プレスリリース バックナンバー(2006年)

「音カメラ※」を活用した防音対策評価システムの開発について ~現場で即座に計算可能!防音壁の効果を予測可能に~

平成18年12月14日
中部電力株式会社

 当社は、株式会社熊谷組殿(取締役社長:大田弘 本社:東京都新宿区)、信州大学(学長 小宮山淳 長野県松本市)工学部山下恭弘教授と共同で、「音カメラ※」を活用した防音対策評価システムを開発いたしました。

 本システムは、当社が先に共同開発した「音カメラ※」の画面上に、仮想の防音壁を設定することで、即座に実際の防音壁の防音効果が予測できるシステムです。これは、音カメラが測定位置での音の情報を漏れなく把握できるという利点を活かして開発したものであり、従来の防音対策評価と比べ、画期的なものといえます。

 従来の防音対策評価は、現地で騒音調査を行い、騒音源の位置や音の大きさなど多くの調査結果を騒音計算プログラムに入力して、防音効果を予測していました。そのため、調査と調査結果の入力には相当の時間と手間が必要であり、さらに、騒音源の調査漏れにより、予測結果が必ずしも正確でないことがありました。

※音カメラは、音の発生方向、音の大きさ(音圧レベル:dB)、音の高さ(周波数:Hz)を特定し、デジタルカメラから取り込んだ画像上にそれらを表示するものです。これまでにない音の映像化装置として、既に平成13年に、株式会社熊谷組殿、信州大学工学部山下恭弘教授と当社が共同開発し、発表しています。また、平成17年には、低周波音の発生方向を特定し視覚的に表示する低周波音用音カメラを開発し発表しています。

 本システムは、以下のような特長があります。


○仮想の防音壁を音カメラの画面上に設定するだけで、即座に防音効果を予測することが可能。

○防音壁の大きさと位置の設定が容易に変更できるため、異なる防音壁の設置ケースの比較検討が可能。

○従来の防音対策評価に比べ、音の情報を漏れなく把握できるため、正確な予測が可能。


 本システムの利用により、現地における騒音調査と防音対策の検討を一貫してスムーズに行うことができます。

 今後は、様々な現場での防音対策検討に本システムを活用していく予定です。

以上

<別紙>

1.システムの概要

 今回開発したシステムは、音カメラの測定結果を基に計算を行うため、音カメラの装置内で作動します。




2.防音対策の評価例

 図1は屋外で空調室外機を騒音源として防音壁の防音効果を予測した例です。画面上で仮想の防音壁(四角の枠)を設置すると、騒音レベルが57.0dBから50.4dBに下がると予測しています。図2は実際に防音壁を設置して測定した例です。この時の実測値は50.2dBとなり,予測値とよく一致していることが判ります。


図1 防音効果の予測



図2 防音効果の実測



3.開発のポイント

 防音壁の防音効果を正確に予測するためには、まず防音壁設置前の音の状態をいかに正確に把握するかが重要です。その点、音カメラは、その場に到来する音の発生方向、大きさ、周波数をすべて正確に把握します。しかもそれらを画面上に即座に表示します。このような音カメラの正確な音情報を防音効果の予測に活用しようと着想したことが本システムの開発の最大のポイントと言えます。



以上