プレスリリース

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返還ガラス固化体に係る事業所外廃棄確認申請について

2012年12月04日
中部電力株式会社
関西電力株式会社
中国電力株式会社

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中部電力、関西電力および中国電力の3社は、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下、原子炉等規制法)」に従い、海外からのガラス固化体の返還のために、本日、事業所外廃棄確認を独立行政法人原子力安全基盤機構に対し申請いたしました。

このたびの申請は、平成24年度に青森県六ヶ所村にある日本原燃株式会社の廃棄物管理施設に搬入を予定している返還ガラス固化体28本分について、荷主である各電力会社が、ガラス固化体を貯蔵する際に遵守すべき保安のために必要な措置等について、確認を得るために行うものです。

本申請の詳細は、別紙1のとおりです。

また、各電力会社は、昨年10月から本年3月にかけて、英国Sellafield Ltdセラフィールド再処理工場において、返還されるガラス固化体の測定を実施し、外観等が良好であることを確認しております。英国での測定内容と結果については、別紙2のとおりです。

なお、返還ガラス固化体の輸送は、平成25年2月頃の日本到着を予定しております。

添付資料

以上

添付資料1

別紙1:返還ガラス固化体に係る事業所外廃棄確認申請について

1 事業所外廃棄確認申請の位置付け

我が国の電力9社と日本原子力発電株式会社は、原子力発電所から発生した使用済燃料の再処理を仏国AREVA NC社及び英国NDAに委託しており、再処理に伴って発生する放射性廃棄物は、契約に従って我が国に返還されることになっている。

輸入した放射性廃棄物(以下「輸入廃棄物」という。)を国内の廃棄物管理施設に廃棄する場合には、原子炉等規制法の規定に従って、廃棄物を輸入し廃棄しようとする原子炉設置者等は、「核燃料物質等の工場又は事業所の外における廃棄に関する規則」第2条に定める保安のために必要な措置等の遵守について、独立行政法人原子力安全基盤機構の「確認」を受けなければならないこととなっている。

2 確認を受ける事項

電力会社等は、輸入廃棄物を日本原燃株式会社の廃棄物管理設備に廃棄する前に、以下の項目について独立行政法人原子力安全基盤機構の確認を受けなければならない。

(1)輸入廃棄物を廃棄する場合には、次項以下の保安のために必要な措置を講じて廃棄物管理設備に廃棄すること。

(2)輸入廃棄物は、次に掲げる基準に適合するものとすること。

  • 放射線障害防止のため容器に封入し、又は容器に固型化したものであること。
  • 種類(寸法、重量、強度及び発熱量を含む)及び数量が、当該廃棄物管理設備において管理することができるものであること。
  • 放射性物質の種類ごとの放射能濃度が、当該廃棄物管理設備において管理することができるものであること。
  • 放射性物質が容易に飛散し、及び漏えいしないものであること。
  • 著しい破損がないこと。

(3)輸入廃棄物を廃棄物管理設備に廃棄する場合には、当該輸入廃棄物に関する事項を記載した書類を作成し、当該廃棄物管理設備を設置した廃棄物管理事業者に交付すること。

(4)輸入廃棄物には、容易に消えない方法により、その表面の目につきやすい箇所に整理番号を表示すること。

(5)廃棄に従事する者の線量が原子力規制委員会の定める線量限度を超えないようにすること。

3 申請書記載事項の概要

(1)申請日

平成24年12月4日

(2)申請者及び数量

中部電力株式会社      7本

関西電力株式会社      14本

中国電力株式会社      7本

(3)輸入廃棄物に係る封入又は固型化を行った者

Sellafield Ltd

(4)製造時期

2003年~2005年

(5)輸入廃棄物の内容等

  • 輸入廃棄物の内容:使用済燃料の再処理に伴い発生する高レベル放射性液体廃棄物をステンレス鋼製容器にほうけい酸ガラスを固化材として固化したもの
    • 外観:良
    • 閉じ込め: 良
    • 容器材質:英国規格 BS1501Pt3 309S16 (JIS SUH 309相当)
    • 容器肉厚:約5mm

