定例記者会見

定例記者会見

2012年12月度定例記者会見 水野社長挨拶

2012年12月20日
中部電力株式会社

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  • さて、本日、私からは、
  • 浜岡原子力発電所における津波対策の強化
  • シビアアクシデント対策の実施

以上の二点について、お話しいたします。

浜岡原子力発電所における津波対策の強化

  • 最初に、浜岡原子力発電所における津波対策の強化についてお話しいたします。資料1をご覧ください。
  • 当社は、今年8月に公表された内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」の第二次報告について、津波高などの推計に関するデータ提供を受け、内閣府の津波断層モデルを用いた津波のシミュレーションを行いました。
  • このシミュレーションにより、津波が浜岡原子力発電所に与える影響を評価いたしました。
  • かねてから、内閣府の推計を確認し、浜岡原子力発電所への津波の影響に関する評価を、12月を目途に進めると申し上げてまいりましたが、このたび評価結果がまとまったため、本日発表させていただくものです。

(当社の津波対策の考え方)

  • それでは、評価結果のご説明に入る前に、当社の津波対策の考え方について、改めてご説明いたします。
  • 資料1プレスリリース本文の1「当社の津波対策の考え方」をご覧ください。

【浸水防止対策1・浸水防止対策2】

  • 当社は、巨大津波に対して、防波壁などにより津波の侵入による敷地内の浸水を防ぎ、また、トンネルで海とつながっている取水槽などからの溢水による敷地内の浸水に対して、防水壁により原子炉機器の冷却に必要な海水取水ポンプを守ります。
  • この敷地内の浸水防止対策を、「浸水防止対策1」としております。
  • そして、建屋内の浸水防止対策により建屋内の安全上重要な設備の浸水を防ぐことで、すべての安全上重要な設備の機能を維持することを目指します。
  • さらに、巨大津波が防波壁などを越えて敷地内に侵入し、海水取水ポンプの機能を失ったとしても、防波壁などによる浸水量の抑制効果を可能な限り高めたうえで,防水構造の建屋内に設置する緊急時海水取水設備(EWS)により、冷却機能を確保します。
  • これに加えて、建屋内の浸水防止対策により建屋内の安全上重要な設備の浸水を防ぐことで,速やかにかつ確実に原子炉を冷温停止に導く考えです。
  • この建屋内の浸水防止対策と、緊急時海水取水設備(EWS)による冷却機能の確保を、「浸水防止対策1」としております。

【緊急時対策の強化】

  • また、全交流電源や海水冷却機能を喪失した場合においても、

(1)高台に設置するガスタービン発電機をはじめとする電源供給手段の多重化・多様化

(2)可搬式動力ポンプをはじめとする原子炉を冷やすための注水手段の多重化・多様化

(3)格納容器ベントの遠隔操作化をはじめとする除熱手段の多様化

など、複数の代替手段を講ずることで、冷やす機能を確保します。

  • これらの対策を「緊急時対策の強化」としております。

(内閣府公表を踏まえた「現状の津波対策」の評価)

  • それでは、津波が浜岡原子力発電所に与える影響評価の結果について、ご説明いたします。資料1別紙の1枚目、1(1)をご覧ください。
  • シミュレーションによって得られた津波の水位は、防波壁前面で、海抜14.7mから20.7mとなり、海抜18mの防波壁を敷地東側で越流しますが、防波壁の働きにより敷地内の浸水量は抑制されます。
  • 1(2)の図が示しますように、防波壁からの越流と取水槽などからの溢水により、3,4号機周辺の浸水は、深さ1mから3m程度(海抜7mから9mに相当)、5号機周辺の浸水は、深さ1mから6m程度(海抜9mから14mに相当)となります。
  • 1(3)をご覧ください。原子炉施設の冷却に必要な海水取水ポンプは浸水します。
  • しかしながら、
  • 建屋外壁扉などの耐圧性・防水性を強化して、建屋内の浸水を防止する対策
  • 防水構造建屋内のポンプにより海水冷却機能を確保する対策(緊急時海水取水設備:EWS)

によって、浜岡原子力発電所3~5号機が運転している状態においても、原子炉を速やかに冷温停止できることを確認しました。

(津波対策の強化)

