中部電力グループレポートデジタルブック - 中部電力グループレポート(統合報告書)|中部電力
54/96

トップコミットメント価値創造気候変動戦 略事業活動ガバナンス人 財経営・財務データ等栗原 M&Aは、時間やリソースを買いながら、1+1を3以上にすることです。そのためにはポストマージャーインテグレーション(当初計画したM&A後のシナジー効果を最大化するための統合プロセス)が大変重要です。Eneco社のケースでは、最初、私は欧州で進んでいるビジネスモデルを学ぶことが目的だと思いましたが、その逆で日本の優れている仕組みなどを相手の会社に導入する場面も多々あると知りました。これこそ、お互いのメリットにつながるM&Aです。勝野 今後、新しい事業領域としてカーボンニュートラルやデジタル化に向けしっかりと投資をしていく必要があります。従来は、電気事業を通じ電気料金として長い期間で回収していく形でしたが、これに加えて新しい事業領域においては、投資と回収のタイミングを、その確からしさを含めて、時系列的にしっかりと管理できるようにしていく必要があると考えています。勝野 今後、経営層が議論しているビジネスモデルの変革と、第一線事業場で変えていこうとする仕事のやり方、それぞれの変革がうまく両輪で回ることが肝要と考えています。 地球環境に配慮したエネルギーを安全・安価で安定的にお届けすることが私たちの「変わらぬ『使命』」ですが、その使命完遂の仕方は劇的に変わっています。再生可能エネルギーなど分散型電源の導入拡大により電気の流れが大きく変わるため、これに対応する設備形成や運用方法、電気の流れの制御などを変えていく必要があります。使命完遂に向け、デジタル技術の進歩を積極的に取り入れながら、第一線の従業員は率先して自らの業務を改革しています。 栗原さんは、当社が持続的に成長するために強化すべき基盤をどのように見ていますか。栗原 持続的成長に向けて強化すべき点は、「人財開発」と「様々なステークホルダーとの対話」です。とりわけ大切にしたいのは、多様性です。不確実性の高い事業環境の変化への対応において、多様な人財が集まり議論した「集合知」は新たな価値の源泉になります。 このため、グループを横断しての人財育成・マネジメント戦略は、これからの重要課題になると思います。どの事業領域、企業体にどういったスキルセットの人財を配置し、かつ育成していくのか、更に異なる文化を経験した人財の活躍もしっかりと考える必要があります。勝野 グループ全体での人財配置については、最適化に向けた改善の余地があると考えますので、今後もぜひ議論をさせてください。 加えて、リスキリング(職業能力の再開発・再教育)も今後の重要課題と考えています。ITなどの活用が広がると人力に頼らなくても済む業務が出てきます。私の新入社員の頃にも、情報通信が発達し、運転業務がシステム化されたことを受け、保守の一貫体制を新たに作り、その運転業務の知見を保守業務に転用できる組織改革を行った経験があります。 今後、新たな領域での事業活動が増えていくなか、このような発想でリスキリングを進めていき、総合力を発揮していくことも大切だと思います。持続的な成長に向け強化すべき基盤1987年4月、日本開発銀行(現株式会社日本政策投資銀行)に入行し、M&A、財務戦略、ヘルスケアファイナンス、起業支援等を手掛け監査役就任。2020年6月同行退社後現職。同年6月に当社社外取締役に就任。栗原 美津枝株式会社価値総合研究所 代表取締役会長1977年慶應義塾大学工学部電気工学科卒業後、中部電力に入社。執行役員岡崎支店長、常務執行役員東京支社長、取締役専務執行役員経営戦略本部長、代表取締役副社長執行役員経営戦略本部長を経て2015年代表取締役社長に就任。2020年4月から現職。1954年生まれ、愛知県出身勝野 哲代表取締役会長53Chubu Electric Power Group Report 2021トップコミットメント価値創造気候変動戦 略事業活動ガバナンス人 財経営・財務データ等取締役会議長・社外取締役 対談

元のページ  ../index.html#54

このブックを見る