プレスリリース

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プラズマ放電部に炭化ハフニウムを採用した酸素プラズマ切断機の電極を開発~電極の大幅な長寿命化を実現~

2018年10月23日
中部電力株式会社
日酸TANAKA株式会社

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中部電力株式会社(所在地:名古屋市東区、代表取締役社長:勝野 哲)および日酸TANAKA株式会社(所在地:埼玉県入間郡三芳町、代表取締役社長:濱田 敏彦、以下「日酸TANAKA」)は、プラズマ放電部に炭化ハフニウムを採用した酸素プラズマ切断機の電極(以下、「本製品」)を開発しました。

酸素プラズマ切断機は、電極から発生する酸素プラズマの熱と、酸素と軟鋼(注1)との酸化反応による熱で軟鋼(約6~40mm)を溶かしながら切断する装置で、建設機械工場や造船所などで使用されています。

(注1)炭素を0.13~0.20%含んだ鉄。油圧ショベルのアームや橋梁など建設・産業分野で幅広く使用されている

電極のプラズマ放電部には、従来、融点が約2,200°Cのハフニウムという金属材料が採用されてきましたが、酸素プラズマの中心温度は約20,000°Cと高温のため、溶けやすく、消耗が早いといった課題がありました。

また、これまでも、融点が約3,800°Cと高い炭化ハフニウムの採用が期待されておりましたが、炭化ハフニウムの粉末を焼き固める工程で高い温度が必要となるなど、プラズマ放電部への成形・加工が困難でした。

本製品は、炭化ハフニウムの粉末製造から、プラズマ放電部の成形・加工までの工程を見直すことで、炭化ハフニウムを電極として採用することが可能となり、従来と比べて約1.6倍の長寿命化を実現しました。

これにより、電極の取替頻度が低減し、生産性向上や取替に関する人件費を抑制することが可能です。

なお、本製品の製造に関する一部工程について、特許を出願しております。

本製品を搭載した酸素プラズマ切断機を、日酸TANAKAが10月24日から受注を開始します。

【酸素プラズマ切断機の電極部分および軟鋼の概要図】

酸素プラズマ切断機の電極部分および軟鋼の概要図

【本製品の主な特長】

電極の大幅な長寿命化

ハフニウムを採用した電極と比較して、約1.6倍の電極寿命(注2)により、取替頻度が1日1回から3日で2回へ低減
⇒電極の取替にかかるコストマイナス30%

(注2)従来機:約230分→本製品:約360分
(軟鋼の厚さ16mm、電流300Aにて、1分間隔でのオンオフの試験結果)

【本製品による軟鋼切断の様子】

本製品による軟鋼切断の様子の写真

以上

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