  • 次に、津波対策強化の内容をご説明いたします。
  • 当社は最大クラスの巨大津波である内閣府の津波断層モデルによる津波に対しても、津波対策の考え方をさらに徹底して、「浸水防止対策1」および「浸水防止対策2」を強化することで、津波に対する安全性をより一層高めます。

【「浸水防止対策1」の強化】

  • 資料1別紙の2枚目、2(1)をご覧ください。
  • 敷地内への浸水防止効果を可能な限り高める観点から、防波壁を現在の海抜18mから海抜22mに嵩上げします。
  • これに伴い、海抜18mから20mの防波壁両端の盛土も、海抜22mから24mに嵩上げいたします。
  • また、海水取水ポンプエリアの防水壁を、現在の1.5mから3mに高くします。
  • これにより、内閣府モデルによる津波に対しては、防波壁からの越流がなくなり、敷地内の浸水は、取水槽などからの溢水によるもののみとなります。
  • この結果、3~5号機周辺の浸水の深さは、概ね1m以下で、最大でも2m以下にとどまります。
  • 海水取水ポンプ周辺の浸水の深さは、最大1.3m程度であり、高さ3mの防水壁によって海水取水ポンプの浸水防止機能も、確実に強化されます。

【「浸水防止対策2」の強化】

  • 2(2)をご覧ください。
  • 防波壁を越流する津波と取水槽などからの溢水により敷地内の浸水が増える場合に備えて、建屋内への浸水防止対策をより確実なものにいたします。
  • 今回実施したシミュレーションでは、津波が防波壁を越えて敷地内に浸入した場合、5号機の建屋周辺の最大浸水水位は、3,4号機に比べて5m程度高い結果となったことから、5号機の高所にある建屋開口部に、実用化の検討を進めてきた自動閉止装置を新たに設置いたします。
  • これら浸水防止対策の強化についても、現状の津波対策工事の完了目標としている来年12月を目途に進めてまいります。

(地震に対する安全性評価)

  • 続いて、地震に対する安全性評価の状況についてご説明いたします。
  • 資料1のプレスリリース本文に戻り、3枚目の4をご覧ください。
  • 内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」は、今年8月に第二次報告を行いましたが、強震断層モデルなどについて点検・評価し、必要に応じて修正するとしています。
  • 当社は、引き続き、検討会の検討状況を踏まえて、浜岡原子力発電所における地震動の評価および発電所への影響に関する評価を進めてまいります。

(使用済燃料乾式貯蔵施設)

  • なお、当社は使用済燃料乾式貯蔵施設を建設する計画を2008年12月に公表しておりますが、同施設についても地震動の評価を行ったうえで、設計を進めてまいります。

(まとめ)

  • 当社は、浜岡原子力発電所の津波対策の取組みを着実に進めて安全性をより一層向上させるとともに、その内容を丁寧にご説明することで、地元をはじめ社会の皆さまの安心につながるよう、全力で取り組んでまいります。

資料

シビアアクシデント対策の実施

  • 次に、シビアアクシデント対策の実施についてお話いたします。資料2をご覧ください。
  • 当社は、先ほどご説明した津波対策とは別に、継続的な設備の改善により安全性の一層の向上を目指す取組みとして、今回のシビアアクシデント対策の実施を決定しました。
  • 今年3月に、当時の原子力安全・保安院が公表した「福島第一原子力発電所事故の技術的知見について」を踏まえて、炉心が損傷するようなシビアアクシデントの発生を想定して、
  • 放射性物質の大規模な放出防止
  • 原子炉格納容器の破損防止

という観点から、対策を検討してまいりました。

  • その結果、フィルタベント設備や、代替注水設備などの対策を実施することといたしました。
  • これらの対策の工事期間は2~3年程度と見込んでおります。

(まとめ)

  • 当社は、浜岡原子力発電所の安全性をより一層向上させる取組みを着実に進めるとともに、その内容を丁寧にご説明することで、地元をはじめ社会の皆さまの安心につながるよう、全力で取り組んでまいります。
  • 私からは以上です。

資料



以上

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