磁界に対する各機関の見解を、公表年別にまとめています。
2001年
英国健康保護局(HPA)(旧英国放射線防護局(NRPB))
- 低周波電磁界とそのがんリスク
家庭内に存在する商用周波電磁界は一般にがんを誘発しない。
2002年
国際がん研究機関(IARC)
- 人の発がん性リスク評価に関するIARCモノグラフ
超低周波磁界について、グループ2B「発がん性があるかもしれない」に分類(注)。
| グループ | 評価 | 例 |
|---|---|---|
| グループ1 | 「発がん性がある」 | たばこ、アスベストなど |
| グループ2A | 「おそらく発がん性がある」 | PCB(ポリ塩化ビフェニル)、紫外線など |
| グループ2B | 「発がん性があるかもしれない」 | コーヒー、漬物など |
| グループ3 | 「発がん性を分類できない」 | コレステロール、お茶など |
| グループ4 | 「おそらく発がん性はない」 | カプロラクタム(ナイロンの原料) |
(注)2007年に世界保健機関(WHO)が公表した環境保健クライテリアNo.238およびファクトシートNo.322では、2002年以降の新しい科学論文を加味してもこの分類は変わらないとしたうえで、「全体として、証拠は因果関係と見なせるほど強いものではない」としています。
米国電気電子学会(IEEE)
- 0kHz~3kHzの電磁界への人体ばく露に関する安全レベルについてのIEEE規格
公衆へのばく露は9,040ミリガウス(904マイクロテスラ)以下(60Hzの場合)
2003年
電気学会(電磁界生体影響問題調査特別委員会)
- 電磁界の生体影響に関する現状評価と今後の課題 第II期報告書
現時点においても、第I期報告時の総合評価を変更するに足る報告や知見はない。
2007年
世界保健機関(WHO)
- 環境保健クライテリアNo.238「超低周波電磁界」
- ファクトシートNo.322「電磁界と公衆衛生 超低周波の電界および磁界へのばく露」
がんなどの疾病に関する科学的証拠は因果関係と見なせるほど強いものではない。
国際ガイドライン(注)を推奨する。
(注)ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)ガイドライン(1998年)およびIEEE規格(2002年)が示されています。
2008年
経済産業省 原子力安全・保安部会 電力安全小委員会
- 電力設備電磁界対策ワーキンググループ報告書
ICNIRPガイドラインに基づく制限値を採用すべき。
疫学研究で磁界ばく露と小児白血病のリスク増加との関連を示す限定的証拠は存在するが、その関連が因果関係と見なせるとは言えない。
今回のWHOの結論は、これまでにさまざまな国でおこなわれてきた健康評価活動の結論と何ら変わるものではない。
2010年
国際非電離放射線 防護委員会(ICNIRP)
- 時間変化する電界および磁界へのばく露制限に関するガイドライン(1Hzから100kHzまで)
- ファクトシート「時間変化する電界および磁界(1Hz-100kHz)へのばく露制限に関するガイドラインについて」
公衆への磁界ばく露は200マイクロテスラ(2,000ミリガウス)以下(50Hz、60Hzの場合)
2011年
経済産業省
- 省令「電気設備に関する技術基準」第27条の2
送配電線・変電所からの公衆への磁界レベルは200マイクロテスラ以下(50Hz、60Hzの場合)