接着(せっちゃく)の歴史は、古くは石器時代にまでさかのぼるのではないかと言われているよ。狩(か)りのときに使う「鳥もち<=モチノキからとれるねばり気のある物質(ぶっしつ)で、小鳥や虫をつかまえるために使うもの>」や、傷(きず)を治すために体にぬった動物や植物の油のようなものに、くっつく働きがあることに気づいて、使い始めたのかもしれないね。 古代から近年まで接着剤(せっちゃくざい)として使われてきた材料は、「にかわ」や「でんぷん」といった動物や植物から得られたものや、アスファルトのような天然資源(てんねんしげん)だった。接着する材料も木材や紙、石、土器などが中心だったよ。
19世紀になると、ゴムのりが登場し、広く使われるようになっていった。その後プラスチックをもとにした接着剤がたくさん開発され、使われているよ。日本で、「接着」ということばが初めて使われたのは、江戸時代(えどじだい)の終わりごろからなんだ。接着の歴史(れきし)のうつりかわりを、いろいろな接着剤でみてみようね。
◆アスファルト
道路のほそう材料として知られているアスファルト。これは石油の産出地からとれる、黒色のねばねばした油っぽい液体(えきたい)だよ。縄文時代(じょうもんじだい)には、このアスファルトで矢じりを動かないようにくっつけたり、土器の修理(しゅうり)に使っていたんだ。
◆にかわ
にかわは、紀元前からヨーロッパや中国で、木材の接着(せっちゃく)に使われていたものだよ。にかわは、牛や羊の皮や骨(ほね)をにた汁(しる)から作るんだ。おもな成分はたんぱく質(しつ)だよ。その後、宝石(ほうせき)やガラス、紙、家具や楽器、弓矢などの制作(せいさく)にも使われていたよ。17世紀に制作したバイオリンがすばらしいのは、接着剤(せっちゃくざい)としてにかわが使われているからだといわれているよ。
◆うるし
うるしは、中国や日本などの特産品で、古代から接着剤として土器の修理や、矢じりを固定するために使われていたよ。平安時代になると、仏像(ぶつぞう)や建物などに使われたよ。現在(げんざい)でも家具などの表面にぬって、強くしたり美しく見せるために使われているよ。
◆しっくい
古代から、石垣(いしがき)や石かべ、墓石(ぼせき)などの積み上げ時に、接着剤として使われてきたよ。原料は、石灰(せっかい)や貝がらを焼いたもので、水とねりあわせると、大気中の成分と反応(はんのう)して固まっていくんだ。万里の長城にも、400年くらい前に使われていたよ。
◆でんぷんのり
日本で古くから接着剤として用いられていたものは、米・麦を水といっしょに、にるとできるでんぷんが主なものだったよ。江戸時代(えどじだい)に行われていた、カサはりや障子(しょうじ)はり、着物の模様(もよう)をそめるときや、仕上げるときに使っていたよ。でんぷんの接着剤は、現在でも紙の加工や接着に使われてるよ。
◆アラビヤゴム
アフリカのアカシヤ・セネガルという木からとれる樹液(じゅえき)を乾(かわ)かしたもので、水によくとけるのが特ちょうだよ。湿(しめ)らせてからくっつける切手やかべ紙、文具など、紙の接着に使われているよ。
◆合成接着剤
20世紀になってからは、水や熱、どんな気候でも使うことができる、強力な合成接着剤が開発され続けているよ。
●クモから接着剤(せっちゃくざい)!?
ネバネバした糸でえものをとらえるクモ。あのネバネバも接着剤と同じような成分なんだ。クモが歩くところはサラサラ糸、えものをくっつけるところはネバネバ糸というように、使い分けているんだよ。
●海の中でもくっついてる!
アワビやカキなどの貝類は、水の中でも岩などに、しっかりとくっついている。このしくみを研究して、新しい接着(せっちゃく)の技術(ぎじゅつ)ができると考えられているよ。