プレスリリース

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浜岡原子力発電所5号機 タービン建屋3階における電動ノコギリからの出火に対する原因と対策について

2010年06月03日
中部電力株式会社

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当社は、2010年5月12日に、定期検査中の浜岡原子力発電所5号機(改良型沸騰水型、定格電気出力126.7万キロワット)のタービン建屋3階(放射線管理区域内)で発生した電動ノコギリからの出火について、これまで推定原因の調査および調査の中で確認した問題点を踏まえた再発防止対策の検討を実施してまいりました。このたび、これらの結果をとりまとめましたのでお知らせいたします。

1 推定原因について

出火原因の調査結果から、電動ノコギリを洗浄する際に使用した洗浄液は常温で引火性の蒸気を発散する性質があり、電動ノコギリ起動時にモータ内部の電気接点より発生した電気火花により、モータ付近に残っていた洗浄液に引火し、出火したものと推定しました。

2 確認した問題点について

当社では、作業現場での化学薬品や危険物の使用、火災発生時の通報連絡についてルールを定めていますが、今回の火災ではルールに抵触する事項を3点確認しました。

(1)発電所ルールの誤った認識

ア.洗浄液使用許可手続きの不備

洗浄液などの化学薬品を作業で使用する際は、当社へ届け出ることを定めていますが、当該作業を請け負った協力会社は、今回の作業で洗浄液を使用する旨を届け出ていませんでした。

イ.洗浄液使用時の不適切な行為

引火性液体などの危険物を使用する際は、近傍に着火源となる通電された電動工具がないことを確認することを定めていますが、作業員は洗浄液の使用中に電動ノコギリを使用しました。

(2)通報連絡の遅れ

火災の発見者は、直ちに消防署および中央制御室に通報連絡をおこない、直接消防署に通報できない場合はその旨を中央制御室に連絡することを定めていますが、今回、発見者は消防署および中央制御室への通報連絡をおこないませんでした。

3 再発防止対策について

当社は、当面の対応として、協力会社へ「ルール遵守」と「火災発見者による通報連絡の徹底」について再周知を図り、作業毎に防火対策の再確認をおこなうとともに、引火性液体などの危険物を作業で使用する場合は、使用方法、防火対策などを記載した書類の提出を新たに定め、安全管理の強化を図りました。

これに加えて、以下の再発防止対策について順次実施しています。

(1)火災の直接原因に対する対策

今後、電動工具の洗浄には、危険物に該当する引火性の洗浄液は使用しないこととしました。

また、これまで作業現場で使用していた危険物を全て搬出することとし、すでに搬出を開始しています。ただし、検査や機器の手入れでは、引火性の洗浄液などの危険物が必要なため、この場合には、作業計画段階で火災発生のリスク評価をおこなった上で、当社が持ち込みを許可したもののみ、当日使用する必要最小限の量だけ持ち込むこととしました。また、危険物を持ち込む際は警備員による当社許可の確認をおこなうとともに、やむを得ず現場に保管する場合は、当社の管理の元、専用の金属製保管箱に保管します。

さらに、作業員が実施する日々の作業前ミーティングにおいて、作業計画段階におこなった火災発生リスク評価の結果を確認するなどにより、作業員の防火意識の向上を図ります。

(2)確認した問題点に対する対策

当社社員および協力会社社員を対象とした、発電所の防火管理、化学薬品管理および火災発生時の対応に係るルールの教育を6月1日より開始しました。

発電所ルールの認識不足が生じたことへの対策として、協力会社社員に対して、化学薬品や危険物の取り扱い、労働安全などに関するルールを簡潔にまとめた既存の小冊子を用いて、日々の現場作業管理の中で指導・教育をおこなうなどの対策を実施します。

通報連絡遅れへの対策として、火災発見時の通報連絡先を中央制御室に一本化しました。また、当社社員、協力会社社員を対象とした災害発生時の通報連絡手段に関する教育を年1回の頻度でおこなうとともに、通報連絡訓練を1作業チームあたり年1回の頻度でおこなうなどの対策を実施します。

(3)防火対策を推進するための委員会の設置

発電所内に当社社員と協力会社社員をメンバーとする委員会を設置し、上記対策をより実効的なものとするため、継続的に改善を図ってまいります。

別紙

以上

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