定例記者会見

定例記者会見

2013年6月度 定例記者会見 水野社長挨拶

2013年06月26日
中部電力株式会社

記事をシェアする

  • 社長の水野でございます。
  • 本日の株主総会、また、その後の取締役会を経まして、私が社長を拝命いたしました。
  • 本日私からは、
  • フィルタベント設備の工事着手
  • 今夏の需給
  • 役付職の人事異動

の3点についてお話しいたします。

取り組むべき課題

  • 初めに、社長就任4年目を迎えるにあたって、私の考えを少しお話しいたします。
  • この3年間で、電気事業を取り巻く経営環境は大きく変わりました。
  • 現在、国において、
  • 電力の小売の全面自由化
  • 卸電力市場の活性化
  • 送配電の広域化・中立化

等を柱とする電力システム改革の検討が進められております。

  • 一方、当社は、浜岡原子力発電所の運転停止に伴う燃料費の増加等により、収支は大幅に悪化しております。
  • 当社の業績は、今期も赤字を見込んでおり、昨年度、一昨年度に引き続いて、3年連続の赤字は避けられず、極めて厳しい経営状況であると認識しております。
  • しかしながら、中部電力グループが創立より果たしてきた「お客さまに、安全で安価なエネルギーを安定して供給する」という電気事業者としての使命は、これまでといささかも変わるものではありません。
  • このため、当社は

「浜岡原子力発電所の安全性をより一層高める取り組み」、

「電力の安定供給に向けた取り組み」、

「経営効率化に向けた取り組み」

を「3つの重点的な取り組み」として位置づけ、全力で進めております。

  • 今後とも、電気事業者としての使命を果たすとともに、お客さまや地域の皆さまの声に真摯に耳を傾け、信頼とご期待にお応えし、「安心」をお届けできるよき企業市民として、社会的責任を果たしてまいります。

フィルタベント設備の工事着手

  • それでは、浜岡原子力発電所におけるフィルタベント設備の工事着手について、お話しいたします。
  • 当社は、炉心が損傷するようなシビアアクシデントの発生を想定して、
  • 放射性物質の大規模な放出防止
  • 原子炉格納容器の破損防止

という観点から、昨年12月にフィルタベント設備や、代替注水設備などの対策を決定いたしました。

  • その後、詳細設計、工事計画の検討を行ってきましたが、土木工事の一部に関して検討がまとまったことから、このたび、6月14日に浜岡原子力発電所4号機のフィルタベント設備の設置工事に着手いたしました。
  • また、浜岡原子力発電所3号機のフィルタベント設備の設置工事についても、6月27日に着手する予定です。
  • ここで、フィルタベント設備の概要についてご説明いたします。
  • フィルタベント設備は、万一炉心損傷が発生し、格納容器の圧力が高まった場合に、格納容器の破損を防止するために、格納容器内から放射性物質を含む気体を放出する必要があります。
  • このとき、格納容器内の気体をフィルタを通じて放出することにより、セシウムなどの粒子状の放射性物質の放出量を低減して、土地の汚染を防止するために設置するものです。
  • これにより、万一の炉心損傷時であっても、放出する粒子状の放射性物質を、千分の一以下に低減し、長期の土壌汚染への影響を緩和することができると考えております。
  • 続いて、フィルタベント設備の工事内容についてご説明いたします。
  • 資料1(浜岡原子力発電所4号機フィルタベント設備の概要)をご覧ください。
  • フィルタベント室は、耐震性の確保や被ばく防止対策、耐津波性を考慮して、4号機の原子炉建屋に近接した地下に設けます。
  • 地下の岩盤まで掘削工事を行い、水密構造の地下室であるフィルタベント室を設け、その床面にフィルタベント設備本体を設置いたします。
  • また、格納容器内の気体を放出(ベント)するための配管は、原子炉建屋内に新たに2ルート敷設します。
  • 具体的には、ドライウエルと呼ばれる格納容器の本体部分からと、サプレッションプールと呼ばれる冷却水を内蔵する円環状の容器の上部からの2ルートを設け、いずれか一方から気体を放出します。
  • 格納容器内の気体を放出(ベント)する際に開放する弁は、中央制御室から遠隔で操作できますが、操作用の電源が使用できない場合においても、運転員が現場で開くことができる設計としています。
  • 原子炉建屋からフィルタ本体までと、フィルタ本体から排気筒までは、トンネルを設け、地下で接続いたします。
  • また、排気筒の直下からのフィルタベント配管は、排気筒の外側に沿って敷設する計画であります。
  • 当社は、浜岡原子力発電所の安全性をより一層向上させる取り組みを着実に進めるとともに、その内容を丁寧にご説明することで、地元をはじめ社会の皆さまの安心につながるよう、全力で取り組んでまいります。

