プレスリリース バックナンバー(2006年)

電力系統制御用SMES(スメス)(超電導電力貯蔵システム)の実証試験の実施について

平成18年4月27日
中部電力株式会社

 当社は、このたび、SMES(超電導電力貯蔵システム)を実際の電力系統に連系させる実証試験を実施することとなりましたので、お知らせします。
 現在、当社は、雷などによる瞬間的な電圧低下の影響からお客さまの設備を守るための装置として、SMESをお客さまの施設内に設置して実証試験を行っており、落雷時には、設計どおり瞬間的に電力を放出する動作性能を確認しました。

 今回の電力系統制御用SMESは、電力の貯蔵と放出を随時、繰り返し行うことができるという特長があり、お客さまの急激な負荷変動などにより電力系統の電圧や周波数が変動する場合であっても、その影響を防止し、高品質な電気を安定的にお客さまのもとへお届けすることができます。
 今年度末から、古河電気工業株式会社殿の協力を得て、古河日光発電株式会社殿の細尾発電所(所在地:栃木県日光市)において、出力1万kWのSMESシステムを設置して、電力系統内の電気を広く安定させる性能を確認する実証試験を開始します。

今回の実証試験における検証内容


 工場試験では検証できない下記項目を検証・評価し、SMESトータルシステムとしての完成度を高めます。


  • ・2万回以上の繰り返し動作による耐久性・安定性の検証
  • ・想定外の変動に対する制御応答性、動作特性
  • ・故障検出、監視機能の検証
  • ・SMES動作時の電力ネットワークへの影響および効果

 なお、この実証試験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO(ネド))から受託※して進めている経済産業省資源エネルギー庁のプロジェクト「超電導電力ネットワーク制御技術開発」の一環として行うものです。このプロジェクトは、電力系統にSMESを連系させて電力系統制御機能を検証することを目標にしており、平成16年度から19年度までの4年間で実施します。

※当社のほか、九州電力株式会社、(財)国際超電導産業技術研究センターが参加している共同開発プロジェクト。

以上

<別紙>

超電導電力ネットワーク制御技術開発

1 プロジェクト概要

(1)開発目的

 SMESを用いた10万kW級電力ネットワーク制御システム技術を確立するために、要素技術開発およびシステムコーディネーション技術開発と並行して1万kW級(貯蔵エネルギー20MJ(メガジュール)※級)SMESを実際に製作し、検証する。
 特に、SMESトータルシステム性能は、工場での試験による要素機器毎の性能検証試験のみでなく、要素機器をシステムとして組合せ、その効果を実地で確認するために、実系統連系試験を行う。

※J(ジュール)=出力×時間(1秒間)で表される電力量

(2)実系統連系試験によるSMES性能検証

 SMESを実系統に接続し、2万回以上の負荷変動補償動作により、トータルシステムの性能検証を行う。実証試験は変動負荷を有する古河日光発電株式会社細尾発電所(栃木県日光市細尾町)にて実施する。



2 SMESの構成


図1 SMES設置場所



図2 SMES配置鳥瞰図



図3 SMES接続系統図



表1  今回製作する電力系統制御用SMES主要諸元


項目 諸元
変換機設備容量 1万kW
超電導コイル蓄積エネルギー 20 MJ
超電導コイル導体種別 金属系(NbTi)
運転温度 4K
運転電流 1350 A
運転電圧 1.1 kV
最大磁界 4.4 T


3 今回の実証試験における検証予定項目


試験項目 検証項目





SMES本体の基本性能 冷却特性、起動・停止、無負荷通電試験、漏洩磁界、保護性能、通電特性、遮断特性、効率等
制御応答性試験 ステップ応答試験正弦波制御応答試験
故障検出・監視機能 故障検出(コイル、電流リード、変換器ほか)機能を検証
系統影響評価試験 電圧変動、力率、高調波、フリッカ、不平衡、周波数変動
実負荷応答試験 実変動入力信号による2万回以上の実動作
(1000kW-10秒程度の繰り返し)

4 実証試験スケジュール



以上