プレスリリース バックナンバー(2006年)

別紙:浜岡1号機 高経年化に関する技術評価および長期保全計画の概要について

平成18年5月18日
中部電力株式会社

 浜岡原子力発電所1号機(昭和51年3月17日営業運転開始)は、平成18年3月に運転開始から30年を迎えるため、高経年化に関する技術評価および長期保全計画に関する報告書をとりまとめ、国の審査を受けてきました。本日、国から、当社の報告を妥当とする審査結果が公表されました。

1.高経年化対策について

 原子力発電所では、「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」に基づき、運転開始から30年を迎える前に高経年化に関する技術評価を行い、その評価結果に基づいて、今後10年間の長期保全計画を策定します。
 当社の浜岡1号機は、平成18年3月に運転開始から30年を経過しましたが、これに先立ち、平成18年1月31日に高経年化に関する技術評価および長期保全計画をとりまとめ、国に報告しました。
 報告書提出後、国による立入検査等が行われ、いくつかの指摘を受けました。当社は、指摘事項を含め報告書の内容全般の点検を行い、3月16日に変更報告書を提出しました。
 その後、再度国による立入検査等の審査が行われ、追加の指摘を受けました。当社は、これら指摘事項を踏まえて修正を行い、5月12日に補正書を提出しました。

【審査における指摘事項の例】

  • ・配管の減肉において、環境条件、取替実績、現在の管理手引での管理内容について具体性を持った記述とすること。
  • ・原子炉圧力容器の健全性評価および現状保全に関して、既往の予防保全対策の実施や環境改善の実績等を踏まえた記述とすること。

 それらに基づき、国において浜岡1号機の高経年化対策に関する総合的な審査が行われ、本日、技術評価および長期保全計画は妥当であるとの審査結果が公表されました。



2.技術評価の流れ

 高経年化に関する技術評価では、対象となる機器・構造物の長期的な健全性を評価し、現在実施している保全活動の有効性を確認します。
 これまでの知見に基づき経年劣化事象を抽出し、重要度分類のクラス1~3に属する設備を対象に、技術的見地から原子力発電所を60年間運転すると仮定した評価(経年劣化事象の評価と耐震安全性評価)を行い、高経年化対策について検討しました。
 経年劣化事象の評価では、解析・試験・研究などから得られた知見による経年劣化の評価結果と、日常点検などの現在実施している保全活動の評価結果とを組み合わせ、現在実施している保全活動の有効性を確認しました。
 耐震安全性評価では、耐震性に影響しうる経年劣化事象を加味した評価を行いました。



3.技術評価結果および長期保全計画

 技術評価の結果、現在実施している保全活動を継続していくことで、大部分の機器・構造物については、健全性が確保されることを確認しました。
 一部の機器については、より一層保全活動を充実する観点から、点検等を追加する項目が抽出され、これらを長期保全計画にとりまとめました。今後の保全活動の中で、これらの保全計画を適切に実施していきます。


【技術評価結果および長期保全計画の主要例】

分類 主な経年劣化事象 評価結果の概要 長期保全計画の概要
保全項目 実施時期※
容器 原子炉圧力容器(胴部)の中性子照射脆化 現状の監視試験結果に基づく温度管理と非破壊検査を継続することで、健全性が確保されると評価 炉内から取り出した試験片を再装荷し、今後の脆化予測に活用 中長期
原子炉圧力容器(ノズル等)の疲労 起動・停止時等の回数に基づく疲労を評価した結果、十分な余裕があるものと評価 運転実績に基づく再評価を定期的に実施 次回評価時
原子炉圧力容器(中性子計測ハウジング等)の応力腐食割れ 各種予防保全を実施し、検査等にて有意な欠陥の無いことを確認していることから応力腐食割れ発生の可能性は小さいと評価 炉底部にピーニングを実施するとともに、国の研究成果等を反映 短期および
中長期
熱交換器 原子炉冷却材浄化系非再生熱交換器胴体の腐食 内部流体が純水であり腐食の可能性は小さく、漏えい確認により健全性が確保されると評価 胴体について肉厚測定を実施 短期
ケーブル 絶縁特性の低下 代表的なケーブルに対する熱、放射線等を模擬した長期健全性試験の結果から、急激に絶縁特性が低下する可能性は小さいと評価 国の研究成果を踏まえた再評価を実施 短期
コンクリート
構造物
原子炉建屋の強度低下 通常運転時の温度、放射線量での強度の低下は小さく、これまでの強度測定の結果からも十分な強度があることを確認 点検周期を短縮し、非破壊検査にて妥当性を確認 短期
耐震 タービン系の一部の配管(炭素鋼配管や低合金鋼配管)の腐食 減肉条件が比較的厳しいタービン系の一部の配管における保守的な評価でも、肉厚測定を継続し、将来的に耐震上の評価を管理手法に追加することで、管理可能であることを確認 今後も肉厚測定を継続し、耐震上の評価を管理手法に追加 短期

※「実施時期」における「短期」は5年以内を、「中長期」は10年以内を、「次回評価時」は10年後を表します。

以上