原子力発電所の安全対策 放射性物質を閉じ込めるしくみ

放射性物質を閉じ込める多重の壁

原子力発電所では、原子炉の中で核分裂により発生する放射性物質を閉じ込めるために5重の壁があります。
燃料のウランはセラミック状の固いぺレットに焼き固められ(第1の壁)、丈夫な被覆管に密閉されています(第2の壁)。その外はさらに原子炉圧力容器(第3の壁)、格納容器(第4の壁)、原子炉建屋(第5の壁)で囲まれており、放射性物質を閉じ込め外へ出さないようにしています。

放射性物質を閉じ込める5重の壁(浜岡5号機)

第1の壁、ペレット(約10グラム)。ウランを陶器のように焼き固めたもの。核分裂によって発生した放射性物質はこのペレットの中に閉じ込められます。第2の壁、燃料被覆管。ペレットがジルカロイという丈夫な金属管に密封されています。ペレットから出てくる少量の放射性希ガスもこの中に閉じ込めます。第3の壁、原子炉圧力容器。厚さ約17センチの鋼鉄製の容器。万一、被覆管から放射性物質が漏れても、外へ出るのを防ぎます。第4の壁、原子炉格納容器。圧力容器をおさめる鉄筋コンクリート製(鋼製ライナー内張)の格納容器。圧力容器から出てきた放射性物質を閉じ込めて、周囲への影響を低く抑えます。第5の壁、原子炉建屋。厚いコンクリートの壁(約2メートル)。さらに放射性物質が出ることを防いでいます。

原子炉の性質

日本の原子炉(軽水炉)は、自己制御性を持っており、何かのはずみで出力が上昇しようとしても、減速材(水)の働きや、燃料自身がもっている性質により、自然にその上昇が抑えられ、一定の出力で安定するように設計されています。

原子炉の固有の安全性(自己制御性)

【図解】原子炉の固有の安全性(自己制御性)

出典:資源エネルギー庁「原子力2008」他
(「原子力・エネルギー」図面集2009)