その他の記者会見
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平成24年6月度 電事連・大野副社長会見
2012年06月07日
中部電力株式会社
- 中部電力の大野でございます。
- 本日、私からは、
「2012年夏季の電力需給対策」
についてお話しいたします。
今夏の電力需給見通し
- はじめに、この夏の当社供給エリアにおける電力需給見通しについて、お話しいたします。
- 皆さまご存知のとおり、当社は、経済産業省の報告徴収に基づき、4月23日に、この夏の電力需給見通しを報告いたしました。その内容は、国の需給検証委員会で検証され、5月14日にエネルギー・環境会議に報告・確認されました。
- 改めまして、エネルギー・環境会議で確認された、この夏の当社の電力需給見通しにつきまして、ご説明いたします。
- 資料1-1の左側をご覧ください。
- まず、この夏の1点最大電力についてです。
- 当社としては、最大電力を少しでも落とせるように、
- 企業のお客さまに対して夏季休日契約への新規加入をお願いし、
- 自家用発電設備をお持ちのお客さまに対しては発電量増加のお願い
を行ってまいりました。
- 夏季休日契約とは、企業のお客さまに、休業日を休日から平日にシフトいただくものです。
この夏は、この契約による調整力を、昨年度(2011年度)の契約値(36万kW)から4万kW上積みした、40万kWとすることを目標として、お客さまを個別に訪問しお願いしてまいりました。お客さまのご理解とご協力により、何とかこの目標を達成できる見込みです。 - また、自家用発電設備の発電電力量増加につきましても、昨年度(2011年度)の契約値(8万kW)から2万kW上積みした、10万kWを目標として、お客さまにお願いしており、これも達成できるとみております。
- これらの需要面での取り組みや、昨年から定着してきている家庭や企業の節電分を加え、2010年並みの猛暑になると仮定した場合、本年8月の1点最大電力は、2,648万kWと想定しております。
- 一方、供給力につきましては、
- 上越火力発電所1-1号(出力:59.5万kW)が7月初旬の予定で営業運転を開始すること、
- 武豊火力発電所2号機等の長期計画停止火力機の運転を継続すること
に加えまして、
- 川越火力発電所3-3号機等の定期点検を、国の承認を得て 法定期限を超えた時期まで繰り延べることなどにより、本年8月に予定しておりました火力機の定期点検を全て繰り延べることといたします。
こうした対策により、当社の供給可能な能力を、2,875万kWまで積み増しいたしました。
- その上で、当社は、需給ひっ迫が見込まれる地域の電力会社の要請を受け、当社供給エリアの安定供給を前提として、13時~16時のピーク時間帯に100万kW、それ以外の時間帯は最大で230万kW程度の電力融通を実施することとしました。
- これにより、緊急時の火力増出力10万kWを含めると、当社供給エリア内のお客さまへの供給力は、2,785万kWとなります。この水準は、予備率でみると5.2%に相当します。
- なお、一般に適正な予備率は8~10%と申しますが、これは最大3日平均電力に対する比率です。したがって、先ほどご説明した1点最大電力(2,648万kW)を、最大3日平均電力(2,567万kW)に置き換えると、供給予備率は8.1%となり、安定供給を確保できる水準であると言えます。
資料
当社供給エリアにおける節電
- 次に、当社供給エリアにおける節電につきまして、お話しいたします。
- 資料1-1の右側をご覧ください。
- この夏は、皆さまご承知のとおり、5月18日に国から当社供給エリアのお客さまに対しても、節電の要請がなされました。
- 節電要請の内容は、全国共通で7月2日(月)~9月28日(金)までの平日朝9時~夜8時につきまして、数値目標は伴わないものの、節電を要請する、その中で、当社管内は、8月13日~15日のお盆を除く、7月2日(月)~9月7日(金)の平日朝9時~夜8時については、一昨年(2010年)夏における使用最大電力の5%を抑制する、というものです。
