定例記者会見

定例記者会見

2015年5月度 定例記者会見 水野社長挨拶

2015年06月02日
中部電力株式会社

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  • 本日、私からは、
    • 海外省エネサポートサービスの開始
    • 浜岡原子力発電所の安全性向上対策の主要な工事の進捗状況
    • 原子力安全技術研究所の研究発表会

    について、お話しいたします。

海外省エネサポートサービスの開始

  • まず初めに、海外省エネサポートサービスの開始についてお話しいたします。
  • 当社は、電力小売り自由化が開始された2000年以降、自由化部門のお客さまを対象に、お客さまのニーズに合わせ、より効率的なエネルギーの利用方法に関するご提案を行ってまいりました。
  • お客さまからのエネルギーに関するニーズは、省エネ対策、環境対策から、電気・ガスを併用するトータルのエネルギーマネジメントまで幅広いものがあります。
  • 当社はお客さまに最大のメリットを享受していただけるよう、省エネに寄与する細かなアイデアを積み上げたご提案から、グループ会社のシーエナジーと協調し、オンサイト電源を含めたエネルギーミックスのご提案まで、お客さまのニーズ、ご予算に応じた提案を展開してまいりました。
  • 当社のソリューションサービスの主な特徴は、単なる最新設備への更新のご提案だけではなく、既存設備の運用改善や修繕に関するご提案を行うことにあり、これには、綿密な現場調査、計測によるデータ収集が非常に重要となります。
  • お客さまの生産工場や販売店舗での調査では、当社社員が出向いて、エネルギーを「必要な時、必要な場所で、必要な量」をお使いいただくという視点に立ち、消費電力や冷温水の流量、配管の表面温度などを計測、データ収集することで、「無駄にしているエネルギー」や「設備面での不具合箇所」などを特定します。
  • 収集した詳細なデータに基づいて省エネ提案を行い、お客さまに既存設備の運用改善や設備修繕を実施していただくことで、最大限の省エネ効果を引き出します。
  • モノづくりの高度化に伴い、お客さまの課題は多様化してきており、当社は課題を解決するために、お客さまの生産プロセスに深く踏み込み、生産性の向上と省エネを図る「開発一体型ソリューション」の展開を始めております。
  • この「開発一体型ソリューション」では、当社がお客さまと一体となって、生産ラインを作り込んでいきますが、これまでに輸送用機器関連のお客さまを中心に40件程度、採用していただいております。
  • 一例を挙げますと、自動車部品製造のお客さまから溶けた鉄の搬送用鍋の保温方法のご相談を受け、アークを使った保温装置を開発し、約75%の省エネを達成しました。
    この開発は、2013年度省エネ大賞資源エネルギー庁長官賞を受賞したものです。
  • 最近では、過去にソリューションサービスをご提案したお客さまから、海外の生産工場や販売店舗での省エネに関するご要望をいただくようになってきました。
  • このご要望の背景には、特に発展途上国では省エネ対策が国内ほど浸透していないこと、必要最小限の現地駐在員で運営しているため生産ラインの省エネまで手が回らないことなどが挙げられます。
  • 当社は、これまで国内で培った省エネノウハウや人材を活用することで、海外の生産工場や販売店舗の省エネ化についても、お役に立てられると考え、電力会社としては初となる、お客さまの海外拠点を対象とした省エネサポートサービスを新たに開始することとしました。
  • 海外でも国内と同様に、当社社員が海外の生産工場や販売店舗に出向き、設備面、運用面の調査を実施し、収集した詳細なデータに基づいて省エネについて提案していきます。
  • また、省エネの効果を「見える化」してお示しすることで、お客さまの海外拠点の現地スタッフの方々の、省エネ意識の向上にも寄与できると考えております。
  • 当社は、モノづくりが盛んな中部地域にいらっしゃる多くのお客さまにこれまで支えられ、発展してまいりました。
  • 国内でのソリューション活動に加え、海外省エネサポートサービスを展開することで、グローバルに活躍するお客さまのご要望にしっかりとお応えし、引き続き当社をお選びいただけるよう努めてまいります。

