定例記者会見

定例記者会見

2012年2月度定例記者会見

2012年02月28日
中部電力株式会社

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  • 本日、私からは、
  • 地域防災力を向上させるための名古屋大学減災連携研究センター寄付研究部門への寄付
  • 燃料トレーディング機能のシンガポール移転

の2点について、お話しいたします。

名古屋大学減災連携研究センター寄付研究部門への寄付

  • はじめに、名古屋大学減災連携研究センター寄付研究部門への寄付についてお話しいたします。資料1をご覧ください。
  • 当社は、国立大学法人名古屋大学に、「名古屋大学減災連携研究センター」における寄付研究部門設置のための、寄付を行うことといたしました。
  • 研究部門の名称は「エネルギー防災寄付研究部門」であり、寄付金の総額は1億8千5百万円、設置期間は本年4月から2017年3月までの5年間となります。
  • このたび名古屋大学が、新たに設置される寄付研究部門は、エネルギーの安定・安全な供給を通して地域防災力の向上に資することを目的としており、中部地域のライフラインを担う当社としても、その趣旨に賛同し、エネルギー防災の重要性を考慮し、寄付を行うこととしたものです。
  • 具体的な研究テーマは、例えば、
  • 地震や津波の規模や被害の想定
  • エネルギー設備の事前対策や早期復旧対策の研究 など

であると伺っております。そこで、当社からも研究テーマに沿った社内の専門家2名を出向させて、研究の進展に貢献してまいります。

  • 当社といたしましては、今後もエネルギーの安定・安全な供給を通して地域防災力の向上に積極的に協力してまいりたいと考えております。

(当社設備の災害対策)

  • さて、当社はこれまで、東海・東南海・南海地震の同時発生をはじめとした大規模地震対策や、危機管理体制の整備を進めてまいりました。
  • 浜岡原子力発電所の地震や津波への対策はもちろんですが、火力や水力の電源設備、送電や配電の流通設備についても大規模地震・津波対策に取り組んでおります。
  • 本日は、この場をお借りして、当社の大規模地震・津波に対する備えについて、考え方をお話いたします。
  • 資料1の別紙「大規模地震・津波対策における設計の考え方」をご覧ください。
  • 大規模地震や津波に対しては、大きく3つの対策が必要であると考えております。
  • 具体的には、
  • 設備の主要機能を維持し、運転継続あるいは公衆保安を確保するために、事前の設備対策を実施する「事前対策」
  • 発生直後の初動対応として、安全を確保し、火災や電気災害などの二次災害を防ぐためのシステムや、防災要員の確保を行う「発生中対策」
  • 被害を最小限に食い止め、事業継続を可能とするために必要な 復旧計画、予備品や資機材を確保する「事後対策」

の3つの対策であります。

  • 特に大規模地震や津波に対しては、「事前対策」を越える事態が発生したとしても、「発生中対策」や「事後対策」によって対応できる備えを、あらかじめきちんとしておくことが重要であると考えております。
  • 当社の原子力設備の地震や津波に対する対策の状況は、既に皆様もご承知の通りですが、火力、水力、流通の各設備についても、様々な取り組みを進めております。

(火力設備)

  • 本日は、火力設備を例に挙げてご説明いたします。
  • まず「事前対策」としては、これまでも公衆保安の観点から、地震の揺れや液状化に対応するため、建屋や取放水設備などの対策を実施してまいりました。
  • 現在は、主要設備が、万が一、「機能しなくなる」ことがないように更なる設備強化を進めております。
  • 例えば、碧南火力発電所では、液状化を抑制するために、取水槽の地盤の強化工事を、昨年10月から行っており、また、石炭コンベアの耐震向上工事の設計検討を進めております。
  • 次に、「発生中対策」の取り組みについてご紹介いたします。
  • 当社は、火力設備の「発生中対策」として、従来から
  • 油やガス漏れの検知器の設置
  • 緊急遮断弁による燃料の漏えい・拡散を防止する対策
  • 火災延焼防止のための防火・消火設備の設置

などを実施してまいりました。

  • 現在は、更に地震や津波による二次災害への対応を進めております。
  • 例えば、地震発生時、設備の早期復旧をより確実にするために、現在地下に埋設している防火・消火配管を、地上に設置する工事を、碧南火力発電所において昨年11月から開始しております。今後は、対策が必要となるすべての発電所に順次設置してまいります。
  • また、津波被害が予想される尾鷲三田火力発電所では、燃料の拡散を可能な限り防ぐために
  • 給油の際に油タンクと船をつなぐラインを複数同時に閉止できる回路の設置
  • 津波の到来時に速やかに燃料船を桟橋から離すための設備工事

などを検討しております。

  • 最後に、「事後対策」の取り組みをご紹介いたします。発災後、速やかにお客さまに電気をお届けするためにはあらかじめ復旧計画を用意し、体制や段取りを整備しておくことが大切です。
  • 当社は、早期復旧のために、これまでも
  • 発電に必要な主要設備が、発災後、確実かつ安全に起動するためのマニュアルの整備
  • 壊れた設備を速やかに取り替えるための予備品や資機材の確保

などを行ってまいりました。

  • 現在は、さらに地震や津波にも速やかに対応するために、予備品や資機材の対象を拡大して、より充実することを検討しております。

(流通設備)

  • お客さまに電気をお届けするためには、火力などの電源設備だけではなく、送電や配電などの流通設備が必要となります。流通設備の防災対策の状況についても、ひとことお話いたします。
  • 当社は、これまでにも
  • 液状化が懸念される地域に建設する変電所の地盤強化
  • 供給力の早期復旧に向けた、移動用変電設備の増強 など

に取り組んでまいりました。

  • また、東北地方太平洋沖地震による流通設備の被害状況を踏まえて、国の総合資源エネルギー調査会(経済産業大臣の諮問機関)のもとに専門のワーキングループが設置され、評価・検討が進められております。
  • 当社としては、国の検討結果を踏まえながら、引き続き適切に取り組んでまいりたいと考えております。

(まとめ)

  • 今後は、東日本大震災を踏まえて、中央防災会議による南海トラフの巨大地震の見直しを始め、新たな知見が得られると考えます。
  • 当社としては、それらの新たな知見や基準を、対策に適切に反映して、より強い防災力を構築してまいります。

資料1

燃料トレーディング機能のシンガポール移転について

  • 2点目は、石炭調達機能のさらなる強化に向けた、燃料トレーディング機能のシンガポール移転について、お話いたします。資料2をご覧ください。
  • 当社は、EDFトレーディング社との業務提携の下で推進する燃料トレーディング事業のさらなる発展に向け、当社子会社である中電エネルギートレーディング株式会社が保有するトレーディング機能を、シンガポールに移転することといたしました。
  • 当社は既に、当社の石炭所要量全量の取り扱いをCET社に一元化しておりますが、本年4月以降は、新たにシンガポールに設立した当社子会社にこの役割を継承させる予定です。
  • シンガポールはアジアの石炭トレーディングの中心地であり、同国にトレーディング実施拠点を移転することにより、豊富な石炭取引情報へのアクセスやスキルを有する人材の確保などを通じて、当社の石炭需要に合わせた、より適時適切な取引が実施できるようになると考えています。
  • 当社は、石炭のトレーディング機能の強化・拡充を通じて、燃料調達の安定性・柔軟性・経済性を向上させるとともに、電力の安定かつ低廉な供給をより強固なものにしてまいります。
  • 私からは以上であります。 

資料2



以上

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