- これを受けまして、当社は去る5月18日にお客さまに対し、電力需要が特に高くなる、平日13時~16時の時間帯を中心に、昨年並みの節電のご協力をしていただくようにお願いしたところであります。
- 改めまして、お客さまには、誠にご不便をお掛けいたしますが、節電にご協力を賜りますよう、この場をお借りして、切にお願い申し上げます。
- ところで、昨年並みの節電のご協力を賜れば、国から示された節電目標を達成できると申し上げました背景につきまして、ご説明いたします。
- 【図2】をご覧ください。
- このたび国からお客さまに示されました、「2010年比5%抑制」の節電目標は、当社の場合、2010年の電力需要から135万kW抑制することに相当します。
- 一方、この夏の当社供給エリアの最大電力につきましては、夏季休日契約への新規加入や自家用発電設備の発電量増加等により、2010年に比べて37万kW程度の減少することを既に織り込んでおります。
- そのため、節電目標を達成するために追加で必要となる節電は、節電目標のマイナス135万kWとの差分である98万kWとなります。
- これは、昨年の夏にお客さまにご協力いただきました節電効果100万kWと同程度であります。
- 従いまして、国が示した節電目標2010年比マイナス5%は、需給状況が厳しかった昨年の夏において、当社管内のお客さま1人1人にお取り組みいただいた節電と同じ程度のご協力をいただければ達成できる水準であります。
- なお、昨年から既に節電をされている方々が多く、例えば、照明をLEDに替えられていた場合、これによる節電分は今年の夏にも自動的に効いてきます。
- こうした定着した節電分は60万kW程度あるとみていますので、実際は、【図2】の真ん中の棒グラフの黄色の部分38万kW分をもうひと頑張りお願いしたいというものであります。
- また、夏の電力需要は、平日13時~16時の時間帯に特に高くなりますので、特に平日13時~16時の時間帯における節電のご協力をお願いしている次第です。
- 資料1-1の右下「2(3)需給状況・節電方法等に関する情報提供」をご覧ください。
- 具体的には、6月下旬から日々の需給状況をホームページでお示してまいります。
- また、テレビ・ラジオCM、検針チラシ、企業のお客さまへのダイレクトメール等を活用して、効果的な節電方法を ご案内し、節電へのご協力をお願いしてまいります。
豊田市におけるデマンドレスポンスの実証
- 最後に、当社の今後の取り組みにつきまして、お話しいたします。
- 資料1-2をご覧ください。
- 経済産業省は、一昨年(2010年)から、愛知県豊田市をはじめとする4地域(注)でスマートコミュニティの構築を目指して「次世代エネルギー・社会システム実証事業」を実施しております。
(注)次世代エネルギー・社会システム実証事業を実施する4地域
愛知県豊田市,神奈川県横浜市,けいはんな学研都市(京都府),福岡県北九州市
- 当社は、この実証事業の一環として、管内の電力需要(デマンド)に応じて、お客さまが電気のご使用を効果的に抑制またはシフトしていただくことを目的として、愛知県豊田市内や周辺にお住いのご家庭のお客さま最大160軒程度を対象として実証試験を行うことといたしました。
- 具体的には、対象となるお客さまに、電力需給逼迫が想定される時間帯、例えば、夏の13時から16時の電気料金を高くした料金メニューを疑似的に設定します。
- 加えて、その料金メニューや前日の時間帯ごとの電気のご使用実績データを、ご自宅にお配りするタブレット端末等にお示しします。
- その上で、当社は、お客さまの電気のご使用実績を当社のサーバーシステムで受信し、電気のご使用状況の変化やこの仕組みのお客さまへの受け入れやすさなどを検証するものです。
- 当社は、今後とも、お客さまに効果的に電気をご利用いただけるよう、様々な検討を実施してまいります。
まとめ
- この夏は、西日本を中心に昨年に増して厳しい需給状況が予想されております。
- 当社といたしましては、発電所および送変電設備の重点的な点検や保守を確実に実施することで、当社供給エリアの安定供給に万全を期してまいります。
- その上で、お客さまに節電のご協力をいただきながら、融通を通して、需給ひっ迫が見込まれる地域の安定供給にも最大限貢献してまいりたいと考えております。
- 私からは、以上です。
以上