定例記者会見

定例記者会見

2014年11月度定例記者会見 水野社長挨拶

2014年11月26日
中部電力株式会社

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  • まず、今月22日に発生した、長野県北部を震源とした地震により被災された皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。
  • 同時に、地震の影響で停電した地域のお客さまには、大変ご迷惑をおかけしましたことを、お詫び申し上げます。
  • 本日、私からは、
    • 廃止措置中の浜岡原子力発電所1号機を活用した国際貢献
    • 「中部電力原子力安全向上会議 アドバイザリーボード」の開催
    • 女性活躍推進に向けた取り組み

    の3点について、お話しいたします。

廃止措置中の浜岡原子力発電所1号機を活用した国際貢献

  • 初めに、「廃止措置中の浜岡原子力発電所1号機を活用した国際貢献」について、お話いたします。
  • 浜岡原子力発電所1、2号機は、2009年1月に運転を終了し、その年の11月より廃止措置段階に移行しております。
  • この廃止措置は2030年代中頃までの約30年間にわたり実施するもので、完了するまでの全期間を第1段階から第4段階に区分しています。
  • 現在は、第1段階の「解体工事準備期間」であり、「系統除染」、「施設の放射能状況調査」、「工事計画の検討」等の作業を実施しているところです。
  • 来年度からは、第2段階である「原子炉領域周辺設備解体撤去期間」に移り、原子炉本体を除くその周辺にある設備の解体を始める予定です。
  • 浜岡原子力発電所1、2号機の廃止は、商業用軽水型原子炉としては国内で初めての発電所であることから、当社は、廃止措置を安全に実施していくことと並行して、原子力発電所の長期間の安全運転技術および廃止措置技術の向上に資する調査研究を行うこととしました。 
  • 調査研究の項目は2つあり、一つは原子炉圧力容器や原子炉格納容器の機器・構造物の材料が、放射線によって、どの程度影響を受けているかの健全性を確認する『材料特性の変化』に関する研究で、もう一つは原子炉圧力容器内の放射能分布について実態把握する『放射能状況』に関する研究です。
  • この2つの調査研究には、原子炉圧力容器や格納容器の構造材を実際のプラントから取り出すことが必要となりますが、安全な運転に影響を与えるため、当社では、運転中の原子炉の構造材を採取したことはありません。
  • そのため従来は、『材料特性の変化』の調査については、監視用の試験ピースを用いて評価し、『放射能状況』の調査については実際の測定ではなく計算により評価を行ってきました。
  • 今回、当社は、廃止プラントだからこそできる調査研究として、浜岡原子力発電所1号機の原子炉から構造材を採取し、調査することとしました。
  • 調査研究用に構造材を採取する事例は、国内はもとより国際的にも数少ないことから、当社独自の調査研究に加え、『材料特性の変化』の調査については国際原子力機関(IAEA)が計画している国際プロジェクトに参画することとし、一方、『放射能状況』の調査については米国電力研究所(EPRI)と共同で実施することといたしました。

資料1

廃止措置中の浜岡原子力発電所1号機を活用した国際貢献について

(IAEAの国際プロジェクトへの参画)

  • まず、当社が参画することを決定した「IAEAの国際プロジェクト」について、ご説明します。
  • 世界各国で原子力発電所の廃止措置が進められていることを背景に、IAEAは廃止措置中の発電所を活用した、原子炉材料の健全性を評価するための国際プロジェクトを約4年かけて行う計画を進めています。
  • このプロジェクトは、原子炉圧力容器や炉内構造物および格納容器の構造材の材料特性が、運転によってどのように変化したかを把握する技術の向上を目的としており、原子力発電所を長期間、安全に運転するための貴重な知見を得るものであります。
  • IAEAは、世界各国の廃止措置が進んでいるプラントから採取する構造材の調査から得られるデータを収集し、 『材料特性の変化』に関する新しい知見を得る考えです。
  • 当社は浜岡原子力発電所1号機から採取する構造材から得られた調査結果をIAEAに提供することで、原子力発電所の運転保守管理技術の向上に貢献していきます。
  • IAEAはこのプロジェクトで得られた新しい知見を、原子力発電所を保有する国々へ水平展開することで、国際的な原子力発電所の長期的な運転に役立てる計画です。

