定例記者会見

定例記者会見

平成27年度決算発表記者会見 (兼2016(平成28)年4月度 定例記者会見 勝野社長挨拶)

2016年04月28日
中部電力株式会社

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  • 本日、私からは、
    • 平成27年度決算
    • 平成28年熊本地震
    • 浜岡原子力発電所の取り組み

    について、お話しいたします。

平成27年度決算

  • まず、連結売上高ですが、電気事業につきましては、暖冬影響や自動車関連の生産減などによる販売電力量の減少および燃料費調整額の減少などにより、電灯電力料が減少しました。
  • 一方、その他事業においてもエネルギー事業の売上が減少したことなどから、連結売上高は2兆8,540億円となり、前期に比べ 2,495億円の「減収」となりました。
  • 連結経常利益につきましては、電気事業における燃料価格の低下に伴う燃料費と燃料費調整額の期ずれ差益の拡大や、水力発電量の増加に伴う火力燃料費の減少などにより、2,556億円となり、前期に比べ1,954億円の「増益」となりました。
  • 次に、中部電力の個別決算でございます。
    売上高は、前期に比べ2,506億円減少し2兆6,483億円
    営業利益は、前期に比べ1,743億円向上し2,652億円
    経常利益は、前期に比べ1,917億円向上し2,336億円
    当期純利益は、前期に比べ1,298億円向上し1,572億円
    となりました。
  • 次に、平成28年度の業績見通しでございます。
  • 連結売上高につきましては、燃料費調整額の減少による収入減などにより、2兆6,200億円と減収を見込んでおります。
  • 連結経常利益につきましては、燃料価格の低下に伴う燃料費と燃料費調整額の期ずれ差益が縮小することなどから、1,300億円と減益を見込んでおります。
  • 最後に、配当についてでございます。
  • 当社は、電力の安全・安定的な供給に不可欠な設備の形成・運用のための投資を継続的に進めつつ、財務状況などを勘案したうえで、安定配当に努めていくことを基本としております。
  • 27年度は、経営効率化の進展により、燃料価格の急激な低下に伴う一時的な期ずれ差益を除いても、前期を上回る利益を確保することができました。
  • 27年度の期末配当金につきましては、これらの収支状況に加え、今後も最大限の経営効率化に努めていくことを前提に、電力の安全・安定的な供給に不可欠な設備の形成・運用のための投資を継続的に進めつつ、財務状況などを勘案し、1株につき15円を予定しております。
  • 28年度の配当金予想につきましては、今後も最大限の経営効率化に努めていくことを前提に、中長期的な財務状況や経営環境などを総合的に勘案し、1株につき年間30円といたしました。
  • 引き続き、全社を挙げて経営効率化を推進するとともに、お客さまや株主、社会の信頼と期待にお応えできるよう取り組んでまいります。

資料1

平成28年熊本地震

  • 次に、熊本地震についてお話しします。
  • この度の地震により、お亡くなりになられた方々に心よりお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
  • 地震により発生した熊本県各地の停電の早期復旧に向け、九州電力が全力で作業にあたるとともに、同社から応援要請を受けた電力各社が作業員および発電機車など車両の派遣を実施しております。
  • 当社も4月16日から車両および要員の派遣を開始し、4月19日からは、熊本県阿蘇地域において約230名体制で電力復旧の支援活動に努めております。
  • 当社は、これまで九州電力の指揮のもと、発電機車を活用し、停電の解消を図ってまいりました。
  • 地震によって被害を受けた送電設備の仮復旧工事が完了し、本日より系統電源からの送電が始まりました。
  • 当社といたしましては、被災された地域の皆さまが、一刻も早く元の生活に戻れるよう、引き続き最大限の支援を続けてまいりたいと考えております。

資料2

浜岡原子力発電所の取り組み

  • 続きまして、浜岡原子力発電所の取り組みについてお話しします。
  • 浜岡原子力発電所は運転を停止してから来月で5年が過ぎます。
  • 東日本大震災が発生して2か月足らずの平成23年5月6日、当時の内閣総理大臣から浜岡原子力発電所の運転停止要請を受け、4号機は5月13日、5号機は翌14日に運転を停止するとともに、3号機の運転再開を見送ることといたしました。
  • 当時のことを振り返りますと、水野当時社長のもと、経営層全員で、議論に議論を重ねたことが思い出されます。
  • 総理の要請は、福島第一原子力発電所の事故を契機に、社会に広がった原子力発電に対する不安を踏まえたご判断と理解するとともに、当社が取るべき対応について、あらゆる観点から議論しました。
  • 当社が原子力発電を長期的に活用していくためには、立地地域の皆さまをはじめとする、関係者の皆さまからの信頼が不可欠であるとの認識に立ち、運転を停止することを決断したのであります。
  • 苦渋の決断ではありましたが、当社が取り得る最善の判断であったと思います。
  • 本日は浜岡原子力発電所の停止以降、当社が全力を挙げて取り組んでおります、安全性向上対策工事、原子力災害対策の現状についてお話しします。
  • 先ず、ハード面の安全性向上対策工事ですが、先月末に東側、西側の盛土を含む防波壁が完成しました。
  • 現在は、
    • 海抜40mの高台に設置しました6台のガスタービン発電機の起動試験
    • フィルタベントについては4号機用の配管取付工事
    • 取水槽から水が溢れることを防ぐ防水壁の設置工事

