プレスリリース

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空気熱源循環加温ヒートポンプ「CAONS140L」の開発・発売について~工場などでの温水熱源のヒートポンプ化をさらに推進~

2016年10月24日
東芝キヤリア株式会社
中部電力株式会社
関西電力株式会社

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東芝キヤリア株式会社と中部電力株式会社、関西電力株式会社は、60°C前後の温熱利用に特化することで、従来機(注1)よりも導入費用を低減した空気熱源循環加温ヒートポンプ「CAONS140L(カオンズ140エル)」(注2)(加熱能力14kW)を共同開発しましたので、お知らせします。

本機は、東芝キヤリア株式会社より本年12月に発売します。

工場の製造工程では、さまざまな加温処理でボイラや電気ヒータが数多く用いられていますが、最近はヒートポンプも用いられるようになっており、東芝キヤリア株式会社が販売している従来機(温水取出し範囲50~90°C)の採用も徐々に増加しています。

特に、素材や部品の洗浄、脱脂など、60℃前後に温水や処理液を加熱して用いる工程では、運転効率の高いヒートポンプ導入による省エネ効果が注目されており、そのような工程でヒートポンプを検討しているお客さまからは、「導入費用を抑えたい」「さらに低い外気温でも使用したい」というご要望をいただいていました。

そこで、開発機「CAONS140L」では、ご要望の多い60°C前後の温熱利用を主ターゲットとし、新たな使用範囲にも対応するとともに、コンパクト水熱交換器の採用と冷凍サイクルの最適化により、ヒートポンプ機本体を軽量・一体構造化することで、導入費用の低減を可能にしました。

開発機「CAONS140L」の特長

  1. 本体価格を25%下げ、導入費用の負担も軽減
    従来機で2つの設備に分離されていたヒートポンプ機本体を、軽量化しながら一体構造化。従来機に比べ本体価格を25%下げるとともに、設置もしやすくなり、工事費も含めた導入費用を低減(注3)。
  2. 温水取出し温度は20~64°Cに対応(注4)、外気温‐20°Cでも運転可能
    ご要望の多い60°C前後はもちろん、低温域の温熱利用にも対応する新たな使用範囲を実現したことで、産業プロセス用のほか業務用、農事用での加温、および融雪用にも適用が可能。また、周囲温度条件についても、従来機よりさらに低外気温に運転範囲を拡大し、屋内、屋外設置の場合とも安心して使用可能。
  3. 高い運転効率(COP3.4(注5))により省エネルギーを実現
    開発機「CAONS140L」の高い運転効率(COP3.4)により、ボイラ蒸気による温水製造に比べ、約6割もの大幅な省エネルギー(注6)を実現。

(注1) 従来機
東芝キヤリア株式会社が2012年に発売した「CAONS140」(加熱能力14kW、温水取出し温度範囲50~90°C)のことです。開発機「CAONS140L」発売後も販売を継続します。

(注2) 空気熱源循環加温ヒートポンプ「CAONS140L(カオンズ140エル)」
「CAONS(カオンズ)」は、東芝キヤリアが販売する循環加温ヒートポンプを総称したネーミングです。「140」は加熱能力14.0kWを表し、「L」は従来機に比べLight(軽量)、Low temperature(低温域に対応)であることを表しています。

(注3) 工事費も含めた導入費用を低減
一体構造としたため、2つの設備に分離している従来機(添付資料2 表1参照)と比べ、工事費用の低減が見込めます。本体価格が従来機より25%下がることと合わせ、導入費用が低減されます。

(注4) 20~64°Cに対応
標準仕様は、温水取出し温度30~64°Cに対応し、オプションの融雪仕様とした場合、外気温度5°C以下の条件で温水取出し温度20°C(下限)に対応します。

(注5) COP3.4
COPとは、成績係数(Coefficient Of Performance)ともいい、加熱機器などのエネルギー消費効率の目安として使われる係数のことで、COP=加熱能力(kW)/消費電力(kW)で定義されます。開発機「CAONS140L」のCOP3.4は温水入口59°C出口64°C、周囲温度25°C(相対湿度は70%)の条件における値で、このときに、電気入力の3.4倍の加熱能力を発揮することを意味します。

(注6) 約6割もの大幅な省エネルギー
省エネルギーの効果は、一定の条件のもとで試算した結果です。(蒸気ボイラ式のシステム効率は50%とし、開発機「CAONS140L」を用いるシステムは屋内設置を想定して平均周囲温度25°C、補機の消費電力は含まない条件で試算。)実際のご使用状態によって導入効果は変動します。

添付資料

以上

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