(EPRIとの共同調査研究)

  • 続いて、米国電力研究所EPRIとの共同調査研究についてご説明します。
  • 原子炉の『放射能状況』は、通常、計算によって評価されており、実際のプラントの材料を用いた評価はほとんど確認されておりません。
  • 当社は、今月から、EPRIと共同で、浜岡原子力発電所1号機から採取する構造材を用いて『放射能状況』の研究調査を行うこととしました。
  • この研究により、原子炉圧力容器内の放射能分布について実態把握することに加え、採取した構造材による『放射能状況調査』の結果と従来行ってきた計算による評価を比較・分析することで、今後の放射能分布の評価方法の精度向上を図る予定です。 
  • 共同研究の成果は、浜岡原子力発電所1、2号機の解体工事や解体廃棄物の処理、処分計画に活用すると同時に、EPRIを通じて国内外の原子力発電所の廃止措置技術の向上にも展開できるものと考えております。
  • 当社は廃止措置中の浜岡原子力発電所1号機を積極的に有効活用することで、国内外の原子力発電所における 長期にわたる安全運転技術の発展および廃止措置技術の向上に寄与していく考えです  

「中部電力原子力安全向上会議アドバイザリーボード」の開催

  • 続きまして、「『中部電力原子力安全向上会議アドバイザリーボード』の開催」について、お話させていただきます。
  • 当社は、従来より原子力発電に伴うリスクの低減に取り組んでおりますが、安全性向上に向けた取り組みを更に強化する目的で、施策やスケジュールを「ロードマップ」として取りまとめ、今年6月に公表しております。
  • この「ロードマップ」に掲げた取り組みの一つとして、私をトップとする常設の経営会議である「原子力安全向上会議」と、社外の有識者の方々の知見を安全性向上に向けた取り組みに活用させていただくための「アドバイザリーボード」を 設置することとしておりました。  
  • 「原子力安全向上会議」についてはこれまで9月、11月に開催し、「アドバイザリーボード」については第1回目を12月1日に開催することとなりました。
  • 「アドバイザリーボード」のメンバーには、社外から、大学、産業界、危機管理および環境分野の有識者の皆さまにお願いしており、幅広い観点から、浜岡原子力発電所の安全性を高めるためのご意見をいただきたいと考えております。
  • 12月に開催する「アドバイザリーボード」では、これまでの「原子力安全向上会議」での議論を踏まえ、浜岡原子力発電所の安全性向上について、当社の取り組み全般に対してご意見をいただく予定です。ご意見の要旨については、当社ホームページでお知らせさせていただきます。
  • 当社は、今後とも「ロードマップ」に掲げた取り組みの一つひとつを実効性のある行動に移し、世界一、安全な 浜岡原子力発電所の実現を目指してまいります。

資料2

「中部電力原子力安全向上会議アドバイザリーボード」の開催について

女性活躍推進に向けた取り組み

  • 最後に、「女性活躍推進に向けた取り組み」について、お話しします。
  • 当社は、女性をはじめとしたダイバーシティの促進を経営上の課題と位置づけ、2007年に専任組織を設置して、積極的に取り組んできました。
  • その結果、女性役付職数は、専任組織設置以降、7年間で1.6倍に増加しているものの、役付職全体に占める割合は、1.8%に止まっており、未だ十分な状況にはありません。
  • 女性の育成を加速していくことは喫緊の課題であり、これをより効果的に進めるために、目標値を設定し取り組むこととしました。
  • 具体的には、「2020年度に女性役付職数を2014年度の2倍以上とすることを目指す」というものです。
  • 目標の達成に向け、女性社員を対象とした研修の強化に加え、女性社員の成長を加速するための業務付与や人事異動などを実施する予定であります。
  • 電力全面自由化など、電力業界の置かれている環境が変化する中、女性をはじめとして、その変化をチャンスと捉え、果敢にチャレンジする社員を育てていきたいと思います。
  • 私からは以上です。


以上

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