定例記者会見

定例記者会見

2012年3月度定例記者会見 水野社長挨拶

2012年03月27日
中部電力株式会社

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  • はじめに、この冬の電力利用につきまして、ご家庭のお客さま、および企業のみなさまに、節電に多大なるご協力を賜り、誠にありがとうございました。
  • 昨年の夏に引き続き、この冬においても電力需給の厳しい状況が続きましたが、ご家庭のお客さまの日々の節電や、企業のお客さまの生産プロセス等における節電のご協力のおかげで、現在までのところ安定的に電気をお届けすることができました。
  • 改めまして、お客さまのご協力に、深く感謝申し上げ、厚く御礼申し上げます。
  • 本日、私からは、
  • 経営の目指すもの

について、お話しいたします。

経営の目指すもの

(はじめに)

  • 平成24年度「経営の目指すもの」の概要についてお話しいたします。添付資料1「平成24年度『経営の目指すもの』概要」をご覧ください。
  • この「経営の目指すもの」は、中期的に中部電力グループが目指すべき方向性と、その実現に向けた具体的な施策などをとりまとめて、毎年、広く皆さまにお知らせしているものであります。
  • このたび策定した「経営の目指すもの」では、東日本大震災や東京電力株式会社の福島第一原子力発電所の事故、当社の浜岡原子力発電所の運転停止など、昨今の経営環境の変化を踏まえ、今後、当社グループが取り組むべき施策を中心に取りまとめております。

(今後の電力供給のあり方)

  • 震災以降、電気事業を取り巻く環境は大きく変わっておりますが、当社グループが果たしてきた「お客さまに、安全で安価なエネルギーを安定してお届けする」という電気事業者としての使命は変わるものではありません。
  • 今後も、この使命を果たしていくためには、原子力、火力、再生可能エネルギーなどの多様な電源をバランスよく組み合わせていく必要があります。
  • 特に、資源に乏しい我が国において、化石燃料価格の高騰や地球温暖化という課題に対処し、将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには、原子力発電を引き続き重要な電源として活用することが不可欠であると考えております。

(3つの重点的な取り組み)

  • このため、当社は、浜岡原子力発電所において、立地地域の皆さまをはじめ広く社会の皆さまにご安心いただけるよう、安全性をより一層高めてまいります。
  • また、浜岡原子力発電所の運転停止中は、電力の安定供給を確保する取り組みが必要となるとともに、燃料費が増大し、極めて厳しい状況が継続することとなります。
  • こうした経営環境を踏まえ、このたびの「経営の目指すもの」では、当社が取り組むべき施策として、
  • 「浜岡原子力発電所の安全性をより一層高める取り組み」
  • 「電力の安定供給に向けた取り組み」
  • 「経営効率化に向けた取り組み」

を、「3つの重点的な取り組み」と位置づけ、全力で実施してまいります。

(浜岡原子力発電所の安全性をより一層高める取り組み)

  • 「3つの重点的な取り組み」のうち、まず「浜岡原子力発電所の安全性をより一層高める取り組み」として、現在、工事中である防波壁の設置をはじめとした津波対策を着実に進めるとともに、今後も、安全性をより一層高めるため、新たな知見に対して、必要な対策を適切に講じてまいります。
  • また、これらのハード面の対策に加え、ソフト面の対策として、防災対策の強化を図ってまいります。
  • 具体的には、グループ会社も含めた当社の防災体制を強化するとともに、災害発生時に一体となった対策がとれるよう国・自治体との連携強化を図ってまいります。

(電力の安定供給に向けた取り組み)

