原子力発電所の地震対策 原子炉建屋の安定性

原子力発電所の原子炉建屋は、重心の低い安定した形に設計しています。

原子炉建屋の構造

原子炉建屋は、「厚い壁を多く、規則正しく配置する」「基礎の面積を広く、厚くする」「屋根を軽く、重心を下げる」などの地震に強い構造にしています。
壁の厚さは約1.2m~約2m(原子炉建屋1階)あります。

重心が低く、構造に偏りのない建物は、非常に安定しています。
また、大型震動台を使って、重要な機器の耐震試験もおこなっています。

原子炉建屋のイメージ画像
原子炉建屋の平面図、断面図

原子力発電所の重要な建物・建築物は地震による揺れが小さくなる硬い岩盤の上に直接設置しています。
浜岡原子力発電所では、敷地面から約20メートル掘り下げ、「相良層」と呼ばれる岩盤に原子炉建屋を直接設置しています。
原子炉建屋は、原子炉室と補機室などを一体とした複合建屋方式を採用し、重心を下げるとともに、基礎を厚く(浜岡原子力発電所4号機では、厚さ6.5メートル)、広くして、ピラミッド型の安定性の高い構成としています。

また、地震力を受け持つ鉄筋コンクリートの厚い壁(浜岡原子力発電所4号機では、最大2メートル)をできるだけ多く規則的に配置した、地震力に強い剛強な構造にしています。

大型振動台での実証試験

原子力発電所の安全上重要な機器については、(財)原子力発電技術機構多度津工学試験所(当時)の世界最大級大型振動台で、設計で想定した地震よりも大きな力で揺らし、安全性を確認しています。

大型高性能振動台の主要性能

大型高性能振動台のイメージ画像
最大積載量 1,000トン
加震方式 水平垂直同時2軸
テーブル寸法 15m×15m
最大加速度 水平 2,670ガル(500トン荷重)
1,800ガル(1,000トン荷重)
垂直 1,330ガル(500トン荷重)
900ガル(1,000トン荷重)
実証施設 香川県仲多度郡多度津町西港町
(財)原子力発電技術機構多度津工学試験所
大型振動台設備。(1)計測制御装置、(2)振動台テーブル、(3)水平加振機(7基)、(4)垂直加振機(12基)、(5)耐力壁、(6)耐力床、(7)試験ピット、(8)天井クレーン(250トンかける2基)、(9)アキュムレーターユニット(36基)、(10)油圧ポンプ(13基)。

(財)原子力発電技術機構多度津工学試験所には、実際の地震のように揺らすことのできる大型の試験装置がありました。原子炉、原子炉格納容器など重要な機器・配管・システムを大型高性能振動台で加振し、想定した地震動でも安全であることを実証しています。

1982年から、(財)原子力発電技術機構の多度津工学試験所において、世界最大の大型振動台を活用して耐震信頼性実証試験をおこないました。(この大型振動台は、1,000トンのものを載せて、水平方向に最大1,800ガル、垂直方向に最大900ガルで、同時に揺らすことが可能)

原子炉格納容器などの安全上重要な機器類を対象に、実物大もしくは精密な相似模型をつくり、設計上想定している基準地震動(S1、S2)よりも大きな地震動で実際に揺らしても、何ら異常がないことが、それぞれの機器で実証されています。