プレスリリース バックナンバー(2006年)

参考:高経年化技術評価に関する経緯・用語解説

平成18年5月18日
中部電力株式会社

高経年化技術評価に関する経緯


平成8年 4月   国が「高経年化に関する基本的考え方」を公表
原子力発電所において、補修・取替が容易でない安全上重要な機器・構築物で、かつ長期的な経年劣化を考慮すべきものを対象に60年間の運転を仮定した評価を実施、また高経年化への具体的施策の展開時期を運転開始後30年目途に実施
平成11年 2月   日本原子力発電が敦賀1号機、東京電力が福島第一1号機、関西電力が美浜1号機の評価を行い、国に報告
平成13年 6月   関西電力が美浜2号機、東京電力が福島第一2号機の評価を行い、国に報告
平成15年 10月   国が「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」を改正し、高経年化対策の法令上の位置付けを明確化
  • ①運転開始以降30年を迎える前に技術的な評価及び長期保全計画策定の実施
  • ②10年を超えない期間ごとに再評価を実施
平成15年 12月   国が「軽水型原子力発電所の高経年化対策に関する当院への報告について」を公表。電気事業者に、評価完了後速やかに原子力安全・保安院へ報告を行うことと、定期検査終了毎に長期保全計画の実施状況の報告を行うことを指示
平成15年 12月   中国電力が島根1号機、関西電力が高浜1号機および同2号機、九州電力が玄海1号機の評価を行い、国に報告
平成16年 8月   美浜3号機蒸気配管破断事故が発生
平成16年 12月   国が美浜3号機蒸気配管破断事故を受け「高経年化対策検討委員会」を設置
平成17年 12月   国が高経年化対策検討委員会の最終報告を受け、「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」を改正。あわせて同規則に基づく国への報告の詳細について定めた「高経年化対策実施ガイドライン」を事業者宛てに通知

(1)実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則の改正の主な内容

  • ①技術評価対象の明確化
  • ②技術評価の実施及び長期保全計画策定並びに変更時の国への報告を規定
  • ③国への報告の記載事項の明確化
  • ④長期保全計画の実施状況についての国への報告を規定

(2)高経年化対策実施ガイドラインの主な内容

  • ①技術評価並びに長期保全計画の策定、再評価及び変更に当たっての要求事項の明確化
  • ②電気事業者から国へ報告した技術評価及び長期保全計画は、(独)原子力安全基盤機構(JNES)が技術的妥当性について確認、国はこの結果を踏まえて総合的な審査を実施
  • ③技術評価及び長期保全計画は、原子炉の運転を開始した日以降28年を経過した日から29年を経過する日までに国へ報告書を提出、また報告範囲は、重要度分類のクラス1,2並びにクラス3のうち高温・高圧(最高使用温度95℃を超え、又は最高使用圧力が1900kPaを超える環境)の機器・構築物と規定
平成18年 1月   東京電力が福島第一3号機の評価を行い、国に報告(同年3月に審査結果公表) 関西電力が美浜3号機の評価を行い、国に報告(審査中)
平成18年 1月   中部電力が浜岡1号機の評価を行い、国に報告(同年3月に変更報告書を提出、同年5月に審査結果公表)

用語解説

●重要度分類

 原子力発電所の安全機能を有する構築物、系統及び機器を、安全機能の重要度に応じ、それぞれクラス1、クラス2、クラス3に分類しています。
 安全機能確保の観点から、各クラスは、以下の要求を満足できるようにしています。


  要求事項 該当設備(例)
クラス1 合理的に達成し得る最高度の信頼性を確保し、かつ、維持すること。 炉心支持構造物、
制御棒及び制御棒駆動機構
クラス2 高度の信頼性を確保し、かつ、維持すること。 主蒸気系(隔離弁の外側)、
燃料取扱い設備
クラス3 一般の産業施設と同等以上の信頼性を確保し、かつ、維持すること。 計装配管
試料採取管


●脆化、照射脆化

 材料の変形において、材料の変形率が小さくなり、伸びや収縮率が低下することを脆化といいます。高エネルギーを持つ中性子などの放射線を金属材料に照射することにより発生する脆化を照射脆化といいます。



●応力腐食割れ

 「材料の性質」、「材料の使用環境」および「材料の内部に加わる力」の3つが特定の条件で重なった時に、材料に発生するひび割れを応力腐食割れといいます。



●疲労

 繰り返し加わる力により、材料が損傷する現象を疲労といいます。



(参考)原子力発電所の運転期間(寿命)について

 日本の原子力発電所では、法律で定められている寿命というものはなく、特定の設計寿命は設定していません。機器は劣化するものという前提のもとに、定期的に機器の点検・修理・取替えを行い、常に健全な状態に維持管理しています。また、取替えが困難な原子炉圧力容器などの機器については、高経年化に関する技術評価の中でその健全性を確認していきます。
 このため、運転開始から長期間を経過した原子力発電所においても、運転開始後30年を迎える前に、高経年化に関する技術評価を行い、その評価結果に基づいて長期的な保全計画を策定し、その計画に従い、原子力発電所を健全な状態に維持・管理していくことで、30年以降も安全に運転することができます。
 なお、原子力発電所の運転期間については、保守活動の実態を踏まえ、社会的、経済的な観点も含め総合的に判断していきます。



以上