    • 高レベル放射性液体廃棄物の起源:軽水炉用ウラン燃料及び軽水炉用ウラン燃料以外の燃料
  • 輸入廃棄物に係る封入又は固型化の方法:AVM(Atelier Vitrification de Marcoule)法
  • 輸入廃棄物の寸法:外径;約430mm、高さ;約1,340mm
  • 輸入廃棄物の重量:455kg~488kg
  • 輸入廃棄物の強度:良
  • 輸入廃棄物の発熱量(申請時点):1.0~1.3kW/本
  • 輸入廃棄物に含まれる放射性物質の種類毎の放射能濃度(申請時点)

・α線を放出する放射性物質  :1.4×1014~1.9×1014Bq/本

(放射性核種濃度) 238Pu :1.7×1011~2.1×1011Bq/本

                239Pu :1.2×1010~1.5×1010Bq/本

             240Pu :3.2×1010~4.4×1010Bq/本

             241Am :9.4×1013~1.3×1014Bq/本

             242Cm :6.0×104~2.9×107Bq/本

             243Cm :1.8×1012~3.5×1012Bq/本

             244Cm :2.6×1013~5.3×1013Bq/本

・α線を放出しない放射性物質:1.2×1016~1.6×1016Bq/本

(放射性核種濃度) 90Sr:2.0×1015~2.7×1015Bq/本

             90Y:2.0×1015~2.7×1015Bq/本

             106Ru:1.0×1010~8.6×1011Bq/本

             106Rh:1.0×1010~8.6×1011Bq/本

             125Sb:0.0×100~2.3×1012Bq/本

             134Cs:1.6×1012~1.1×1013Bq/本

             137Cs:3.3×1015~4.5×1015Bq/本

             137mBa:3.1×1015~4.3×1015Bq/本

             144Ce:5.7×108~2.3×1011Bq/本

             144Pr:5.7×108~2.3×1011Bq/本

             154Eu:2.6×1013~4.7×1013Bq/本

             155Eu:4.3×1012~1.1×1013Bq/本

  • 整理番号の表示法:容器胴部側面に刻印

(6)添付書類

一 輸入廃棄物の内容の詳細に関する説明書

二 輸入廃棄物に係る封入又は固型化の方法の詳細に関する説明書

三 輸入廃棄物の強度を決定した方法に関する説明書

四 輸入廃棄物の発熱量を決定した方法に関する説明書

五 輸入廃棄物の放射能濃度を決定した方法に関する説明書

六 輸入廃棄物に係る放射性物質の閉じ込めに関する説明書

七 輸入廃棄物を廃棄する廃棄物管理設備に関する説明書

添付資料2

別紙2:英国での測定結果について

第15回目の返還ガラス固化体の所有者である各電力会社は、英国において返還対象のガラス固化体(28本)について、事前にガラス固化体表面の磨き上げがされていること及びガラス固化体表面の拭き取りが実施されていることを確認した上で、各測定(外観、閉じ込め、表面汚染)を実施し、判定基準に対して問題ないことを確認しました。

1 測定期間

平成23年10月4日~平成24年3月21日

2 測定項目及び測定結果

(1)外観

a 測定方法

目視等により、ガラス固化体に著しい破損がないことを確認する。

b 測定結果

全てのガラス固化体について、著しい破損がなく、結果は「良」。

(2)閉じ込め

a 測定方法

ガラス固化体を測定容器に収納し、排風機によって測定容器内を経由した空気を放射性物質捕集器(フィルタ及びルテニウム捕集材)に通した後、フィルタ及びルテニウム捕集材の放射性物質(揮発性物質である放射性セシウム及び放射性ルテニウム)を分析し、放射性セシウム及び放射性ルテニウムがそれぞれの判定基準(放射性セシウムの漏えい率:4.5Bq/3本・h以下、放射性ルテニウムの漏えい率:2.2Bq/3本・h以下)を満たしていることを確認し、ガラス固化体の閉じ込めが健全であることを確認する。

b 測定結果

全てのガラス固化体は、判定基準を満たしており、結果は「良」。

(3)表面汚染

a 測定方法

ガラス固化体を回転させて、ガラス固化体表面をろ紙で拭き取り、ろ紙の分析を行って、放射性物質の表面汚染密度が判定基準(4Bq/cm2未満)を満たしていることを確認する。

b 測定結果

全てのガラス固化体は、判定基準を満たしており、結果は「良」。

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