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初めての浜岡原子力発電所見学(2016年3月)

動画の内容

見学者:
初めての浜岡原子力発電所見学。

キャラ:
皆さんの疑問に、私たちが答えます。

見学者:
浜岡原子力発電所は、どこにあるの?

キャラ:
浜岡原子力発電所は、静岡県の南端。遠州灘に面した街、御前崎市にあります。
1号機の運転が開始されたのは、1976年春のこと。
その後、5号機まで増設。
中部圏を支えるエネルギー供給施設として、徹底した安全管理のもと、安定した電気をお届けしてきました。
現在、中部電力社員、協力会社社員をあわせて、およそ4,000人の職員が働いています。
浜岡原子力発電所の敷地面積は、約160万m2
名古屋ドームおよそ34個分。
ここに、1号機から5号機の原子炉と、さまざまな施設があります。
1号機と2号機は、2009年に運転を終了。現在、廃止措置中で、解体作業が進められています。
3号機、4号機、5号機は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、安全性向上対策を実施中です。
まずは、ここ。浜岡原子力館からご案内します。

見学者:
浜岡原子力館ってどんな施設なの?

キャラ:
浜岡原子力館は、どなたでも無料で見学できる施設です。
実物大の原子炉模型や防波壁模型などを使って、原子力のしくみや浜岡原子力発電所について学べます。

職員:
こちらのエレベーターにのって、海抜22mという防波壁の高さを体感してみてください。

見学者:
ホントだ!防波壁ってこんなに高いんですねー!

職員:
こちらは、安全性向上対策の全体を説明する模型です。地震や津波、重大事故への対策を紹介しています。

見学者:
なるほど。これは、一目でよくわかりますね!

キャラ:
では、実際の発電所へご案内します!
まずは、5号機ギャラリーへ向かいます。

見学者:
原子力発電所の中は、どうなっているんだろう?

キャラ:
今回は、特別に普段なかなか入ることができないところをご案内します!
ここが、浜岡原子力発電所の5号機です。この中には、ギャラリーが設置されており、発電所の内部を見ることができます。

見学者:
この部屋は、何ですか?

キャラ:
ここは、原子力発電所の頭脳ともいうべき、中央制御室です。
運転員は、1グループ約10人の交代勤務。
24時間体制で、機器の監視やパトロールなどをおこなっています。
続いては、5号機の原子炉上部フロアです。ここからは原子炉の内部や使用済燃料を保管している燃料プールを見ることができます。

職員:
あちらに見えるのが燃料プールです。
燃料プールでは、これまで発電に使用した燃料を冷却・保管しています。

見学者:
初めて見ました!そもそも、原子力発電のしくみは?

職員:
原子力発電は、ウランの核分裂による熱を利用しています。
この熱で水を沸かし、その蒸気の力で、タービンを回転させて電気を作ります。

キャラ:
次は、浜岡原子力発電所の安全対策についてご説明します。

見学者:
浜岡原子力発電所で、福島第一のような事故が起きないか、心配ですが。

キャラ:
浜岡原子力発電所では、福島第一のような事故を起こさないよう、南海トラフで発生しうる最大クラスの地震・津波など国の検討状況なども踏まえ、
「巨大地震に耐える」
「津波を浸入させない」
「冷やす機能を確保し重大事故に至らせない」
などの対策を実施しています。

見学者:
地震に耐えられるよう、どのような工夫をしているのですか?

職員:
浜岡原子力発電所は、建設当初から、原子炉建屋をピラミッドのような安定した構造とし、地下およそ20mの岩盤に直接設置。地震の揺れに強い構造としています。
2008年までに、東海・東南海・南海地震の3連動地震による揺れなども考慮して、建屋内の配管や排気筒などへの耐震補強工事を実施しました。
2013年からは、南海トラフで発生しうる最大クラスの地震などを踏まえた対策も実施しています。

キャラ:
次は、津波の浸入を防ぐ、防波壁へご案内します。
浜岡原子力発電所では、津波を敷地内に浸入させないよう、約1.6キロにわたり、防波壁を設置しています。

職員:
あちらに見える、巨大な壁が防波壁です。

見学者:
わぁ。これですか!先ほど、浜岡原子力館で模型は見学しましたが、実際に見ると、すごい迫力ですね!

職員:
はい!高さは、海抜22m。内閣府が想定する最大クラスの津波に対しても敷地内への浸水を防ぎます。
また、敷地側面からの津波の浸入を防ぐよう、敷地の東西にセメントを混ぜた改良盛土を海抜22mから24mの高さで設置しています。
さらに、海とトンネルでつながる取水槽からも、海水を流入させないよう、その周辺に壁を設置するなどの対策をおこなっています。

見学者:
それでも、もし、津波が防波壁を越えて来たらどうするの?

職員:
仮に、津波が防波壁を越えた場合にも備えています。
原子炉建屋の扉を強化。水圧や漂流物に耐える外側の強化扉と内側の水密扉の二重化により建屋内への浸水を確実に防ぎます。

キャラ:
福島第一の事故は、津波によって原子炉を冷やす機能として重要な、電源と水を失ったことで起こりました。
浜岡原子力発電所では、先ほど紹介させていただいた防波壁などの津波を浸入させない対策に加えて、この冷やす機能に必要な電源供給と水についても、複数の代替手段を講じています。
次は、事故が起きた場合の電源を確保する施設へご案内します。

職員:
海抜40mの高台に、新たに設置したのが、ガスタービン発電機です。
原子炉を冷やすための電源として、もともと非常用ディーゼル発電機を複数台設置していますが、仮にこれが使えない場合でも、このガスタービン発電機を用いて、ポンプを動かし、原子炉へ注水します。

見学者:
でも、ガスタービンが使えなくなったら?

職員:
もし、ガスタービン発電機が使えない場合は、必要な場所に移動できる電源車などでポンプを回します。
仮に、電源がなくなった場合でも、可搬型の注水ポンプを配備しています。
また構内の地下水槽や貯水タンク、海とつながっている取水槽、新野川などを水源とし、原子炉に注水します。

見学者:
あらゆる事態を考えて、電源と水を確保できるようになっているんですね。
でも、万が一、福島第一のように燃料が溶けるような事故が起きてしまったら?

職員:
もし、なんらかの理由で燃料が溶けるような重大事故に至った場合に備え、格納容器の破損を防ぐため、格納容器を冷やす設備の強化やフィルタ付のベント設備などの対策を講じています。
なお、外部に気体を放出する際は、フィルタ付ベントで放射性物質の放出を抑制します。
福島第一のような事故を想定し、緊急事態に対応できるようにするためにシミュレーター訓練、電源を接続する訓練、必要な機器を夜間に操作する訓練など、さまざまな個別訓練を繰り返し実施しています。

見学者:
なるほど。浜岡原子力発電所ではハード面やソフト面の安全対策をしっかりおこなっているんですね!

キャラ:
今後とも、浜岡原子力発電所の安全性、信頼性の向上に努め、皆さまにご理解いただけるよう取り組んでまいります。

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