    などを実施しているところであります。

  • 安全性向上対策工事は4号機については今年9月頃、3号機については来年9月頃に完工する予定です。
  • 一方、ソフト面の対策につきましては、今月15日に林経済産業大臣に報告しました取り組み内容の中から、主な内容を紹介します。
  • この報告書では、災害発生時の現場対応力などの事故収束活動と、発電所周辺地域における原子力災害対策の現状について記載しております。
  • 当社は、万が一、浜岡原子力発電所で事故が発生した場合に事故の早期収束を図るため、
    • 現場対応の体制面の整備
    • 教育・訓練の強化
    • 資機材の配備の充実

    などを進めております。

  • 体制面の整備では、事故時の初動段階から活動を開始する現場対応のスペシャリスト組織である「緊急時即応班」を平成26年7月に設置しました。
  • 緊急時即応班は、真っ先に現場へ駆けつけ初動対応を行うとともに、参集した緊急時対策要員を統率し現場対応にあたります。
  • 事故発生時の初動対応は、事故の拡大を防止する大きなポイントとなるため、24時間365日発電所内に常駐させる計画であります。
  • 緊急時即応班は普段から訓練を重ねることで、
    • 緊急時に最善の対応策を即断し、確実に実施する能力
    • がれき処理、可搬型設備の運転など、様々な現場に臨機に対応する能力

    など、迅速・的確な初動対応を行える高い技術力を維持します。

  • 緊急時即応班以外の、事故の早期収束を図るための対策としましては、
    • 浜岡原子力発電所の運転員を除く全所員約600名に緊急時対策要員としての役割を付与
    • 指揮者・現場要員・運転員といった役割に応じた教育
    • 特殊車両・重機を取り扱うための資格取得の推進

    などの対策を実施しております。

  • 事故の早期収束を図るには体制整備に加え、作業にあたる従業員個々人の技量向上を図り、維持し続けることが肝要であります。
  • 当社としては、今後、有事の際に適切に対応できるよう、従業員の訓練を重ねていく考えであります。
  • これまでお話しした当社独自の取り組みに加え、当社は原子力事業者が共同で設立した緊急事態支援組織や、他の原子力事業者との連携を進め、事故収束活動の更なる充実に努めてまいります。
  • 原子力災害対策として、浜岡原子力発電所内での対策と並行して整備する必要がある重要な対策が、発電所周辺地域における対策であります。
  • 発電所内で「事故を起こさない」、「起きても早期に収束させる」よう、万全な態勢を構築してまいりますが、万万が一にも、地域住民の皆さまに影響を与えるような災害に進展する場合に備え、その対策も構築することとしております。
  • 当社は、原子力災害が発生した場合、発電所周辺自治体、静岡県ならびに国に対して情報を適時・適切に伝達するとともに、オフサイトセンターへ当社社員を派遣し発電所の情報を提供することとなります。
  • また、住民避難が必要となった場合には、一時移転のための輸送、スクリーニング、モニタリングなど、迅速な避難に必要となる活動について、事業者として求められる役割を果たしてまいります。
  • 当社はこれまでも原子力事業者の責務として原子力災害対策について鋭意、整備を進めてまいりましたが、今後は従前以上に、周辺自治体、静岡県との連携を深めてまいります。
  • その上で、原子力災害対策の実効性を高められるよう、また、状況に合わせて臨機に対応できるよう、スクリーニングはじめ避難に必要となるスキルを、訓練を通じて向上させていく考えです。
  • 当社は、福島の事故と同様の事故を二度と起こさないとの固い決意のもと、「原子力の安全対策に終わりはない」との考えを徹底します。
  • 新規制基準への適応で満足することなく、浜岡原子力発電所の安全性をより一層高めるハード、ソフト両面の対策をやり続けるとともに、運転・保守の技術・技能についても、しっかり高めていくなど、浜岡の安全性向上を不断の努力で続けてまいります。
  • 冒頭にお話ししましたように、浜岡原子力発電所の運転を再開させていただくためには、立地地域のみなさまをはじめ社会のみなさまから改めてご信頼いただくことが不可欠でありますので、当社の取り組みについては、丁寧にご説明してまいりたいと思います。
  • 私からは以上であります。

資料3



以上

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