定例記者会見

定例記者会見

2010年6月度定例記者会見 水野社長挨拶

2010年06月25日
中部電力株式会社

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  • 水野でございます。
  • ただいま、三田会長からお話しがございましたように、本日社長に就任いたしました。
    大任を仰せつかりまして、責任の重さにあらためて身の引き締まる思いであります。
  • 当社グループは、これまで三田前社長のもと、「総合エネルギーサービス企業グループ」として、持続的な発展を目指し、着実に前進してまいりました。
  • 私も当社グループの一層の発展のため、微力ではございますが、皆さま方のお力添えをいただきながら、ご期待に沿えるよう全力で努めてまいります。
    どうぞよろしくお願いいたします。

経営環境について

  • 電気事業を取り巻く環境は、大きな転換点にあります。
    「お客さま」の変化、「技術」の変化、そして、「社会」の変化に伴い、将来のエネルギー需給構造が大きく変わってまいります。
  • 例えば、お客さまが重視する価値を考えてみますと、品質や価格に加えて、環境・低炭素に対するニーズがどんどんと高まっています。
  • 技術の面では、太陽光発電などの再生可能エネルギーの活用にとどまらず、燃料電池といった「電気を作る技術」、リチウムイオン電池をはじめとする「電気を貯める技術」、更には電気自動車やヒートポンプのような「電気を使う技術」など、こうした技術のさらなるイノベーションや、普及・拡大が見込まれます。
  • 社会の面では、ヒトの移動、モノやカネ、そして情報の流通が世界規模で活発化し、新興国を中心として経済が大きく発展する一方で、わが国では社会の成熟化に伴って、産業構造の変化や少子高齢化が現実となりつつあります。
  • 私が最も大切にしたいのは、「変えるべきを変え、守るべきを守る」ということであります。
    「お客さま」、「社会」、そして「技術」が目まぐるしく「変化」する時代を迎え、私としては、変化を正しく認識し、お客さまの「期待」に応えて変えるべきを変えてまいります。
    あわせて、長年にわたりお付き合いを頂いているお客さまの「信頼」に応えて、誠実に「守るべきを守り」、お客さまの豊かな暮らしや地域の発展に貢献してまいります。
  • そこで、お客さまの「期待」と「信頼」に応えるための2つの抱負と特に重要な課題を1つお話しいたします。

「変えるべきを変え、エネルギー産業の中心企業」であり続ける

  • 最初の抱負として、「変えるべきを変え、エネルギー産業の中心企業であり続ける」という点についてお話いたします。
  • エネルギーが暮らしや産業の基盤であることは将来も変わらないはずです。しかし、エネルギーをどのように作るか、どのように使うかということは大きく変わっていくと推測します。
  • 特に、これからは、地球環境を守りながら効率的にエネルギーを利用することがとても重要視されると考えます。
    したがって、エネルギーセキュリティーや地球環境保全に優れている原子力や再生可能エネルギーを利用し、「低炭素」な「電気」を作り、お客さまにお届けすることが、不可欠になります。
  • 一方、エネルギーを消費する場面では、お客さまの電気のご使用法が、現在よりも高度化することが予想されます。
  • 例えば、
    ・「ヒートポンプ技術」や「電気加熱技術」の利用拡大とさらなる技術開発
    ・次世代型住宅のようにお客さまのご要望に沿って、電気の使い方を柔軟に制御できるシステムの開発
    ・電気自動車の普及・拡大とさらなる進化
    など、お客さまの電気のご利用形態が変化し、さらに広がると考えます。
  • また、産業用・業務用のお客さまを中心に、コスト削減や環境負荷低減などの観点から、電気を中心としたエネルギーの最適な組み合わせや効率的な運用方法、熱源システムに関するご要望も年々高まっていくと考えます。
  • そうした中で、当社は、常にお客さまの変化を感じ取り、「お客さまの豊かな暮らしのために電気ができること」を考え、新たな視点でサービスをお届けしてまいります。
    そのために、前例にとらわれることなく、変えるべきを変え、常に創意工夫に努め、お客さまや社会の「期待」に応えてまいります。

(新たな事業領域、国際エネルギー事業)

  • 電気やエネルギーに関する事業は、何世代にもわたる時間軸の長い取り組みです。
    現在、私たちが得ている成果は、先輩方が蒔いた種が、長い年月の後に実を結んだものです。
    私たちも、先輩方がおこなってきたように、次の世代のために、そしてさらに先の世代のために成長の種を蒔いていくことが必要です。
  • こうした観点から、中部地域のエネルギーを担う責任ある企業として、これまで培ってきた技術力をはじめとした豊富な経営資源を活かして新たな事業領域にも積極的に挑戦し、グループの総合力の全てを結集して収益力の向上を実現してまいります。
    そして、「エネルギー産業の中心企業」として持続的に発展する会社を目指してまいります。
  • なかでも、これまで事業の基礎固めを行ってきた「海外エネルギー事業」については、電気事業、ガス・LNG販売事業、オンサイトエネルギーサービス事業などに続く、新たな収益源として、一層発展させてまいります。
  • 具体的には、2015年度(平成27年度)を目途に、累計で1千億円程度まで投資を進めるという目安を設けております。
    特に、アジア・北米・中東を重点地域としまして、「発電事業」および「環境関連事業」を対象に、事業の効率性やリスク管理に十分配慮しながら、積極的な展開を図ってまいります。
  • 電気事業を通じて地域の発展に貢献したいという当社の思いは、国内外を問わず同じであります。
    国内で培った電気事業のノウハウを活用し海外事業を展開することで、それらの国々の発展に貢献していきたいと考えております。

