プレスリリース バックナンバー(2006年)

浜岡原子力発電所3号機で確認されたハフニウム板型制御棒のひび割れに関する原因と対策について

平成18年9月19日
中部電力株式会社

 定期検査中の浜岡原子力発電所3号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)において、原子力安全・保安院の指示(※1)に基づき、前サイクルまで使用し今回使用済みとしたハフニウム板型制御棒の外観点検を実施し、全13本中5本の制御棒のシース部およびタイロッド部にひび割れを確認しました。
 また、本事象による外部への放射能の影響はありませんでした。

(平成18年8月7日、平成18年8月16日お知らせ済み)


 その後、今回ひび割れの確認された使用済ハフニウム板型制御棒の詳細調査を実施してまいりましたが、この度、原因調査結果および今後の対応について取りまとめましたので、お知らせいたします。
 なお、この調査結果は、本日、国へ報告しました。

1.原因調査結果

 今回、ひび割れの確認されたハフニウム板型制御棒は、前回ひび割れが確認された使用済ハフニウム板型制御棒(※2)と比較して、ひび割れの発生部位・位置、ひび割れの形状、材料等がほぼ一致していることから、今回確認されたひび割れも前回と同様、材料・応力・環境3因子の重畳による応力腐食割れにより発生したと推定しました。


2.対策

 今回ひび割れの確認された5本を含む全13本のハフニウム板型制御棒について、ボロンカーバイド型制御棒に取り替えます。


※1 指示とは、東京電力株式会社福島第一原子力発電所6号機でハフニウム板型制御棒にひび等があることが確認されたことを受け、平成18年1月19日に原子力安全・保安院から当社を含めた沸騰水型原子力発電所を所有する事業者に対して出された同型制御棒の点検等に関する指示のことです。

※2 廃棄処分のため浜岡原子力発電所に保管していた使用済みハフニウム板型制御棒について点検を実施し、3号機の使用済ハフニウム板型制御棒13本にひび割れを確認しました。(原因と対策については平成18年5月26日お知らせ済み)

以上

資料

1.調査結果

(1)ハフニウム板型制御棒の点検結果

○全13本中、熱中性子照射量が7.1×10の21乗個/cm2以上の5本について、ひび割れが確認された。

○ひび割れは制御棒の上部(主に第1ノード)で多く確認された。

○ひび割れは、シース部をほぼ水平方向に横断。

○シース部にひび割れが確認された5本の制御棒全てにタイロッド部のひび割れが確認された。


(2)前回ひび割れが確認された使用済ハフニウム板型制御棒との比較

○今回ひび割れが確認されたハフニウム板型制御棒5本と、前回ひび割れが確認された使用済ハフニウム板型制御棒13本について、比較を行い、ひび割れの発生部位・位置、ひび割れの形状、材料、応力条件、環境条件、高速中性子照射量がほぼ一致していることを確認しました。


項目 前回ひび割れが確認された
使用済ハフニウム板型制御棒
今回ひび割れが確認された
使用済ハフニウム板型制御棒
ひび割れの発生部位・位置 ・シース部のひび割れ
 主に、第1ノードの1,2段目のコマ溶接部の間及び3,4段目のコマ溶接部の間で発生。
・タイロッド部のひび割れ
 シース部のひび割れ近傍で発生。
同左
ひび割れの形状 水平方向に進展 同左
材料条件 シース 低炭素ステンレス鋼(SUS316L) 同左
タイロッド 低炭素ステンレス鋼(SUS316L) 同左
応力条件 コマ溶接部近傍に最大300MPa程度の引張応力が発生していると推定 同左
水質条件 炉水中の溶存酸素300ppb程度 炉水中の溶存酸素
・水素注入実施期間で50~100ppb程度
・水素注入を実施していない期間で300ppb程度
高速中性子
照射量
7.9×10の21乗個/㎝2~8.9×10の21乗個/㎝2
(最も照射量が高いノード平均)
7.4×10の21乗個/㎝2(4本)
7.6×10の21乗個/㎝2(1本)
(最も照射量が高いノード平均)


2.発生原因の推定

 今回、ひび割れの確認されたハフニウム板型制御棒は、前回ひび割れが確認された使用済ハフニウム板型制御棒と比較して、ひび割れの発生部位・位置、ひび割れの形状、材料等がほぼ一致していることから、今回確認されたひび割れも前回と同様、材料・応力・環境3因子の重畳による応力腐食割れにより発生したと推定しました。


【ひび割れ発生の過程】

◇高速中性子照射を受けた材料、酸素が溶け込んだ高温の原子炉水環境、コマ部近傍等における溶接時の残留応力等によってシースに照射誘起型応力腐食割れによる初期のひび割れが発生した。

◇高速中性子照射によるハフニウム板の照射成長による伸びと、腐食生成物の付着によるハフニウム板とシース間の摺動抵抗の増加により、シースおよびタイロッドに引張応力が発生し、照射誘起型応力腐食割れによるひび割れが拡大した。


【材料・応力・環境3因子の重畳による応力腐食割れ発生のメカニズム】

3.構造健全性評価

 ハフニウム板型制御棒に確認されたひび割れについて、緊急停止時(スクラム時)と地震時の応力が同時に働いた場合においても、ハフニウム板型制御棒の構造健全性が確保されていたことを確認するため、5本のハフニウム板型制御棒のシースおよびタイロッドに確認されたひび割れを保守的にモデル化し、健全性評価を行いました。
 その結果、制御棒としての構造健全性は確保されており、安全上問題となるものではないことを確認しております。


4.再発防止対策

 ハフニウム板型制御棒のひび割れへの対策としては、ボロンカーバイド型制御棒への取り替えおよびハフニウム板型制御棒の熱中性子照射量を4×10の21乗個/cm2以下で管理することのいずれも採用可能です。

 3号機では、今回ひび割れの確認された5本を含む全13本のハフニウム板型制御棒について、ボロンカーバイド型制御棒に取り替えます。


以上