発電所周辺環境への取り組み

海の生態系改善「カジメの育成など」

近年の海の生態系

近年、日本全国各地で藻場が消滅する「磯焼け」現象が発生しており、浜岡周辺海域である榛南海域浅根岩礁においても例外ではなく、1989年頃から「磯焼け」現象が発生しています。この海域における磯焼けの原因は「海況の異変(海水温度上昇や異常気象による大型台風の影響など)」、「藻食性魚類の食害」などが考えられます。

カジメとは

「カジメ」は、ワカメやコンブと同じ仲間の海藻で、これらの海藻類が繁茂する場所は「藻場」とよばれ、アワビやサザエのえさ場となるほか、魚の産卵場所としても貴重なものです。

カジメ

これまで実施してきた磯焼け対策活動

1997年度から2007年度に基礎試験として、母藻移植試験(陸上で育てたカジメ母藻を海底に移植し、生長・繁殖させます)、スポアバッグ投入試験(子のう斑(胞子)を持つカジメを網状の袋に入れ、海底に投入し、胞子を放出させ発芽させます)および配偶体発芽試験(バイオ技術で、胞子より培養したカジメ配偶体を海底などに散布し発芽させます)などをおこない、母藻移植およびスポアバッグ投入が磯焼け対策に有効な手段であることを確認しています。
また、2008年度からは基礎試験をベースに、「藻場の回復・拡大」、「藻食性魚類の把握」および「磯根資源の回復」の3つの取り組みを継続的におこなっています。

これら取り組みについて、水産庁主催「令和2年度 磯焼け対策全国協議会」で紹介しており、その資料は以下のとおりです。

榛南海域浅根岩礁における藻場の回復・保全の取り組み[MP4ビデオ:92MB]

改善成果

榛南海域浅根岩礁について、磯焼け対策活動を継続しておこなうことでカジメの繁殖が可能であることが確認できました。
引続き知見を拡充しながら、磯焼け対策活動を展開していきます。

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