その他の記者会見 平成25年5月度 電事連・副社長記者会見

2013年5月9日

中部電力株式会社

  • 中部電力の大野でございます。
  • 本日、私からは、
  • 再生可能エネルギー導入拡大に向けた当社の取り組み

について、お話しいたします。

 

再生可能エネルギー導入拡大に向けた当社の取り組み

(当社の再エネ開発の取り組み)

  • 最初に、当社の再生可能エネルギーの開発について、お話しいたします。
  • 資料の「1番」をご覧ください。
  • 当社は、電源の多様化、地球温暖化問題への対応の観点から、再生可能エネルギーの開発を進めてまいりました。
  • 現在も「メガソーラーしみず」や「徳山水力発電所」などの建設を進め、再生可能エネルギーの導入拡大に努めているところです。
  • また、グループ会社においても、太陽光発電、風力発電などの開発に取り組んでおります。

(固定価格買取制度導入と当社の役割)

  • 資料の「2番」をご覧ください。
  • これは、当社の太陽光発電からの購入実績の推移を、「件数」でお示ししたものです。
  • 政府による再生可能エネルギーの導入拡大施策として、2009年11月に「太陽光発電の余剰電力買取制度」が、2012年7月に「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が導入されました。
  • 制度導入以降、特に太陽光発電が飛躍的に伸びており、2012年度末時点の買い取り件数は約23万7千件と、前年に比べて、約6万件増加しております。
  • このように急増する買い取りのお申込みに、当社は、事業場の受付担当者の増員や、臨時の業務応援などによって、全社をあげて、円滑な対応に努めているところです。
  • 続いて、資料の「3番」をご覧ください。
  • こちらは、本年1月末時点の太陽光発電の設備認定出力を都道府県別に表したものです。
  • 当社の供給エリアのうち、太平洋側に面している地域は日射量が多く、愛知県が3位に入るなど、全国的に見ても、今後、太陽光発電の導入が進む地域とみております。
  • 固定価格買取制度の下では、当社は一般電気事業者として、再エネ発電事業者の電気を、確実に買い取っていくことが重要な役割であります。
  • 当社は、急速に普及する太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー電源を、確実に電力系統に接続していくために、その対策を着実に進めているところであります。

(再生可能エネルギーの課題)

  • 資料の「4番」をご覧ください。
  • ご存じのとおり、再生可能エネルギーには、原子力発電や火力発電と異なり、
  • 天候や風量などの自然条件に左右されるため、出力が不安定、すなわち、よく変動する、
  • 容易に発電出力を調整することができない、

といった課題があります。

  • 資料の「5番」をご覧ください。
  • こうした課題を、「蒸気機関車」に例えてみました。
  • ここでは、電源を「蒸気機関車」に、電力需要を「客車」に、気温などの電力需要の変動要因を、「坂道の勾配」に置き換えてご説明します。
  • 図の上段の「従来」は、これまでの状況を表しています。
  • 坂道の勾配に合わせて、大きな蒸気機関車が客車を引っ張ることで、汽車全体は、決められた一定の速度を保って、運転することができました。
  • ところが、現在、大きな蒸気機関車に、小さな蒸気機関車が何台も、連結され始めています。
  • これらの小さな機関車は、1台1台が、いつ、力を出すのかどうかも分かりません。
  • 従いまして、汽車全体が、これまでと同じように、一定の速度を保って坂道を上り下りするためには、大きな機関車は、小さな機関車の力の出方に合わせて、頻繁に加速と減速を繰り返して、全体を調整する必要があります。
  • しかし、大きな機関車は、その仕組みの特性として、急な加速や減速が一番の苦手です。
  • そこで、連結している小さな機関車が、
  • いつ、どちらの方向に、時速何キロで進むのか的確に予測する技術

更に、

  • 小さな機関車の動きや速度の変化を踏まえて、汽車全体の速度を制御する技術

などを早急につくりあげる必要があります。

  • 資料の「6番」をご覧ください。
  • 再生可能エネルギーの大量導入に話しを戻します。
  • 先ほどお話しいたしました、再生可能エネルギーの出力予測や電力系統の制御技術の開発が進みませんと、
  • 配電系統の電圧上昇
  • 余剰電力の発生
  • 周波数の変動

