その他の記者会見 平成26年1月度 電事連・社長記者会見

2014年1月24日

中部電力株式会社

  • 本日、私からは、
  • 米国フリーポートプロジェクトの進捗状況と当社の取り組み

について、お話しいたします。

米国フリーポートプロジェクトの進捗状況と当社の取り組み

(当社燃料調達の課題)

  • 当社は、浜岡原子力発電所の全号機停止以降、火力発電への依存が高まり、火力燃料費の増大が続いております。
  • このため、昨年10月に、苦渋の選択でありましたが、本年4月1日からの電気料金値上げを申請させていただいたことは、ご案内のとおりであります。
  • 当社は、もともと火力発電の比率が高いことから、化石燃料を安定的に、かつできるだけ安価に調達することは、経営の最重要課題のひとつであります。
  • 一方で、新興国のエネルギー需要拡大に伴って、資源の獲得競争が激しくなるなど、燃料調達環境の先行きは厳しさを増すと見られております。
  • 当社は、このような状況下におきまして、燃料調達の、安定性、経済性および柔軟性の向上に向け取り組んでおります。
  • 本日は、当社の火力発電の中でもっとも比率の高いLNGの調達のうち、特に重点を置いて取り組んでいる、米国のフリーポートプロジェクトについてお話しさせていただきます。

(フリーポートプロジェクトの意義)

  • フリーポートプロジェクトには、安定性、経済性、柔軟性というすべての要素の向上に資する意義があると考えております。
  • まず、米国からのLNG輸入は、当社だけでなく、日本にとっても、LNGの新たな供給源となるため、供給の安定性向上に貢献します。
  • また、原油価格連動が主流のアジアLNG市場において、米国ガス価格連動という新しい指標を導入することによりまして、市場に変革を促すことができ、結果的に調達価格の低減に繋げたいと考えています。
  • 柔軟性につきましては、米国産LNGは、一般的なLNG売買契約に見られるLNG引取り場所の制限、いわゆる仕向地(しむけち)制限がないため、第三者へのLNG供給などを通じて、当社の需給変動に応じたLNG引取り数量の調整が容易となり、柔軟性を向上させることができます。

(フリーポートプロジェクトの概要)

  • フリーポートプロジェクトは、テキサス州の既存のLNG受入れ基地を活用して、液化に必要な設備等を建設し、LNG輸出基地に転用するプロジェクトです。
  • 本基地には3系列の液化設備、いわゆるトレインが建設される予定であり、当社は2012年7月にフリーポート社の子会社と液化加工契約を締結し、大阪ガスとともに、既に第1トレイン全量、年間440万tの使用権を得ております。
  • 当社が米国産LNGを調達するためには、
  • 米国のガス市場で原料となる天然ガスを調達し、
  • そのガスをパイプライン経由でフリーポート基地に運び込み、
  • 新設される液化設備で液化し、
  • LNG船で日本に輸送する、

といった取り組みが必要となります。

(米国エネルギー省(DOE)による輸出許可)

  • 本プロジェクトから日本向けにLNGを輸出するためには、米国エネルギー省(DOE)から自由貿易協定非締結国、いわゆる非FTA国向けのLNG輸出許可を取得する必要がありました。
    本プロジェクトは、昨年5月に、この許可を得ております。

(FERCによる建設許可)

  • また、新たに追加される液化設備などの建設には、連邦エネルギー規制委員会(FERC)の建設許可が必要となります。
  • 許可の前提として、現在、環境影響評価が実施されております。
    この評価にあたっては、水質や大気、生態系といった環境に悪影響が生じないかを精査する必要があるため、通常長い時間がかかります。
  • 新年早々の1月6日には、連邦エネルギー規制委員会(FERC)から、環境影響評価に関する今後のスケジュールが公表され、建設許可の承認および液化設備の建設に向け、大きく前進したところです。
  • フリーポート社はこのスケジュールに従って、建設工事に向けた準備やファイナンスの手配を進めています。
  • 昨年12月には建設請負契約が締結されており、建設着工は本年夏ごろを見込んでおります。
  • 液化設備の建設には、通常4年程度が必要とされていることから、2018年にはLNGを出荷できるとみております。

(原料ガス調達)

  • 次に、原料となる天然ガスの調達について、お話しいたします。
  • 米国内には、パイプラインが張り巡らされており、在来型ガスの他、非在来型のシェールガス等が混在して流通しています。
  • そこに、
  • 6千を超す天然ガス生産者、
  • 2百を超えるガスパイプライン会社、
  • およびガス売買の仲介をする多くのマーケター

が存在しています。

  • また、LNGに換算すると、年間5億t、これは日本のガス市場の5~6倍になりますが、そうした巨大なガス市場から、当社は、ガスを調達することになります。
  • 米国では、その時々の市場価格でガスを購入することが可能ですが、市況によりガス価格は大きく変動いたしますので、中長期契約や市場を柔軟に使うスポット調達を組み合わせ、より経済的にガスを調達しようと考えております。
  • 既に昨年10月には、現地ヒューストンに法人を設立し、当社社員を駐在させて、こうした取り組みを進めているところであります。

(LNG輸送)

  • 続いて、日本へのLNG輸送について、ご説明いたします。
  • フリーポートから当社LNG基地までは、約1万7千kmと長距離であり、航海日数も往復で約50日間かかります。
  • このため、最新鋭の技術を駆使した高性能のLNG船を自ら5隻程度手当・運航し、LNG輸送コストの低減に努めていきたいと考えています。
  • さらに、大阪ガスとLNG船を共同で運用する検討も進めており、効率化を追求してまいる所存です。
  • 以上の取り組みを通じ、2018年以降、年間220万tのLNGが、米国フリーポートプロジェクトで生産され、新たに拡張されるパナマ運河を通って、太平洋を横断し、当社の受入れ基地に続々と到着することになります。

(終わりに:アジア市場の変革に向けて)

  • フリーポートプロジェクトをはじめ、日本企業が深く関与するプロジェクトを合計すると、年間約1,500万tとなり、これは、日本のガス消費量の約2割に相当します。
    これらが、ほぼ同時期に米国から日本をはじめとするアジア市場にもたらされることになります。
  • 当社は、米国産LNGの獲得により、我が国のLNGの安定調達に貢献するとともに、こうした取り組みが、アジアLNG市場の変革の契機となることを期待しています。
  • 私からは以上です。

以上