定例記者会見
定例記者会見
2022年5月度 定例記者会見 林社長挨拶
2022年05月24日
中部電力株式会社
- 本日、私からは、
- 当社グループの生産性向上の取り組み
について、お話しいたします。
当社グループの生産性向上の取り組み
(はじめに)
- 当社グループは、昨年11月に策定した経営ビジョン2.0において、新成長分野への投資を加速し、収益のバランスを最適化するとともに、2030年に連結経常利益を2,500億円以上とする目標を掲げました。
- 一方で、足元の経営環境は、ウクライナ情勢の影響などによる世界的なエネルギー価格の高騰などを受け、大変厳しい状況にあります。
- この逆境を乗り越え、持続的に成長し続けるためには、グループ各社の人財一人ひとりが自律的に考え行動する力を磨き、変化の著しい事業環境に迅速かつ柔軟に対応する筋肉質な組織を作り上げていくことが重要です。
- 当社グループが生産性向上のために取り組んでいる「かいぜん活動」は、激変する事業環境に対応していくうえでの大きな推進力となっております。
(かいぜん活動の概要)
- 当社グループは、東日本大震災以降の省エネ意識の高まりなどによって電力需要が減少する中、原価低減の徹底を目的として、2017年に「トヨタ生産方式の考え方に基づくかいぜん活動」を開始いたしました。
- 開始から今年で5年が経過し、現在では、グループ全体で13社が「かいぜん活動」をおこなっており、先月新たに設置した「かいぜん推進室」を中心に、活動の加速・定着に取り組んでおります。
- かいぜん活動では、「仕事の本質追求」と「ムダの徹底排除」の習慣化を目指し、技術系の現場作業だけでなく、事務系の机上業務も含めて仕事のやり方をゼロベースで見直しており、これまでグループ全体で約2,700件の業務かいぜんに取り組んでまいりました。
(かいぜん活動の成果)
- 私は、「かいぜん活動」は、「コスト削減」「新たな価値の創出」「人財育成」の3つの点で当社グループの持続的な成長に大きく貢献するものと考えております。
- はじめに「コスト削減」効果についてお話しいたします。
- これまでの「かいぜん活動」で、送配電設備の維持管理の効率化による支出削減や、水力発電所の稼働率向上による発電量の増加など、概算で累計130億円の効果が出ております。
- 当社グループは、先月、経営ビジョン2.0の実現に向けたマイルストーンとして、2025年度に連結経常利益を1,800億円以上とする新たな中期経営目標を定めました。
- 目標達成に向けた第一ステップとして、国内エネルギー事業の利益回復に取り組むとともに、徹底したコストダウンを図ることとしており、その打ち手として、今後も「かいぜん活動」を強化してまいります。
- 次に、「新たな価値の創出」への貢献についてお話しいたします。
- これまでのかいぜんの取り組みにより、仕事の棚卸しが進み、一つひとつの業務プロセスについて、その必要性や本質を見直すことで、業務のスリム化を加速させております。
- 仕事の本質を見直すうえでは、お客さまが求める価値やニーズが何かを、改めて考えることが必要です。
- これを習慣化することで、従来以上にお客さまに寄り添ったサービスのご提供や仕事の質の向上を目指す意識が、組織全体で高まってきていると実感しています。
- また、かいぜん活動による業務のスリム化で、これまでに約1,600人分の業務量が削減されております。
- これにより、約460人を新成長領域や既存業務の強化・高度化へシフトすることにより、新たな価値や利益を生み出す「人財」と「時間」を捻出する効果が得られております。
- 当社グループは、新成長領域が創出する利益の割合を高め、事業構造を変革していくことを目指しており、「かいぜん活動」は、この変革を大きく前進させることができると考えております。
- 3点目に、「人財育成」の観点についてお話しいたします。
- 私は、経営ビジョン2.0の実現には、グループ各社の人財一人ひとりの力が不可欠であり、その成長や活躍があって、初めて成し得るものであると考えております。
- 「かいぜん活動」において、これまでの仕事のやり方をゼロベースで見直すには、いくつものハードルを乗り越える必要があります。
- 工夫や試行錯誤を繰り返し、ひたむきに取り組むことで、厳しい経営環境のなかにあっても、新たな事業領域に挑戦し続ける精神力や、競争を勝ち抜く発想力を身に付けることができると考えております。
- また、努力の成果が見える化されることで、毎日の業務の目的・課題・対策・効果を明確にすることができ、一人ひとりの取り組みの意義や役割を実感できるようになります。
- このように、従業員一人ひとりが、かいぜん活動の当事者として成功体験を積み重ねることで、働きがいや自律性を高め、ライフ・ワーク・バランスの向上にも繋がるものと考えております。
- 社内アンケートでは、従業員の8割以上から「仕事の目的や業務の進め方に対する意識の変化を感じている」との回答が得られ、手ごたえを感じております。
- このように、「かいぜん活動」は、単なる合理化の取り組みではなく、人づくりのための鍛錬の場として人財の育成に大きく貢献していると考えております。
(まとめ)
- これまでお話ししたとおり、当社グループの「かいぜん活動」は、着実に成果を挙げております。
- 生産性向上に向けた「かいぜん活動」に終わりはなく、今後は、より自律的な活動とするために、各部門において活動をけん引するリーダーとなる人財の育成や、職場ディスカッションによる従業員へのさらなる「かいぜん意識」の浸透などを進めてまいります。
- 引き続き、私自身が先頭に立ってこの活動を一層拡大・深化させていくことで、かいぜん意識を根付かせ、しなやかで強靭な経営基盤を構築し、経営ビジョン2.0の実現に向けて取り組んでまいります。
以上