といった問題を引き起こすと考えられております。

  • こうした問題は、例えば、ご家庭の電化機器の故障や誤動作、工場の製造ラインでの製品ムラの発生など、様々な影響を引き起こす可能性があります。
  • そのため、対策として、配電系統においてきめ細やかな制御を行うことのできる電圧制御機器の開発や、太陽光の出力予測、出力抑制、蓄電池の設置などが必要になると考えております。
  • 当社は、これらの対策を検討するための、資源エネルギー庁の補助事業である次世代電力ネットワークに関する実証事業に参画しております。

(全国大での取り組み)

  • このうち2つの実証事業をご紹介します。
  • 資料の「7番」をご覧ください。
  • この実証事業では、当社が幹事会社となり、電力会社10社が全国321箇所に日射計等を設置してデータを連続取得し、そのデータから太陽光発電大量導入時の出力変動を分析してまいりました。
  • また、その成果を活用し、お客さまに届く電力の品質が維持できるよう、太陽光発電出力を予測する技術開発を進めております。
  • 続いて、資料の「8番」をご覧ください。
  • こちらの実証事業では、配電系統の電圧上昇、余剰電力対策として必要な制御技術の開発、機器の開発等を行っています。

(中西地域での取り組み)

  • 次に、60Hz地域での風力発電の導入拡大に向けた取り組みをご紹介いたします。
  • 資料の「9番」をご覧ください。これは、全国の風力発電の連系可能量をお示ししたものです。
  • 風力発電などは発電量が多い一方で、出力の変動幅が大きいため、出力変動に対応できる調整力を準備しておく必要があります。
  • 電力系統の規模が小さい電力会社では、風力発電を受け入れるための調整力も小さく、導入量に制約があります。
  • このため、当社を含む60Hz地域の電力会社間で相互に協力し、導入拡大をはかる施策について取り組んでおります。
  • 具体的には、風力連系量に余裕のない会社が、風力連系可能量を拡大するために必要な調整力を確保するため、地域間連系線を活用し、当社など系統容量の比較的大きな電力会社に融通送電することで、60Hz地域全体で風力発電の連系量を拡大します。

(当社管内での取り組み)

  • 続きまして、当社単独で取り組んでいる内容についてご紹介します。
  • 資料の「10番」をご覧ください。
  • 当社では、電圧変動対策の一環として、長野県飯田市にある「メガソーラーいいだ」などが連系している配電用変電所の構内に蓄電システムを設置し、電圧変動を抑制する研究に取り組んでおります。
  • 本研究では、蓄電池の充放電を制御し、太陽が陰って急に出力が落ちたときに、蓄電池から放電して補ったり、出力が上がったときに充電したりすることで、電圧変動を抑制する方式について検討しております。

(配変変圧器逆潮流の規制緩和)

  • 最後に、資料の「11番」をご覧ください。
  • 再生可能エネルギーを配電系統へ接続する際の課題である、「逆潮流」について、少しお話しいたします。
  • 個々のお申し込みに対して、接続できなくなる可能性が高まっている課題です。
  • 現在の国の技術基準などでは、配電用変電所の変圧器を経由した逆向きの送電はできないこととなっております。
  • これはどういうことかと申しますと、同じ配電用変電所につながるお客さまの使用電力を超えない規模でのみ、接続が可能である、という意味です。
  • 仮に、太陽光発電がお客さまの使用する電力を超えると、電気はその系統の中で使用されませんので、逆向きに流れることとなります。
  • こうした逆向きの電気が流れる状況で、配電用変電所より上流にある送電設備のどこかで故障が起きますと、故障地点へ電気を送電してしまい、設備損傷や感電事故など、公衆災害を招くおそれがあります。
  • このため、大量の再生可能エネルギーを電力系統に連系することによって、保安上、危険がある場合には、出力抑制のお願いや、連系をお断りさせていただいているという事情にあります。
  • このような状況を踏まえ、現在、国では配電用変電所に保護装置を施設するなどの対策を施した場合には、配電用変電所の変圧器逆潮流に関する規制緩和を検討されています。
  • 当社としましても、こうした国の動きを踏まえて、どのような対策、対応が必要となるのか、どうすれば接続の制約が少なくなるのか、検討を進めているところです。

(最後に)

  • 再生可能エネルギーの導入拡大に向けた当社の取り組みをご紹介いたしました。
  • 大量導入された際の、解決すべき課題は多くありますが、再生可能エネルギーが、資源の少ない我が国にとって、貴重なエネルギーであることは間違いありません。
  • 当社は、再生可能エネルギーを電力系統へ受け入れできるよう、引き続き、必要な安定化対策等を着実に進めてまいりたいと考えております。
  • 私からは以上です。

以上