  • 次に「電力の安定供給に向けた取り組み」として、まず、浜岡原子力発電所の運転停止中における需給対策に、全力で取り組んでまいります。
  • 平成24年度夏季の需給について、最大電力の需要想定は、3月末までの節電期間の実績を踏まえて節電効果を精査する必要がありますので、現時点ではお示しすることはできない状況です。
  • 一方、供給可能な能力は、火力機の定期点検時期の変更などを引き続き行うとともに、上越火力発電所1-1号の営業運転を開始することにより、2,810万kW程度まで高めてまいります。これは、震災前の平成22年度の最大電力実績に対して7%程度、震災後に100万kW程度の節電にご協力いただいた平成23年度の最大電力実績に対して12%程度の供給予備率を確保できる供給力に相当します。
  • 供給力の確保に加えて、発電所および関連する送変電設備等の重点的な点検・保守や燃料調達を確実に実施することで、安定供給に万全を期してまいります。
  • これらの取り組みにより、当社は、社会的影響の大きい一律的な節電のお願いや、平成23年度に実施いただいた業界単位での大幅な操業調整のお願いは避けてまいります。
  • また、当社は、電力の安全・安定的なお届けのため、中・長期的な観点からの取り組みも進めてまいります。
  • まず、他社原子力発電所の建設工程が遅延することを踏まえ、将来の供給力確保を図るとともに、燃料消費量およびCO2排出量の削減を目指し、現在着工準備中である西名古屋火力発電所7号系列について、営業運転の開始時期を平成31年度から平成29年度に前倒ししてまいります。
  • また、低炭素社会の実現を目指し、再生可能エネルギーの導入促進ついて、徳山水力発電所の開発を着実に進めるとともに、メガソーラー発電や風力発電、中小水力発電の開発にグループ会社と一体となって取り組んでまいります。

(電力供給計画の届け出について)

  • なお、本日、当社は、これらの電力の安定供給に向けた取り組みを反映した「平成24年度電力供給計画」について、経済産業大臣に届出を行っております。
  • 現在、当社は、浜岡原子力発電所の津波対策工事を、平成24年12月の完了を目標に進めておりますが、今後の浜岡原子力発電所の運転再開時期および他社原子力発電所からの受電などを見通すことができない状況にあります。
  • また、先ほどご説明したとおり、平成24年度夏季の需要想定も、現時点ではお示しすることができない状況です。
  • このため、「平成24年度電力供給計画」は、原子力発電所に関する計画および需給バランスを「未定」として届出を行いました。
  • ただし、平成24年度は、全国的に厳しい需給状況を予想されることから、当社は、中部地域のみならず、全国的な安定供給のため、余力の範囲内で他社への応援融通等を検討してまいります。

(経営効率化に向けた取り組み)

  • 「3つの重点的な取り組み」の「経営効率化に向けた取り組み」については、原子力発電を代替するための火力燃料費の大幅な増加などにより、収支が当面厳しい状況となることを踏まえ、最大限の経営効率化を行い、その改善に努めてまいります。
  • 具体的には、設備面において、高効率コンバインドサイクル発電の導入などによる燃料費の削減とともに、点検項目の厳選や新たな補修方法の開発など、点検・保守方法の合理化による補修費用の削減に取り組んでまいります。
  • また、業務運営における効率化にも積極的に取り組み、高い労働生産性を、維持、向上してまいります。

(中部電力グループ経営ビジョン2030「目指す姿」)

  • これらの「3つの重点的な取り組み」とともに、平成23年2月に「中部電力グループ経営ビジョン2030」として策定した2030年における「目指す姿」の実現に向けても、経営環境の変化を踏まえながら、着実に取り組みを進めてまいります。
  • このたびの「経営の目指すもの」では、「目指す姿」の実現に向けた取り組みのうち、震災以降、特に重要性が増していると考えられる施策、
  • 再生可能エネルギーの推進
  • 燃料調達における安定性・経済性・柔軟性の向上
  • 次世代ネットワークの構築
  • 「エネルギーサービスNO.1企業グループ」の実現
  • 大規模災害発生時における事業継続への取り組み

について、とりまとめております。

(まとめ)

  • 当社グループは、今後とも、電気事業者としての使命を果たすとともに、皆さまに「安心」をお届けできる良き企業市民としての社会的責任を完遂することで、お客さまや地域の皆さまをはじめ、株主・投資家、取引先など各方面の方々の信頼とご期待にお応えしてまいります。
  • 私からは以上であります。

資料



以上

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