プレスリリース バックナンバー(2006年)

浜岡原子力発電所5号機 低圧タービンの点検状況について(続報)

平成18年9月12日
中部電力株式会社

 浜岡原子力発電所5号機の低圧タービンについて、これまでの点検および工場における試験・解析等による調査結果等についてお知らせいたします。

1 タービン開放点検状況

 タービンを開放し、羽根が脱落した低圧タービン(B)のほかに、低圧タービン(A)および(C)についても目視点検および非破壊検査を行った結果、低圧タービン(B)で羽根が脱落した第12段については、3基のタービンいずれにおいても、羽根の根元取付け部(フォーク)および車軸の羽根取付け部の一部に折損またはひび割れを確認しました。また、他の段の羽根については、異状は認められませんでした。
 これらのことから、今回の事象は低圧タービン(A)から(C)に共通した第12段の羽根特有の事象と推定しました。


2 試験・解析等による調査結果

 工場における試験・解析等の調査結果は、次のとおりです。


(1)破面観察結果

 損傷した羽根の根元取付け部等の破面について観察した結果、高サイクル疲労(※1)特有の模様を確認しました。


(2)原因調査状況

 高サイクル疲労を発生させた要因として、タービン内の蒸気流の乱れによって発生するランダム振動(※2)による応力や、タービンに給水加熱器内の蒸気が急速に逆流して起こるフラッシュバック現象(※3)による振動応力が、 第12段の羽根に作用し、その結果、根元取付け部が疲労破損した可能性があると推定しました。
 現在、破面に残された模様と試験運転時等のタービン運転履歴との関連について確認を行っています。


3 今後の対応

 引き続き、詳細な原因調査を実施するとともに、復旧対策について検討を進めてまいります。



※1  高サイクル疲労とは、金属材料に一定以上の力が1万~10万回以上繰り返し加わることにより、き裂が発生・進展し破損に至る現象です。

※2 ランダム振動とは、タービン内の蒸気流の乱れ(大きな逆流や渦流)によって羽根に発生する不規則な振動で、タービンの無負荷時および低負荷時に発生する現象です。

※3 低圧タービンでは、その蒸気の一部を取り出して、原子炉へ供給する水を加熱しております。この蒸気を抽気といいます。発電機の負荷遮断やタービンの自動停止が発生すると、タービンに供給される蒸気が急激に減少するため、真空状態の復水器と連結しているタービン内部の圧力が低下し、抽気がタービンに高速で逆流します。これをフラッシュバック現象といいます。
 なお、負荷遮断とは、送電線の故障等により発電を緊急停止することです。



添付資料1 浜岡原子力発電所5号機低圧タービン開放点検状況ならびに調査結果について

添付資料2 ランダム振動とフラッシュバック現象の概要

PDF参考資料「浜岡5号機の運転履歴と破面観察結果(ビーチマーク)について」[PDF:157KB]



以上

(これまでお知らせした内容)

 浜岡原子力発電所5号機(改良型沸騰水型、定格電気出力138万キロワット)は、定格熱出力一定運転中のところ、平成18年6月15日午前8時39分、「タービン振動過大」の警報が発報し、タービンが停止するとともに、原子炉が自動停止しました。

(平成18年6月15日 公表済み)


 その後、6月19日より低圧タービンの車室の開放作業を行い、低圧タービン(B)の第12段(外側から3段目)の羽根のうち1本が車軸から脱落し、タービン下部に落下していること、フォークが折損し、羽根と車軸とを固定するためのピンも一部切断していることを確認しました。羽根が脱落した段について残りすべての羽根(139本)を取り外して目視で確認したところ、46本について、フォークの一部に折損またはひび割れを確認しました。
 また、その周囲の羽根や部材の一部にも、擦り傷やへこみがあることを確認しました。

(平成18年6月23日および6月30日 公表済み)


 羽根の脱落が確認された低圧タービン(B)とともに、他の2基のタービン(A)(C)について、目視点検および非破壊検査を実施した結果、低圧タービン(A)では185本、低圧タービン(B)では247本、低圧タービン(C)では230本にフォークの一部に折損またはひび割れを確認しました。
 また、タービン(B)の羽根が脱落した側の13段、14段の羽根車については、異状は認められませんでした。

(平成18年7月6日および7月11日 公表済み)


 低圧タービン(B)の損傷に伴い、破損した物品について、タービン内部における回収作業は、ほぼ終了していますが、タービン以外へ流出したと考えられる物品について、8月24日より、回収作業を開始しました。作業は10月まで実施する予定です。

(平成18年8月23日 公表済み)


 低圧タービン(B)で発生した羽根損傷を踏まえ、8月30日より、高圧タービンの開放点検を開始しました。今回の点検では、高圧タービン第1~7段の全ての段について、羽根を抜き取らない状態で目視点検や非破壊検査を実施し、健全性を確認します。

(平成18年8月30日 公表済み)