガスバーナーを用いた予熱では、排気による熱損失が大きいため、多くの時間とエネルギーを要するほか、排熱によって取鍋周辺の雰囲気が高温となることが課題でした。

また、取鍋の定期的なメンテナンス時には、取鍋内側の耐火物を張り替え、耐火物の強度を向上させるために所定の昇温速度で加熱乾燥を行いますが、ガスバーナーでは取鍋内部温度のばらつきが大きくなるため、同様の課題が生じていました。

本開発品では、従来のガスバーナーに比べて熱源温度が高いアーク加熱(注)方式を採用するとともに取鍋をほぼ密閉状態にすることで、加熱時間の短縮とエネルギーの大幅な削減を実現しました。

また、アーク式は取鍋内部温度を制御しやすいため、加熱乾燥においてもエネルギーの損失を大幅に削減することが可能となります。

さらに、ガスバーナーでは、多量の燃焼排気が工場内に放出されて、取鍋周辺の雰囲気が高温になりますが、アーク式では化石燃料の燃焼排気が発生しないため周辺温度の上昇が抑えられ、断熱蓋の設置で騒音も低減できることから、作業環境の改善にも寄与します。

 

(注)アーク加熱とは、アーク放電で発生する熱で加熱することであり、本装置では、2本の炭素電極間に直流電流を印加してアークを発生させ、取鍋内壁の耐火物を間接的に加熱します。

 

アーク式取鍋加熱装置の主な特長

(1)加熱時間の短縮と省エネルギー化

熱源温度が数千°C以上となるアーク式の採用で排気損失を抑えるとともに、断熱蓋の設置で取鍋からの放熱を抑え、予熱時間の短縮と大幅な省エネルギー化を実現します。さらに、加熱制御による乾燥条件の最適化を図ることで、乾燥時間の短縮と省エネルギー化も実現できます。

(2)作業環境の改善

ガスバーナーによる加熱のような化石燃料の燃焼排気を工場内に放出しないため、取鍋周辺の温度上昇が抑えられます。さらに、従来はバーナー燃焼に伴う騒音が発生していましたが、断熱蓋の設置でアーク加熱時の騒音を低減し、作業環境の改善が図られます。

(3)酸化物の低減

断熱蓋の設置により、取鍋内を低酸素雰囲気に維持できることから、内部に残留付着した鉄の酸化が抑制され、ノロと呼ばれる酸化物(廃棄物)の低減が見込まれます。 

 

別紙

以上