資料

主要工事の進捗状況

  • 次に、浜岡原子力発電所の安全性向上対策の工事の進捗状況について、お話しいたします。
  • 浜岡原子力発電所の安全性向上対策の工事については、4号機は2016年9月頃、3号機は2017年9月頃の完工を目指し順調に工事を進めておりますが、本日は3つの主要な工事の進捗状況について、簡単にご説明します。
  • まず、「津波を侵入させない」対策である防波壁についてお話しいたします。
  • 防波壁は、2011年11月に着工し、昨年12月には、計画している海抜22mの高さまでの構築を完了し、現在は基礎周辺の地盤改良工事や、腐食防止のための壁の表面を覆うコンクリートパネルの設置工事等を実施しております。防波壁から接続する改良盛土なども含めた工事の完了は今年度末頃を予定しております。
  • この防波壁はご案内のとおり、先月26日に、公益社団法人土木学会の「平成26年度土木学会賞 技術賞」を受賞いたしました。当社としては、初めての受賞です。
  • 当社にとって、大変光栄なことであるとともに、工事に関係する当社および、社外の関係者にとって、大きな励みになると感謝しております。
  • 続いて、「冷やす機能を確保し、重大事故に至らせない」対策のガスタービン発電機についてお話しいたします。
  • ガスタービン発電機は外部電源が停止した場合、原子炉を冷やし続ける設備に電気を送るための設備であり、2012年6月から工事に着手しております。
  • 今年4月には、海抜40mの高台にある発電機建屋内にガスタービン発電機本体6台(合計出力19,200kW)の据付を完了しました。現在は、燃料を移送するための配管工事、空調ダクトの据付工事などを実施しているところです。
  • 最後に、「放射性物質の放出を抑制する」対策のフィルタベントの設置工事についてお話しいたします。
  • フィルタベントは、万が一、格納容器内の圧力が異常に上昇した場合、その圧力を下げるために格納容器内の気体を放出する際、放射性物質を大幅に低減して排気する設備であります。
  • 4号機用のフィルタベントは2013年6月に着工し、今年3月にフィルタベント設備本体の据付を完了、現在、配管や配管サポートの据付工事を実施しているところであります。
  • 一方、3号機については、現在、フィルタベント設備本体を設置する部屋の構築工事や、原子炉建屋ならびに排気筒とフィルタベント間の配管トンネルの掘削工事を実施しております。
  • 3号機用のフィルタベント設備本体の据付は来年2月頃に予定しています。

原子力安全技術研究所の研究発表会の開催

  • 最後に、原子力安全技術研究所における、研究発表会の開催についてお話しいたします。
  • 当社は、浜岡原子力発電所の更なる安全性向上を目指して、2012年7月に浜岡原子力発電所構内に原子力安全技術研究所を設置し、発電所を活用した自社研究を行うとともに、大学・研究機関等からアイデアを募集する公募研究に取り組んでいます。
  • これまで、2013年度から2015年度の3年間で、34件の公募研究を採択しておりますが、幅広い研究分野において、成果を生み出しつつあります。
  • 今月13日には、昨年に引き続き、これまでの研究の成果や進捗について、地域の皆さまにご説明させていただく研究発表会を実施する予定であります。
  • 今回の発表会では、
    ハイフン2013年度に研究を開始し、2年間の研究期間を終了した一般公募件名10件の成果
    ハイフン2014年度に研究開始し、現在5年計画で取り組んでいる特定テーマ公募研究の中間報告
    ハイフン原子力安全技術研究所が実施している、浜岡1号機の廃材を活用した調査・研究の概要
    などについて、発表させていただく予定です。
  • 当社は、今後も引き続き、原子力安全に関する研究を全力で取り組んでまいります。
  • 私からは以上でございます。


以上

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