1999年度~2001年度の間、日本の国立環境研究所を中心に「生活環境中電磁界における小児の健康リスク評価に関する研究」がおこなわれました。

報告書では、「子ども部屋の平均磁界レベルが0.4μT(4mG)以上のみで小児白血病のリスクが有意に上昇するパターンを示す」とされており、この研究もマスコミなどで紹介され、大きな話題となりました。
また、2006年2月には、この研究結果が国際がん学会誌(International Journal of Cancer)に「日本における小児白血病と磁界:日本における小児白血病と居住環境の電力周波数磁界との症例-対照研究」として掲載されています。

研究方法

東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、北九州、福岡の大都市を含む18都府県に居住する小児を対象に、症例対照研究を実施。磁界曝露指標として、子ども部屋の1週間平均磁界レベルを用いた。

研究対象者数(注1)

  • 小児白血病:915人(症例数312人、対照数603人)
  • 小児脳腫瘍:154人(症例数55人、対照数99人)

    (注1)実際に調査への協力が得られた人数:調査の対象者総数に対する調査対象者数の比率(承諾率)は症例では43%~50%、対照では27%~29%となっています。

研究結果(概要)

  • 寝室の平均磁界レベルの小児白血病に対するリスクは0.4μT以上のみで上昇する傾向を示し、調整オッズ比は2.63(95%信頼区間:0.77-8.96)であった。急性リンパ性白血病(ALL)に限定すると、0.4μT以上でより大きなリスク上昇を示し、調整オッズ比は4.73(95%信頼区間:1.14-19.7)で有意であった。
  • 小児脳腫瘍についても、小児白血病の場合と同様、「寝室の磁界レベル」が0.3μT以上あるいは0.4μT以上でリスクが上昇する傾向が見られた。なお、症例数が白血病よりかなり少なく、誤差変動が白血病よりも大きい可能性がある。

本研究に対する文部科学省科学技術・学術審議会の評価(2003年1月28日公表)

この研究は、文部科学省科学技術振興調整費により実施されたものですが、研究終了後の2003年1月28日に文部科学省科学技術・学術審議会がおこなった評価では、

  • 本研究の結果が一般化できるとは判断できない。
  • 本研究結果により健康リスクの評価をおこなうのは不適切である。
  • 科学的価値は低く、科学的・技術的波及効果も期待できない。
  • 結果として優れた研究であるとは言えず極めて残念な結果に終わった。

などとされています。

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