守るべきは守り地域の発展や暮らしを支え続ける

  • 2点目の抱負は、「守るべきは守り、地域の発展や暮らしを支え続ける」という当社の公益的使命についてです。
  • 太陽光発電や電気自動車など、将来の「電気」の作り方・使われ方は、さまざまに変化することが予想されます。
    未来社会において、どのような作り方・使われ方が登場しても、当社は、これまでと同様に、当社の発電所や電力ネットワークを用いて、電力供給の基盤をしっかりと支えてまいります。
  • 「安全で安価、かつ環境負荷の低いエネルギーを安定的に供給し、人々の暮らしと地域の発展を支える」という公益的使命の完遂はまさに社是というべきものであり、当社の社会的責任そのものであります。
  • 私は、例えば、
    ・365日設備の巡視点検を確実に実施すること
    ・24時間昼夜を問わず安定した電気を発電し続けること
    ・自然災害などで停電が発生した際に復旧に全力を尽くすこと、
    そして、何よりも、
    ・お客さまからの様々なご要望にお応えすること、
    など、これまで大切にしてきた仕事の土台をこれからも守り続けていきます。
  • 毎日の各職場でのあらゆる仕事の結果こそが、社会やお客さまからの信頼を得る源泉であると考えます。
    「信頼」なくしては当社の事業を遂行していくことは不可能であります。
    お客さまからの「信頼」を守り、育て、将来に向けてしっかりと引き継いでまいります。

原子力発電の推進

  • 当社にとって、変わらない使命を果たすための特に重要な課題は、「原子力発電を推進すること」であります。
  • エネルギーを安定供給し、地球環境を保全するためには、原子力はわが国にとって欠くことのできない重要な電源であり、広く社会の皆さまにご理解いただけるようしっかりとご説明してまいります。
  • そして、今後も安全を最優先として浜岡原子力発電所の運営に努めるとともに、プルサーマル計画やリプレース計画等について地元のご理解をいただきながら、着実に進めてまいります。
  • さらには、長期的な視点から新たな自社開発に向けてたゆみなく取り組んでまいります。

(長期経営ビジョンの策定)

  • 「お客さま」、「技術」、そして「社会」が変化する時代のなかで、当社は将来進むべき方向性を明確に示し、ステークホルダーの皆さまにお知らせしていく必要があると考えております。
    このため、私は今年度末を目途に、じっくりと腰を据えて、2030年頃(平成42年頃)を見据えた新たな長期経営ビジョンの策定に取り組むことといたしました。
    20年先の超長期を見通すことは、難しいことでありますが、お客さまや社会の変化を認識し、経営の方向性を示す新たな試みといたしたいと考えております。

「変えるべきを変え、守るべきを守る」を実践するために

  • 最後に、「変えるべきを変え、守るべきを守る」ことを実践し、これまでお話しした抱負を実現し、そして課題を達成するために、私が社長として心掛けていきたいことをお話しいたします。
  • それは、「現場力」を一段と高める努力を続け、進化させることであります。
  • これからは、「お客さま」、「技術」、「社会」が大きく変わっていきます。
    私たちは、アンテナを高くし、変化の兆しをすばやく捉え、お客さまの期待と信頼に応えていかねばなりません。
    そのためには、仕事を実践している「現場」において、一人ひとりが自ら考え、判断し、実行する「自律性」が重要になります。
  • 従業員が、自ら考え、汗をかいて、変化をくみ取るとともに、自律的に判断して工夫・改善を重ねていってほしいと考えております。
    同時に、困難な状況に直面した場合でも、創意工夫で乗り越えていくことのできる「仕事のプロフェッショナル」を目指していきたいと思います。
  • 私としては、「プロフェショナル」が、「チームワーク」のもとに知恵や経験を結集し、共に働くことによって、一人ではなしえない大きな力を発揮する、そんな姿に「現場力」を進化させたいと考えます。
  • 一つのゴールに向かって、従業員一人ひとりが「個性」を十分に発揮するとともに、チームワークのもとに多様な個性が輝き、そして、組織全体が「躍動感」に溢れているような会社を目指してまいります。
    そして、そのための環境づくりに全力を尽くしてまいります。
  • 最後に、私の目指す企業像についてお話しいたします。
  • 当社の使命は、「総合エネルギーサービス企業グループ」として、「エネルギーを安定的に供給し続けること」、そして「エネルギーを通じてお客さまに幸福な暮らしをお届けすること」であります。
  • 「お客さま」、「技術」、そして「社会」の変化をしっかりとくみ取り、一人一人が汗をかいて、さらには全従業員の力を集め、社会やお客さまの期待に応えていきたいと考えています。
  • そして、いつの時代であっても、
    「お客さまの信頼に応えて暮らしを支え、お客さまの期待に応えて変化する企業」
    を目指して、全員で一歩前へと歩み続けてまいります。
  • 社長就任にあたっての私の考えを述べさせていただきました。
  • 皆さま方には引き続き当社をご支援いただくとともに、よろしくご指導賜りますようお願い申し上げます。

私からは以上であります。



以上

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