福島・東北に桜と未来を植える

今も続く3.11の影響の中で

東日本大震災と福島原発事故。その惨状は、多くの報道を通じて世界中に伝わり、誰もがその現実に言葉を失いました。あれから2年。身内や友人、家や土地、職場や仕事を突如失った人たちは、今でも小さな地震のたびに恐怖し、住み慣れた土地を離れ、生計の問題などに日々心を痛めています。震災後の非日常は薄れつつあるものの、高台造成などの復興工事が進まない地域は未だ「さら地」の風景。避難区域にいたっては、地震と津波に壊された街並みが今もそのまま広がっています。その中で、悲しみや怖れ、不安など多くの複雑な感情を越えて、「未来を担う子ども達」のために「夢」と「希望」を掲げて植樹に取り組む人たちがいます。

特定非営利活動法人 ハッピーロードネット

「30年後には、植えた桜が見ごろになる」
「子ども達が帰ろうと思ったとき、世界一の桜並木にしておきたい」

そう語るのは、NPO法人 ハッピーロードネット 理事長の西本由美子さん。福島県の浜通り(国道6号線:いわき市から新地町までの総延長163km区間)を中心に、地元の青年会議所の皆さんとともに桜を植えています。この桜が見ごろを迎える30年後には、この故郷に多くの人たちに戻ってきてもらいたい。この地から離れていかなければならなくなってしまった子ども達に、自分の故郷として誇りを持って帰って来てもらえる日が必ず来るものと、切に願いながら植樹活動をおこなっています。

団体紹介

特定非営利活動法人 ハッピーロードネット

目的:震災・原発事故の記憶の伝承
ふるさと復興のための礎づくり
目標:10年以内に20,000本
実績:2,000本(2013年3月現在)

【事務局】
〒979-0407 福島県双葉郡広野町広洋台2-1-5
Tel:080-6014-4372 Fax:0240-25-8893

理事長 西本由美子氏の写真
理事長 西本由美子氏

特定非営利活動法人 桜ライン311

「過去の教訓が今に伝わっていれば、救えた命も多かったはず」
「津波の到達点を桜の木でつないで、避難の際の目印として後世に伝えたい」

そう語るのは、NPO法人 桜ライン311 代表理事の岡本翔馬さん。「奇跡の一本松」で知られる岩手県陸前高田市で、津波の到達ラインに桜を植えています。活動は被災した地元の若者たち。津波で多くのかけがえのない命を失いました。その後、過去に同規模の津波の痕跡があったことを知り、さらに悔しい思いを抱きました。次の世代が同じ悔しさを繰り返さないようにと、津波の到達点に桜を植え、その桜よりも上に避難するよう伝承していきたいと活動しています。
「桜ライン311」の活動を知るきっかけになったのは、愛知県春日井市を拠点に被災地支援をおこなう「さくらっ子ドリーム応援団」団長の國分入道光雲さんでした。震災直後の4月から、地元でのチャリティーコンサートを皮切りに、6月には陸前高田市までの1,000kmの道のりを「被災地支援」を呼びかけながら歩きました。そこで出会った被災地の方々から「この震災の事、私たちの事を忘れないでほしい」という声を聞く機会が多かったため、「このメッセージを地元中部にも届けたい」、そして「東北と中部がつながることで、東海地震の減災にも努めたい」と、「桜ライン311」の活動など、中部から東北各地に植樹支援できる取り組みをスタートしています。

団体紹介

特定非営利活動法人 桜ライン311

目的:津波の記憶を伝承し、減災につなげる
目標:津波到達地点 全長170kmにわたり10mおきに合計17,000本
実績:1577本(2019年4月現在)

【事務局】
〒029-2205 岩手県陸前高田市高田町大隅93-1 つどいの丘商店街12号
Tel・Fax:0192-47-3399

代表 岡本翔馬氏の写真
代表 岡本翔馬氏(右端)

さくらっ子夢(ドリーム)応援団

「この震災の事、私たちの事を忘れないでほしい」という声を届けたい」
「東北と中部をつなげて、東海地震の減災にも努めたい」

そう語るのは、さくらっ子夢(ドリーム)応援団 団長の國分入道光雲さん。愛知県春日井市で子ども達に和太鼓を教える「転輪太鼓」の代表でもあり、震災直後の4月~5月にかけて地元愛知、そして岩手、宮城、福島と避難所や保育園を訪問し、チャリティーライブを開催。6月には和太鼓をリヤカーに乗せ、陸前高田市までの1,000kmの道のりを、「被災地支援」を呼びかけながら歩きました。そこで出会った被災地の方々との縁で、桜の植樹活動を東北各地でスタート。植樹場所は、幼稚園や避難所だったお寺、津波で全損後いち早く再開して憩いの場となった商店の前など、被災者の人達の目に触れやすい場所としている。

団体紹介

さくらっ子夢(ドリーム)応援団

目的:被災地の子ども達を応援
被災地支援を通じて東海地震の減災
目標:福島、岩手、宮城、茨木など、東北各地に合計1,000本
実績:37本(2013年4月現在)

【事務局】
〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦二丁目15-22
りそな名古屋ビル5F ㈱eライフ内

団長 國分入道光雲氏の写真
団長 國分入道光雲氏(後列中央)

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