資料1

今夏の需給

  • 続きまして、この夏の電力需給についてお話をいたします。
  • 来週から7月に入り、いよいよ本格的な夏を迎えます。
  • 既にお知らせしておりますが、今夏の需給について簡単にご説明いたします。資料2「2013年度夏季の電力需給状況について」の「1.電力需給バランス」をご覧ください。

(電力需給バランス)

  • まず、この夏の最大電力ですが、
  • 最大3日平均電力では、2,504万kW(7月、8月)、
  • 今夏を2010年度並みの猛暑と見込み計算した1点最大電力は、2,585万kW(7月、8月)

と想定しております。

  • 供給力につきましては、上越火力発電所のタービンのトラブルに伴い、一部出力が低下したものの、上越火力発電所2-1号機の営業運転を、7月に始める予定ですので、8月の供給力は2,804万kWとなります。
  • この結果、予備率につきましては、最大3日平均電力に対し、安定供給の目安となる8%の予備率を確保できる見通しです。

(今夏の節電)

  • さて、この夏も、電力需給検証小委員会において、電力各社が報告した電力需給見通しに基づき、全国の電力需給について、検証されました。
  • その結果、国からは、沖縄電力管内を除く全国の皆さまに、数値目標を伴わない一般的な節電が要請されました。
  • お客さまにおかれましては、一昨年夏以来、長期にわたり、節電のご協力を賜り、深く感謝しております。
  • 当社といたしましては、この夏も、これまでと同様に無理のない範囲で節電の取り組みを継続していただきますよう改めてお願い申し上げます。
  • 資料3をご覧ください。今夏においても、当社はホームページに日々の需給情報等をお示しすることにより、お客さまの節電にお役立ていただけるよう、情報提供に努めてまいります。
  • 夏本番を迎えて、お客さまに安定して電気をお届けできるよう、発電所および送変電設備の重点的な点検・保守を確実に実施いたします。
  • その上で、お客さまに節電のご協力をいただきながら、融通を通して、需給ひっ迫が見込まれる地域の安定供給にも貢献してまいります。

資料

役付職の人事異動

  • 最後に、1月1日付の役付職異動について、お話しいたします。
  • 当社は、経営諸課題の達成に向けて、より適切な態勢を構築するために、1月1日付で役付職の人事異動を行います。資料4をご覧ください。
  • 本年度の役付職異動に当たっては、直面する経営課題の解決に向けて、継続的に取り組むために、即戦力の配置に努める等、組織力を維持することを重視した要員配置を図りました。
  • この結果、異動は、比較的小規模となり、昨年実績を178名下回る1,676名となりました。
  • また、組織の見直しについては、
  • 原子燃料サイクル事業に機動的に対応するため、現在、原子力部と燃料部に分かれている原子燃料サイクル関連業務の一元化を図る「原子燃料サイクル部」の設置
  • 2007(平成19)年から女性のキャリア形成や仕事と育児の両立の支援などを行ってきた「女性活躍推進室」を、「女性の活躍」を支援するだけではなく、障がい者や高年齢者も含めた「多様な人財の活躍」を支援する組織として発展的に改組した「多様な人財活躍支援室」の設置

等を行いました。

  • 当社は、現在、創立以来の極めて厳しい経営環境の中にありますが、新たな態勢のもと、私が先頭に立ち、全社一丸となって、この難局を乗り越えてまいります。
  • 私からは以上です。

資料4



以上

ページトップへ